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第168話 国交
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マルコ達が移住し、生活が落ち着いてきた頃。
「さっきグリム殿から要塞都市と同盟を結んだって聞いたんじゃが…装備を輸出してもらえないかの?」
「あー…そういえば魔法国家と武闘国家間の戦争に備えて大量生産してたな。」
「そうなんじゃよ!全部Aランク装備なんじゃがな、要望に応じて一つづつエンチャントもつけたわい!」
「ふむ…とりあえず要塞都市の方に話してみるよ。」
「頼んだわい!」
俺はキャンベルがいる部屋のドアの前へ”転移”した。
本来国同士の会談は書類を送りあい、時間をかけて決めるものだが…まあいいだろう。
「キャンベル、ジェノスだ。」
「入ってください。それで、何かありましたか?」
「ついこの前伝説の鍛冶師一行がヴァルハラ帝国に移住してきたんだ。」
「なっ…!!伝説の鍛冶師様が!?」
「あ、ああ…」
キャンベルが興奮して鼻息を荒げながら顔を近づけてきた。
「それで、以前魔法国家と武闘国家が戦争を始めようとしていたことは知っているな?」
「ええ。」
「そのために作った装備で、全てAランク装備らしい。」
「Aランクですか…上級兵が使用している装備と同ランクですね…」
「でも、ただのAランク装備じゃないんだ。」
「…と言いますと?」
「伝説の鍛冶師マルコ=スミスの十八番、エンチャントが一つづつ付与されているんだ。」
「なんと…!!」
そう、マルコは”鍛冶師”としても世界一位だが、同時に”付与師エンチャンター”としても世界一位なのである。
そしてマルコのエンチャントは他と同じ効果だというのに、何故か貴重に扱われているのだ。
「是非買わせてください!!」
「武器と防具それぞれ250個ずつ。…どれだけ買っていくら出す?」
俺は”ポーカーフェイス”と”交渉”スキルを行使した。
これで下手は打たないはずだ。
「む…武器と防具200セット、一セット当たり金貨150枚でどうですか?」
「安すぎるな。彼の伝説の鍛冶師とその弟子たちの装備だぞ?」
「むむむ…では金貨200枚でどうですか…?」
「ふむ…金額はそれでもいいが、マルコの気分次第ではこの先もう品が手に入らないかもしれないぞ?本当に200セットでいいのか?」
「むむむむむ…では250セット全部、1セット当たり金貨150枚でどうですか…?」
「金貨200枚。」
「金貨150枚で!!」
「ダメだ。金貨200枚、これは変えられん。」
「そこをなんとか…金貨160枚!!」
「仕方ない…同盟国ということで要塞都市を優先したが、他国に卸すことにしようかな。」
「…金貨180枚!!それ以上はもう出せません!!」
「分かった。初めての国交記念にそれでいいだろう。」
「ありがとう…ございます!!」
「じゃあ今から持ってくる。場所は騎士団本部でいいか?」
「ええ。いい買い物をさせていただきました。」
装備のコレクターによって他国で出回っているマルコの装備の販売は、武器または防具たった一つだけで金貨数百枚を取るらしい…
さらにオークションでは金貨数千枚が出されたこともあるとかなんとか…
それに比べたら、安く多く手に入れられて満足なのだろう。
おそらくコレクターによって出回っているのは、Sランクのエンチャントが複数付与されたSランク装備だろう。
それに比べて、今俺が売ったのはAランク装備でエンチャントはAランク一つだけ…
『…コレクターが値段釣り上げてくれてるおかげで高く売れたな。』
その後約束通り騎士団本部の方に卸し、金貨45000枚ぴったり頂戴した。
「キャンベル様、これは…?」
「ああ、ティーナか。これはダグラス殿から仕入れたあの伝説の鍛冶とその弟子たちの装備だ。」
「何ですって…!?」
「それを一セット当たり金貨180枚で卸してくれたんだ。」
「金貨180枚!?コレクターの半分以下の値段じゃない!!あの時買わなくてよかったわ…」
キャンベルが騎士団に支給すると、涙を流しながら喜ぶ人や武器に口づけをして喜ぶ人など、熱狂的な人ばかりだった。
後で知ったのだが、一般的に冒険者や騎士たちは全員”一度でいいから伝説の鍛冶師の装備を使いたい”と思っているらしい。
何はともあれヴァルハラ帝国は多大な収益を得、要塞都市は戦力が増大したので俺にとっては一石二鳥だ。
それから俺はマルコの工房に戻った。
「ようダグラス、どうだった?」
「ああ!250セット全部、一セット当たり金貨180枚で売ってやったよ!」
「全部!?それに一セットで180枚じゃと…!?」
「ああ。マルコ達の取り分はどうする?」
「そうじゃな…ダグラスのおかげで衣食住全く困っとらんし、材料費と作業料で金貨7000枚で良いわい!」
「…本当にそれだけでいいのか?」
「ああ!材料費は金貨3000枚前後じゃったしな!!むしろ作業料で取りすぎなくらいだわい!!」
「分かった。じゃあ金貨7000枚で。」
ヴァルハラ帝国の利益は金貨38000枚、日本円に直すと3億8千万円相当の儲けになる。
国家予算に比べたら大したことはないが、それでも十分な金額だ。
『交渉は初めてだったけど成功して良かった…』
「さっきグリム殿から要塞都市と同盟を結んだって聞いたんじゃが…装備を輸出してもらえないかの?」
「あー…そういえば魔法国家と武闘国家間の戦争に備えて大量生産してたな。」
「そうなんじゃよ!全部Aランク装備なんじゃがな、要望に応じて一つづつエンチャントもつけたわい!」
「ふむ…とりあえず要塞都市の方に話してみるよ。」
「頼んだわい!」
俺はキャンベルがいる部屋のドアの前へ”転移”した。
本来国同士の会談は書類を送りあい、時間をかけて決めるものだが…まあいいだろう。
「キャンベル、ジェノスだ。」
「入ってください。それで、何かありましたか?」
「ついこの前伝説の鍛冶師一行がヴァルハラ帝国に移住してきたんだ。」
「なっ…!!伝説の鍛冶師様が!?」
「あ、ああ…」
キャンベルが興奮して鼻息を荒げながら顔を近づけてきた。
「それで、以前魔法国家と武闘国家が戦争を始めようとしていたことは知っているな?」
「ええ。」
「そのために作った装備で、全てAランク装備らしい。」
「Aランクですか…上級兵が使用している装備と同ランクですね…」
「でも、ただのAランク装備じゃないんだ。」
「…と言いますと?」
「伝説の鍛冶師マルコ=スミスの十八番、エンチャントが一つづつ付与されているんだ。」
「なんと…!!」
そう、マルコは”鍛冶師”としても世界一位だが、同時に”付与師エンチャンター”としても世界一位なのである。
そしてマルコのエンチャントは他と同じ効果だというのに、何故か貴重に扱われているのだ。
「是非買わせてください!!」
「武器と防具それぞれ250個ずつ。…どれだけ買っていくら出す?」
俺は”ポーカーフェイス”と”交渉”スキルを行使した。
これで下手は打たないはずだ。
「む…武器と防具200セット、一セット当たり金貨150枚でどうですか?」
「安すぎるな。彼の伝説の鍛冶師とその弟子たちの装備だぞ?」
「むむむ…では金貨200枚でどうですか…?」
「ふむ…金額はそれでもいいが、マルコの気分次第ではこの先もう品が手に入らないかもしれないぞ?本当に200セットでいいのか?」
「むむむむむ…では250セット全部、1セット当たり金貨150枚でどうですか…?」
「金貨200枚。」
「金貨150枚で!!」
「ダメだ。金貨200枚、これは変えられん。」
「そこをなんとか…金貨160枚!!」
「仕方ない…同盟国ということで要塞都市を優先したが、他国に卸すことにしようかな。」
「…金貨180枚!!それ以上はもう出せません!!」
「分かった。初めての国交記念にそれでいいだろう。」
「ありがとう…ございます!!」
「じゃあ今から持ってくる。場所は騎士団本部でいいか?」
「ええ。いい買い物をさせていただきました。」
装備のコレクターによって他国で出回っているマルコの装備の販売は、武器または防具たった一つだけで金貨数百枚を取るらしい…
さらにオークションでは金貨数千枚が出されたこともあるとかなんとか…
それに比べたら、安く多く手に入れられて満足なのだろう。
おそらくコレクターによって出回っているのは、Sランクのエンチャントが複数付与されたSランク装備だろう。
それに比べて、今俺が売ったのはAランク装備でエンチャントはAランク一つだけ…
『…コレクターが値段釣り上げてくれてるおかげで高く売れたな。』
その後約束通り騎士団本部の方に卸し、金貨45000枚ぴったり頂戴した。
「キャンベル様、これは…?」
「ああ、ティーナか。これはダグラス殿から仕入れたあの伝説の鍛冶とその弟子たちの装備だ。」
「何ですって…!?」
「それを一セット当たり金貨180枚で卸してくれたんだ。」
「金貨180枚!?コレクターの半分以下の値段じゃない!!あの時買わなくてよかったわ…」
キャンベルが騎士団に支給すると、涙を流しながら喜ぶ人や武器に口づけをして喜ぶ人など、熱狂的な人ばかりだった。
後で知ったのだが、一般的に冒険者や騎士たちは全員”一度でいいから伝説の鍛冶師の装備を使いたい”と思っているらしい。
何はともあれヴァルハラ帝国は多大な収益を得、要塞都市は戦力が増大したので俺にとっては一石二鳥だ。
それから俺はマルコの工房に戻った。
「ようダグラス、どうだった?」
「ああ!250セット全部、一セット当たり金貨180枚で売ってやったよ!」
「全部!?それに一セットで180枚じゃと…!?」
「ああ。マルコ達の取り分はどうする?」
「そうじゃな…ダグラスのおかげで衣食住全く困っとらんし、材料費と作業料で金貨7000枚で良いわい!」
「…本当にそれだけでいいのか?」
「ああ!材料費は金貨3000枚前後じゃったしな!!むしろ作業料で取りすぎなくらいだわい!!」
「分かった。じゃあ金貨7000枚で。」
ヴァルハラ帝国の利益は金貨38000枚、日本円に直すと3億8千万円相当の儲けになる。
国家予算に比べたら大したことはないが、それでも十分な金額だ。
『交渉は初めてだったけど成功して良かった…』
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