81 / 187
The Ugly Duckling
engagement 3/11
しおりを挟む
「一青……きれい……」
うっとりと、一青を見つめると、少しだけ一青が顔を赤らめてから、ちゅ。と照れ隠しのように唇に軽いキスをくれた。
「ゲート……大丈夫?」
唇が触れるほど近くで、一青が囁くように言う。
言われるままに身体の奥に神経を集中すると、清流の奥。湧き出す水のさらに奥。何か大きなものが溢れ出すような感覚がある。それは、決して不快なものではないけれど、大きすぎて怖くなるほどだった。
「いっ……せ。なにか……くる」
ぎゅ。と、一青の腕を掴んで怯えたように顔を見つめると、一青は力づけるように微笑んでくれた。
「今はまだ大きくは開いてないけど、すぐに全開になる。だから……」
そう言って、一青は両手で翡翠の頬を包み込んだ。
「契約……しよう?」
一青の言葉に、今度は、翡翠の感情が溢れ出す。
一青は最初からずっとそう言ってくれていた。まるで、最初から翡翠と契約を結ぶことが決まっていたみたいに迷いなく、彼はずっとそう言ってくれていたのだ。
「うん」
答えてももう、どこも痛みはしなかった。溢れてくるのは、一青を好きだという思いだけだった。
「じゃあ、翡翠」
翡翠の額に。頬に。鼻先に。唇に。何度も何度もキスをしてから、一青はもう一度翡翠の顔を見る。
「言って? 翡翠の口からも。聞かせてほしい。翡翠がどうしたいのか。どう思ってるのか。
俺の独りよがりじゃないって、教えて?」
切なげに眉を寄せて一青が言う。きっと、国政のことで一青を不安にさせてしまったのだろう。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「一青が好き。大好き。愛してる。
一青の伴侶になりたい。ずっと、ずっと一青といたい。一青だけのゲートにしてほしい。全部、一青のものにしてほしい」
だから、翡翠は、ずっと邪魔されて言えなかった思いを一青に伝えた。
一青は湧水だ。初めて会ったとき翡翠は思った。
今ならわかる。翡翠のゲートは最初から一青だけのものだった。だから、翡翠の中から湧き上がるのは、一青と同じ綺麗な水なのだ。
それを無視できるはずなどなかった。こうなるはずだったのに、遠回りしていただけだった。
「大好きだ。愛してる。ずっと、言いたかった」
ぎゅ。と、一青の背に腕を回してそう言うと、翡翠の背中も強く抱きしめられる。その腕は痛いほどだったけれど、黒蛇に絞めつけられるのとは全く違った。幸せで、このまま抱きつぶされてしまいたいと思う。
「俺も。翡翠を愛してる。俺だけのもんだ。誰にも渡さない」
翡翠の耳元に甘く囁いてから、ぐん。と、翡翠の中に収めていたソレが、奥を貫いた。
「……あ……っ。んんっ」
いきなり奥を貫かれて翡翠の首が大きく仰け反る。
うっとりと、一青を見つめると、少しだけ一青が顔を赤らめてから、ちゅ。と照れ隠しのように唇に軽いキスをくれた。
「ゲート……大丈夫?」
唇が触れるほど近くで、一青が囁くように言う。
言われるままに身体の奥に神経を集中すると、清流の奥。湧き出す水のさらに奥。何か大きなものが溢れ出すような感覚がある。それは、決して不快なものではないけれど、大きすぎて怖くなるほどだった。
「いっ……せ。なにか……くる」
ぎゅ。と、一青の腕を掴んで怯えたように顔を見つめると、一青は力づけるように微笑んでくれた。
「今はまだ大きくは開いてないけど、すぐに全開になる。だから……」
そう言って、一青は両手で翡翠の頬を包み込んだ。
「契約……しよう?」
一青の言葉に、今度は、翡翠の感情が溢れ出す。
一青は最初からずっとそう言ってくれていた。まるで、最初から翡翠と契約を結ぶことが決まっていたみたいに迷いなく、彼はずっとそう言ってくれていたのだ。
「うん」
答えてももう、どこも痛みはしなかった。溢れてくるのは、一青を好きだという思いだけだった。
「じゃあ、翡翠」
翡翠の額に。頬に。鼻先に。唇に。何度も何度もキスをしてから、一青はもう一度翡翠の顔を見る。
「言って? 翡翠の口からも。聞かせてほしい。翡翠がどうしたいのか。どう思ってるのか。
俺の独りよがりじゃないって、教えて?」
切なげに眉を寄せて一青が言う。きっと、国政のことで一青を不安にさせてしまったのだろう。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「一青が好き。大好き。愛してる。
一青の伴侶になりたい。ずっと、ずっと一青といたい。一青だけのゲートにしてほしい。全部、一青のものにしてほしい」
だから、翡翠は、ずっと邪魔されて言えなかった思いを一青に伝えた。
一青は湧水だ。初めて会ったとき翡翠は思った。
今ならわかる。翡翠のゲートは最初から一青だけのものだった。だから、翡翠の中から湧き上がるのは、一青と同じ綺麗な水なのだ。
それを無視できるはずなどなかった。こうなるはずだったのに、遠回りしていただけだった。
「大好きだ。愛してる。ずっと、言いたかった」
ぎゅ。と、一青の背に腕を回してそう言うと、翡翠の背中も強く抱きしめられる。その腕は痛いほどだったけれど、黒蛇に絞めつけられるのとは全く違った。幸せで、このまま抱きつぶされてしまいたいと思う。
「俺も。翡翠を愛してる。俺だけのもんだ。誰にも渡さない」
翡翠の耳元に甘く囁いてから、ぐん。と、翡翠の中に収めていたソレが、奥を貫いた。
「……あ……っ。んんっ」
いきなり奥を貫かれて翡翠の首が大きく仰け反る。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
31
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる