-にゃんでどうしてこうなった世界-

もちもちもふぃ

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2.動き出す歯車

暗闇の中から

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――暗闇が蔓延っている部屋の中で何かがのっそりと動く。
金色の瞳をした猛獣は優雅に頭を持ち上げて、大きく伸びをした。
いち早く、主人の覚醒に気付いたのだろう。

今まで横になっている主人の傍を守るようにして陣取っていたそれは、主人の帰りを待ちわびていて、主人の覚醒を促そうと、ペロリと頬を人なめした。

「ただいま、ナディム。今日はいい夢を見られたよ。」

そう言って、クロヒョウのバディを撫で上げる。
グルグルと猫科特有の音を出し、バディは主人に甘えている。

「ふふ、今日も良い毛並だね。
夢の中で面白い子と出会ったんだー。
きっと私たちはとても仲良くなれる筈だよ。楽しみだねぇー。」

そう言って男はベッドから降りて、大きく背伸びをした。

「これからは忙しくなる。一緒に頑張ろうね。」

男は永い眠りから醒めたように、身体をゆっくりと慣らしながら、その部屋を後にした。

~*。・*~*。・*~*。・*~*。・*~*。・*~*。・*~

ついにこの時がやってきてしまった。

がちゃ――、バタンっ。

扉が閉まるや否や、ミナトは振り返って奈緒に覆いかぶさってくる。
俺は玄関の扉と身長の大きなミナトとの間で板挟みになって身動きが取れない。
今もまだ不機嫌なのか、荒々しく俺の隣に手をついて俺を閉じ込める。
カチャと鍵をしめる音がした後に、ミナトは俺の顎を捉え、上向きにさせる。

「やっと、この時を待っていたんだ――」

ミナトは情欲で満たされた掠れた声で囁く。
俺はキスされるのが分かり、気まずくなって視線をそらす。
その行為により不機嫌となったのか、性急な動きで俺の唇を愛撫する。

俺は硬く唇を閉ざしていたのだが、ミナトは舌で俺の唇を割って中にこじ入れようとしてくる。
ミナトはさらに扉についている手とは、逆の方の手を俺の背後に忍び寄らせツツーと背筋をなぞった。
咄嗟の事に、俺は力が抜けてしまい、口を開いてしまった。

その瞬間を逃すまいと、ミナトは舌を差し込んでくる。
舌をからめ、どちらのものか分からない唾液が混ざり合う。
ぴちゃ、くちゅ――
シンとしている屋内で、衣擦れの音とお互いの絡み合う音が如実に響き渡る。

ミナトは俺の下半身に大きく張りつめたそれを押し付けてきた。
俺も絶え間ないキスに頭が痺れて、下半身へと熱を集中させてしまう。

「ふふっ、奈緒のここも大きくなってるよ。もしかして、シタイ?」

「違うっ、俺はそんなの、求めてないっ――」

「本心じゃない事言っちゃってー。
この前は我慢させられたんだから、
今日はいっぱい、しようね――。」

俺はミナトから与えられる快感に溺れそうになる。

「さて、今日も素直じゃない、奈緒ちゃんに質問ターイム。
ちゃんと答えないとどうなるか分かってるよね?
それじゃあ、いくよ。
”奈緒ちゃんは、今エッチな気分ー?”」

「なっ、そんなの!恥ずかしくて言えねーよ。」

「五秒以内に応えないと、無回答と判断するよ。
はい、答えて――。ごー、よーん、……」

「だからっ、俺の口からは、言いたくないっ」

ミナトは数える間にも、俺の尻をいやらしい手つきで揉んでくる。
質問に答えると、まるで自分が淫乱になってしまったみたいで、自分の口からは決して言いたくはなかった。

「にー、いーち、ぜろ。
……はい、時間切れ。
質問に答えられなかったから、奈緒にを下すよ。」

「今晩、俺の言いなりになって――。
さあ、手始めに力を抜いてー。
寝室に連れて行ってあげる。」

そういった途端、身体から強制的に力が入らなくなって、崩れそうになったのをミナトが抱きとめる。
そして、靴を脱がすと、俺を抱えて歩き出した。

俺は忘れていたんだ。
ミナトの能力が、とても強かったのを。
嘘をついたり、ミナトの条件に反すると、満足するまで相手を意のままに操ってしまうという特殊な力。
俺には対抗する手段は何もなく、そうなってしまうともう止める事ができない。
もしかしたら、とんでもない墓穴を掘ってしまったのではないかと思うが、時すでに遅し。
俺は為すすべもなく、ミナトに寝室に連れていかれるのだった。



――後悔してももう遅い――
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