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葵くん〜Dom/Sab〜
しおりを挟むこの世界には、男と女意外にもう1つのダイナミクスがある。
支配欲を持つDom。
服従欲を持つSab。
DomとSabを入れ替えることのできるSwitch。
(Switchは希少種である)
Dom、Sab、Switchを持たないNormal。
DomとSab間ではplayと呼ばれるコミュニケーションが行われる。playはDomのCommandにより、Sabを服従させる行為であり、それぞれの欲求を満たし、信頼関係を築くためのものである。playにより、欲求が満たされないと心身ともに不調をきたす。抑制剤を服用すれば、ある程度不調を緩和できるがplayする以外に欲求を満たす術はなく、根本的な解決にはならない。
自身がDom、Sab、Switch、Normalのどれに該当するかは見た目では判断できず、検査を行う必要があるが、当の本人にとっては本能としての欲求のため、成長過程のどこかで嫌でも自覚する。
俺、水島葵は最近、自分のダイナミクスがSabであることを知った。Sabは服従する体質のせいかDomやNormalに軽く見られる。時にはDomによって、望まない支配をされSubdrop(※1)に陥ることがある。
だから、Sabである事は親友以外伝えていない。両親には言えない事情がある。
「結婚おめでとう!お母さん。」
俺は母に花を手渡す。母は12年前に父と死別してから、俺を1人で育ててくれた。Sabである母が俺を育てるのは相当な苦労があっただろう。そんな母が今日、再婚をする。相手は小学校の先生をしている優しい人だ。何回か会ったがとても良い人だった。新しい父と新しい兄弟が今日、家に引っ越してくる。
「ありがとう、葵ちゃん。嬉しいわ。」
母は大事そうに花を抱えると、満面の笑みで答えた。
ピンポーン。
「葵ちゃん!裕二さん来たみたい!お母さんどこも変じゃないかしら?」
水色のロングワンピースを着ている母は、髪を整える。
「大丈夫だよ。ほら、待たせちゃ悪いでしょ。」
「そうよね!迎えに行ってくるわ!」
母は小走りで玄関に向かった。俺はSub専用の抑制剤を飲んで、お茶の準備をしながら、リビングへ母が案内するのを待った。2分ほどで裕二さんと今日初めて会う弟が入ってきた。
「葵くん。久しぶりだね。今日からよろしくね。」
「お久しぶりです、裕二さん。こちらこそよろしくお願いします。」
「こっちが僕の息子で、今日から葵くんの弟になる雪だよ。」
雪と呼ばれた弟は俺より10cmほど身長が高く整った顔立ちをしている。
「こんにちは、兄ができるなんて嬉しいです。よろしくお願いします。」
「すっごいイケメンな子よね!お母さん、嬉しいわ!敬語もいらないから、気楽にしてね。」
「はい。ありがとうございます。」
「香織さんには伝えてるんだけど、僕と雪はDomなんだ。僕も雪も香織さんに対してGlare(※2)を放ったりしないことを誓うよ。大切にする。SafeWord(※3)はredで決めている。葵くんには不安に思って欲しくないんだ。」
「大丈夫ですよ。裕二さん達のこと信じてますから。」
「葵さんのダイナミクスはなんですか?」
「俺にも敬語はいらないよ。さんも。俺はNormalだよ。」
「そっか。俺不安だったんだ。もしSubだったらどう接しようかって。」
安心したような顔で胸を撫で下ろす。
これが俺が両親にSabであることを打ち明けられない理由だ。
「安心して。俺は正真正銘Normalだから。」
「さぁ、自己紹介も終わった事だし、荷物整理しましょう!葵ちゃんは雪ちゃんの部屋に案内してあげて、荷物の整理を手伝って。お母さん達は買い物行ってくるわね。」
「分かった。こっちだよ。」
「ありがとう。」
階段を上がり、突き当たりの部屋を開ける。部屋は元々誰のものでもないため、物は一切なかったが、昨日引っ越し業者が雪の物を設置したため基本的な家具は揃っていた。
「葵くん、、の部屋はどこなの?」
呼び方をどうしようか迷っている様子で名前を呼ぶ。俺的にはなんでも良い。
「このすぐ隣だよ。」
「良かったら見てもいい?」
「もちろん。」
俺は扉を開けて部屋に雪を入れる。俺はあまり物を置くのは好きじゃないから至ってシンプルな部屋だ。
「シンプルで俺は好きだな……ん??」
雪はベットの下から少し見えていた箱を手に取った。
「コレって……」
俺は雪の手から箱を奪い取る。この箱は抑制剤が入っている箱だ。
「忘れて……」
「今のって抑制剤……葵くんはDomとSabのどっちかなの?」
「忘れてくれ……」
恥ずかしさで顔が真っ赤になる。泣いてしまいそうだ。初日でバレてしまうなんて。
「playはしてないの?」
「する相手いないし……」
「体調は?」
「....」
体調が良いわけが無い。今もDomを目の前に本能は服従したいと叫んでる。
「ねぇ、俺とplayする?」
「っは!?さっきどう接したら良いか困るって言ってただろ。」
「そうだよ、俺の好みすぎる葵くんがSabだったら、絶対我慢できないから。」
「からかうな!」
俺は部屋から出ていこうと雪に背を向ける。
「Kneel 。」
雪の声に俺は反応し、ぺたんこ座りになる。命令に逆らうことができなかった。
「なんで……?///」
「やっぱりSabだったんだね。SafeWordはredでいいよね。俺の欲求、葵くんが満たして。葵くんは嫌?」
「何言って……///」
「Sey。」
「……い、やじゃない//」
「GoodBoy」
ちゅっ
「おま、何して///」
「そう言いながら、勃ってるよ。」
「勃ってない///」
「Present」
「えっ///」
俺は両足を持ってM字開脚をする。屈辱的な行為なのに、満たされて行く感覚に安心してしまう。
「Good。Strip。」
「待って……恥ずかしい///」
そう言いながら、服を脱いでいく自分にびっくりする。
「本当に可愛い。葵くん大好きだよ。もう俺だけのものだよね。」
「雪……ひゃあ///」
雪は俺のぺ〇スを掴むと上下に動かし始める。いきなり襲ってきた快楽に頭がふわふわする。
「ふぁ///あ//んん」
「Look」
俺は雪に顔を向ける。こんな顔見られたくないのに興奮してしまう自分がいた。高揚している雪の顔を俺は好きだと感じた。
「もう、らめぇぇ///いぐ///」
イキそうになった瞬間、雪は俺のぺ〇スから手を離す。我慢できない。こんな快楽初めてで、歯止めが効かない。俺は自分の手でぺ〇スを握り上下に動かす。
「ん、あぁ///ふぁ///」
「Stop」
「うぐっ///」
自身の手を止める。イきたくて仕方ない。俺はキッと雪を睨む。雪は自身のぺ〇スを指さす。
「可愛いね。葵。Lick。」
俺は雪のズボンとパンツを脱がし、ぺ〇スを舐める。無我夢中で舐める。欲しいという欲求に頭が支配される。
「んぐ、はぁ///んん、」
「ねぇ、どんな気分?Say」
「最高っ///」
「Good」
「んふぁ、んぐぐ、んんんあ///」
身体が疼く。イキたいという欲求が溢れそうだ。
「雪……我慢できない。イかせて、お願い、雪のを俺の中に入れて////」
「GoodBoy。最高だよ、葵。」
雪も服を脱ぐ。隠されていた筋肉があらわになる。雪はベットに腰掛けると、両手を広げた。
「Come」
俺は雪の足の上に座る。雪は俺を両手で抱きしめ、背中を撫でる。俺は目を閉じる。とても安心する。
「SubSpace(※4)に入ってくれたみたいで嬉しいよ。俺の葵。」
雪はそのまま俺を抱えると、ベットにゆっくりと下ろし、上へ覆い被さる。
「Kiss」
俺は雪に口付けをする。そっと触れるようなKissを。
「葵、そんなんじゃ、満足出来ないよ。ほら、Kiss」
再度、俺は雪にキスをする。今度は深く深くKissをする。
「ん、はぁ、、んんん//」
「Good」
雪は俺の頭を撫でる。ダメだ、思考が止まってしまう。
「葵、もう入れてもいい?Sey」
「挿れて、もう我慢できないから、早くちょうだい//」
「可愛い。」
雪は自身のペ〇スを俺の穴にあてがうと一気に奥まで挿れる。
「ひゃああ////」
「挿れただけでイッたの?葵、変態だね。」
ぺ〇スからダラダラと白い液体が流れ出る。
「Crawl。」
「ん、あああ」
俺は挿れたま仰向けから四つん這いになる。中でぺ〇スが回って快楽が脳を刺激する。
「Good、動くよ。」
「ふぁあ、んああ、らめぇぇ、おかしくなるぅ///」
「葵、おかしくなってよ。気持ちいい?」
「気持ちいいよぉ////」
「Commandいらなくなってるね。本当に可愛い。兄弟になれて嬉しいよ。」
「あふぁあ、んああ、イグぅぅ////」
「俺も一緒にイッていい?」
「イッてえええ///」
「ッ..」
雪の液体が体の中に流れてくる。その刺激で俺もイく
「はぁ、はぁ」
「Good Boy」
ちゅっ
俺は今まで感じたことの無い満足感に満たされていた。雪に頭になでられながら眠りについた。
☆☆☆
「最悪だ……」
俺は目を覚まし、第一声を放った。服や体は綺麗に整えられているが、記憶は鮮明に残っていた。
「おはよう、葵くん」
雪は床に座って本を読んでいたようだ。俺が起きたことに気づくと笑顔で挨拶をした。
「なんてことをしてしまったんだよ……弟とplayしてしまうなんて……」
「俺は幸せだったよ。葵くん、もう逃がさないからね」
「ふざけんな。俺は可愛い女の子と結婚するんだ。」
「葵くん、俺の事嫌いなの?」
「そういう問題じゃねぇんだよ…」
「葵くん……?」
笑ってるけど笑ってない笑顔で俺の名前を呼ぶ。俺は嫌な予感で顔がひきつるのが分かった。
「Sey」
「……嫌いじゃない……。Command使うなんて卑怯だ……」
「Good Boy」
雪に頭を撫でられながら悪くないっと思ってしまったのは、内緒だ。
※1...Sabの緊張や不安が高まってしまい、Subが疲労感、虚無感を覚えてしまうこと。また、重症になると死に至ることもある。
※2...Domが不機嫌になSubなどに浴びせるオーラ。Subは身体が震えたり、恐怖に飲まれてしまったりする。
※3...DomとSubの間で決めてある言葉でSubがSafe wordを発した場合、Domは行為を中止する。Domに負担がかかるのはもちろん、服従欲の強いSubにとって、Domに反逆するように感じてとても負担になる。
※4…Subの意識が完全にDomに服従してしまうこと。頭がふわふわし、安心感を覚える。
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