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救出②
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階段を上り詰めたところで揉めている声が聞こえた。
目を凝らすと公爵が男達と争っているようだ。
ダイアナを抱えていたが、後ろにそっとおろすと「ここに居て」と小さな声をかけた。
ダイアナはコクっと頷くと震えながらも気丈にしていた。
ーーアイツらをやっつけないと外には出られない。
まだ一緒に来た他の隊は追いついていない。
俺は剣を握りしめ階段を駆け上がった。
公爵は数人と争っていた。
元々若い頃は剣術の心得があると聞いてはいたがなかなかの腕前に「公爵、一人二人はご自分で相手をお願いします」と言うと
「まだまだ簡単にはやられない」とニヤッと笑った。
これだけの力量があるのに父親には逆らえないとは、やはり子供の頃から無理やり教え込まれた恐怖や抑圧されてきた環境がこの人の心を蝕んでいるのかもしれない。
俺はどこから湧いて出てくるのかわからない敵を一人ずつ切り倒していった。
公爵も肩で息をし始めた。
置いていった騎士達もそろそろ俺たちの跡を見つけてここにやってくるはず。
その間二人で何とかダイアナを守るしかない。
ダイアナは声も出さずにじっと耐えている。
ならば早く片付けて安心させなければ。
「そこのお嬢ちゃんは大切な売り物なんだ。怖いなら置いて逃げてここから出て行っていいんだぜ」
ーー誰が逃げる?お前達などたいして強くもないのに。
「今回買われる人は処女好きらしい。俺たちが犯るわけにはいかないが最後までしなければいいんだ。なあ、一緒に遊ばないか?」
男達は俺と戦いながらニヤニヤと気持ち悪い笑みをこぼしている。俺をイライラさせようとしているのがわかる。
返事も馬鹿らしく無視して一人ずつ切り捨てる。
こんな奴ら死のうと生きようとどうでもいい。
ただダイアナが階段から出てここを通る時に死体が転がっていたらいい気持ちはしないだろう。
そう思い殺さない程度に相手を切りつけていった。
流石の公爵も息が更に荒くなり、体の動きも鈍くなってきた。
一瞬の隙を狙われた。
「ぐあっ」
公爵が床に崩れるように跪く。持っていた剣を飛ばされ、腹を蹴られているようだ。
公爵の背中に敵の一人が大きく手を振り上げて剣で斬り殺そうとしている。
「公爵!」俺との距離が離れていて助けることは出来ない。
「お父様!」
ダイアナが父親の前に立ちはだかり相手の剣を、落ちていた剣を拾いか細い腕の力で防いでいた。
「ダイアナ、耐えろ。すぐに行く」
ダイアナの細腕では耐えることなど無理だとわかっているから急いで俺はダイアナの所へ一直線でむかった。
目の前にいくら敵が立ちはだかってもそんな奴ら切り捨ててダイアナのところへ向かった。
「キース様!手、手がもうこれ以上は持ちません」 プルプル震える腕、何とか耐えているのを見て俺はダイアナと対峙している男に向かって短剣を投げつけた。
見事に首筋に刺さり男はぐったりとして床に倒れていった。
「よく頑張った」
ようやく小屋に公爵家の騎士団の連中も助けにきてくれた。
「旦那様!」救護班らしき騎士が公爵の怪我を確認していた。
「お父様!」義弟のジェファが公爵の元に駆けつけた。
「ダイアナはそばに行かなくていいのか?」
ダイアナが少し離れた所から父親が治療されている姿を見つめていた。
「ううん、大丈夫です、それよりもミリア様が……」
「わかっている。逃げたんだろう?」
「……はい」
公爵夫人のことは俺自身興味はない。ま、でも、そろそろ別隊の騎士達が彼女を捕まえている頃だろう。
公爵夫人自身隠れるのは簡単なようで難しい。
贅沢している人が何もない場所で耐えることなど出来るわけがない。
「ダイアナ怖がらせてすまなかった。夫人はこちらで必ず捕まえる。とにかくここを出よう」
目を凝らすと公爵が男達と争っているようだ。
ダイアナを抱えていたが、後ろにそっとおろすと「ここに居て」と小さな声をかけた。
ダイアナはコクっと頷くと震えながらも気丈にしていた。
ーーアイツらをやっつけないと外には出られない。
まだ一緒に来た他の隊は追いついていない。
俺は剣を握りしめ階段を駆け上がった。
公爵は数人と争っていた。
元々若い頃は剣術の心得があると聞いてはいたがなかなかの腕前に「公爵、一人二人はご自分で相手をお願いします」と言うと
「まだまだ簡単にはやられない」とニヤッと笑った。
これだけの力量があるのに父親には逆らえないとは、やはり子供の頃から無理やり教え込まれた恐怖や抑圧されてきた環境がこの人の心を蝕んでいるのかもしれない。
俺はどこから湧いて出てくるのかわからない敵を一人ずつ切り倒していった。
公爵も肩で息をし始めた。
置いていった騎士達もそろそろ俺たちの跡を見つけてここにやってくるはず。
その間二人で何とかダイアナを守るしかない。
ダイアナは声も出さずにじっと耐えている。
ならば早く片付けて安心させなければ。
「そこのお嬢ちゃんは大切な売り物なんだ。怖いなら置いて逃げてここから出て行っていいんだぜ」
ーー誰が逃げる?お前達などたいして強くもないのに。
「今回買われる人は処女好きらしい。俺たちが犯るわけにはいかないが最後までしなければいいんだ。なあ、一緒に遊ばないか?」
男達は俺と戦いながらニヤニヤと気持ち悪い笑みをこぼしている。俺をイライラさせようとしているのがわかる。
返事も馬鹿らしく無視して一人ずつ切り捨てる。
こんな奴ら死のうと生きようとどうでもいい。
ただダイアナが階段から出てここを通る時に死体が転がっていたらいい気持ちはしないだろう。
そう思い殺さない程度に相手を切りつけていった。
流石の公爵も息が更に荒くなり、体の動きも鈍くなってきた。
一瞬の隙を狙われた。
「ぐあっ」
公爵が床に崩れるように跪く。持っていた剣を飛ばされ、腹を蹴られているようだ。
公爵の背中に敵の一人が大きく手を振り上げて剣で斬り殺そうとしている。
「公爵!」俺との距離が離れていて助けることは出来ない。
「お父様!」
ダイアナが父親の前に立ちはだかり相手の剣を、落ちていた剣を拾いか細い腕の力で防いでいた。
「ダイアナ、耐えろ。すぐに行く」
ダイアナの細腕では耐えることなど無理だとわかっているから急いで俺はダイアナの所へ一直線でむかった。
目の前にいくら敵が立ちはだかってもそんな奴ら切り捨ててダイアナのところへ向かった。
「キース様!手、手がもうこれ以上は持ちません」 プルプル震える腕、何とか耐えているのを見て俺はダイアナと対峙している男に向かって短剣を投げつけた。
見事に首筋に刺さり男はぐったりとして床に倒れていった。
「よく頑張った」
ようやく小屋に公爵家の騎士団の連中も助けにきてくれた。
「旦那様!」救護班らしき騎士が公爵の怪我を確認していた。
「お父様!」義弟のジェファが公爵の元に駆けつけた。
「ダイアナはそばに行かなくていいのか?」
ダイアナが少し離れた所から父親が治療されている姿を見つめていた。
「ううん、大丈夫です、それよりもミリア様が……」
「わかっている。逃げたんだろう?」
「……はい」
公爵夫人のことは俺自身興味はない。ま、でも、そろそろ別隊の騎士達が彼女を捕まえている頃だろう。
公爵夫人自身隠れるのは簡単なようで難しい。
贅沢している人が何もない場所で耐えることなど出来るわけがない。
「ダイアナ怖がらせてすまなかった。夫人はこちらで必ず捕まえる。とにかくここを出よう」
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