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第19話 昇格試験
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それから3ヶ月が経ち、俺はついに”器用”のスキルランクがSになった。
効果としては、「ただ器用になった。」としか言いようがない。
左手で文字が書けるようになったり、上下左右逆に文字が書けるようになった。
…というのもあるが、戦闘で大いに役立っている。
例えば武器の扱いが若干うまくなったり、”投てき”がより遠くまで当たるようになった。
また、”錬金”はCランクになった。
効果としてはHP、MP、TP回復ポーションそれぞれCランクの物まで生成できるようになった。
それぞれ一本でHP、MP、TPを3000回復できる。
”器用”がSになったら冒険者ランクF→Eの昇格試験を受けるつもりだったのでカウンターに受験手続をした。
「ダグラス君やっと昇格試験受けるんだね。なにかきっかけでもあったの?」
「そろそろ新しいクエストをやりたいなと思いまして。」
「君なら受かると思うよ。私は人を見る目はあるんだ!」
「ありがとうございます。ところで、試験について説明はもらえますか?」
「いいよ。ちょっと待っててね。」
ギルド職員が試験についての紙を持ってきて、説明してくれた。
試験はCランク冒険者とギルド職員の2名が試験監督となり3日にわたって行う。
初日と二日目はどちらか1日で指定されたクエストを行い、最終日はCランク冒険者との実践だ。
成績はA~Eの5段愛評価で、平均がCを超えたら合格だそうだ。
「はい。これが受験票。1週間後に始まるからその時にこれを持ってギルドに来てね!」
「ありがとうございます。全力で挑みます。」
それからいつも通り過ごし、試験の日がやってきた。
ギルドに着くと、そこには受験者が30人くらいいた。
「今日の試験監督を担当する”新芽の息吹”所属 Cランク冒険者のサイモンだ。よろしくな。」
「私はギルド職員のドミニクです。よろしくお願いします。」
「では早速試験を始めます。」
「ちょっと待ってください!俺試験のこととか何も聞いていないんですけど!」
「俺も!説明してください!」
「僕も!」
多くの受験者がなんの説明もなく試験を始めることに困惑し、批判した。
すると、
「黙れ!お前たちは自分から試験のことを調べようとしたか?これはクエストと同じだ!
事前に知識を詰め込んでいない奴はこれから先長生きできないぞ!」
サイモン試験官が怒鳴ると、静かになった。
俺は確かに試験官の言っている通りだと思った。
「分かったならいい。」
そして試験が始まった。
「今日は試験番号1~15の人のクエスト進行の状態を見る。クエストは”ゴブリン討伐”だ。
1番の人は早速準備しろ。前の番号の人が帰ってきたら次の人の試験が始まるから準備しておけ!」
『この試験官何気に試験内容説明してるし…ってそうじゃなくって。
俺の試験番号は15番なので今日の最後だ。まあ待ってても暇だし訓練しているか。』
そう思い、ギルドの中にある武道場で訓練を始めた。
流石にいつものように訓練すると疲れるので、”器用S”がどのような場面で生かせるかについていろいろ実験していた。
そして俺の番がやってきた。
「次、ダグラス!準備はいいか?」
「はい!」
「よし、ではいくぞ!」
ギルドを出て、森林の入口まで来た。
「いつも通り”ゴブリン討伐”のクエストをやるだけだ。緊張しなくていいぞ!全力を出せるように頑張れ!」
サイモン試験官めちゃくちゃ優しいなおい…
「ありがとうございます!では早速行かせてもらいます!」
”魔力感知”をして近くに4体の集団を見つけたので、俺は全速力で向かった。
そしていつも通り近くで気配を殺し、”投てき”で二体の頭を確実に抜いて仕留め、残り2体が混乱している隙に片手剣スキル” ツヴァイスラッシュ”で仕留めた。
試験官の反応が気になり後ろを振り返ると、そこには誰もいなかった。
「…っ!!サイモン試験官…!?どこに…」
”魔力探知”をすると、試験官は森林から入って少しのところにいた。
『なるほど。何らかのスキルでそこから見ているのか。じゃあ遠慮なく次行きますか!』
そう思い、全速力でゴブリン残り6体を仕留めた。
”ゴブリン討伐”のクエストを達成したので試験官のもとに向かった。
「サイモン試験官!”ゴブリン討伐”のクエスト終了しました!」
「き、君!どこに行っていたんだ?って…え?まだ初めて1時間も経ってないけど…」
「え、サイモン試験官は森林の入り口から見ていたんじゃないんですか?あと、これギルドカードです。」
「本当にクリアしているじゃないか…君は「では行かせてもらいます!」って言ったあと突然消えたんだよ。」
まさか俺が突然全力で走り始めたから見失っていたとは…
「じゃあ試験はどうなりますか?」
「うーん…監督できなかったのは俺の責任だ。
だけど君が不正してる可能性もあるしなんとも言えないなぁ…すまない。一緒に冒険者ギルドに来てくれないか?」
「分かりました…」
『はぁ…面倒くさいなぁ…まあ仕方ないか。』
そう思いつつも、俺とサイモン試験官はギルドへ向かった。
効果としては、「ただ器用になった。」としか言いようがない。
左手で文字が書けるようになったり、上下左右逆に文字が書けるようになった。
…というのもあるが、戦闘で大いに役立っている。
例えば武器の扱いが若干うまくなったり、”投てき”がより遠くまで当たるようになった。
また、”錬金”はCランクになった。
効果としてはHP、MP、TP回復ポーションそれぞれCランクの物まで生成できるようになった。
それぞれ一本でHP、MP、TPを3000回復できる。
”器用”がSになったら冒険者ランクF→Eの昇格試験を受けるつもりだったのでカウンターに受験手続をした。
「ダグラス君やっと昇格試験受けるんだね。なにかきっかけでもあったの?」
「そろそろ新しいクエストをやりたいなと思いまして。」
「君なら受かると思うよ。私は人を見る目はあるんだ!」
「ありがとうございます。ところで、試験について説明はもらえますか?」
「いいよ。ちょっと待っててね。」
ギルド職員が試験についての紙を持ってきて、説明してくれた。
試験はCランク冒険者とギルド職員の2名が試験監督となり3日にわたって行う。
初日と二日目はどちらか1日で指定されたクエストを行い、最終日はCランク冒険者との実践だ。
成績はA~Eの5段愛評価で、平均がCを超えたら合格だそうだ。
「はい。これが受験票。1週間後に始まるからその時にこれを持ってギルドに来てね!」
「ありがとうございます。全力で挑みます。」
それからいつも通り過ごし、試験の日がやってきた。
ギルドに着くと、そこには受験者が30人くらいいた。
「今日の試験監督を担当する”新芽の息吹”所属 Cランク冒険者のサイモンだ。よろしくな。」
「私はギルド職員のドミニクです。よろしくお願いします。」
「では早速試験を始めます。」
「ちょっと待ってください!俺試験のこととか何も聞いていないんですけど!」
「俺も!説明してください!」
「僕も!」
多くの受験者がなんの説明もなく試験を始めることに困惑し、批判した。
すると、
「黙れ!お前たちは自分から試験のことを調べようとしたか?これはクエストと同じだ!
事前に知識を詰め込んでいない奴はこれから先長生きできないぞ!」
サイモン試験官が怒鳴ると、静かになった。
俺は確かに試験官の言っている通りだと思った。
「分かったならいい。」
そして試験が始まった。
「今日は試験番号1~15の人のクエスト進行の状態を見る。クエストは”ゴブリン討伐”だ。
1番の人は早速準備しろ。前の番号の人が帰ってきたら次の人の試験が始まるから準備しておけ!」
『この試験官何気に試験内容説明してるし…ってそうじゃなくって。
俺の試験番号は15番なので今日の最後だ。まあ待ってても暇だし訓練しているか。』
そう思い、ギルドの中にある武道場で訓練を始めた。
流石にいつものように訓練すると疲れるので、”器用S”がどのような場面で生かせるかについていろいろ実験していた。
そして俺の番がやってきた。
「次、ダグラス!準備はいいか?」
「はい!」
「よし、ではいくぞ!」
ギルドを出て、森林の入口まで来た。
「いつも通り”ゴブリン討伐”のクエストをやるだけだ。緊張しなくていいぞ!全力を出せるように頑張れ!」
サイモン試験官めちゃくちゃ優しいなおい…
「ありがとうございます!では早速行かせてもらいます!」
”魔力感知”をして近くに4体の集団を見つけたので、俺は全速力で向かった。
そしていつも通り近くで気配を殺し、”投てき”で二体の頭を確実に抜いて仕留め、残り2体が混乱している隙に片手剣スキル” ツヴァイスラッシュ”で仕留めた。
試験官の反応が気になり後ろを振り返ると、そこには誰もいなかった。
「…っ!!サイモン試験官…!?どこに…」
”魔力探知”をすると、試験官は森林から入って少しのところにいた。
『なるほど。何らかのスキルでそこから見ているのか。じゃあ遠慮なく次行きますか!』
そう思い、全速力でゴブリン残り6体を仕留めた。
”ゴブリン討伐”のクエストを達成したので試験官のもとに向かった。
「サイモン試験官!”ゴブリン討伐”のクエスト終了しました!」
「き、君!どこに行っていたんだ?って…え?まだ初めて1時間も経ってないけど…」
「え、サイモン試験官は森林の入り口から見ていたんじゃないんですか?あと、これギルドカードです。」
「本当にクリアしているじゃないか…君は「では行かせてもらいます!」って言ったあと突然消えたんだよ。」
まさか俺が突然全力で走り始めたから見失っていたとは…
「じゃあ試験はどうなりますか?」
「うーん…監督できなかったのは俺の責任だ。
だけど君が不正してる可能性もあるしなんとも言えないなぁ…すまない。一緒に冒険者ギルドに来てくれないか?」
「分かりました…」
『はぁ…面倒くさいなぁ…まあ仕方ないか。』
そう思いつつも、俺とサイモン試験官はギルドへ向かった。
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