海と聖女とサムライと

clown

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第5章 王都 キングスウッド(仮)

第66話 宴会

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私達は、敵の裏をかいて、イーニンの北街から船で一路、王都キングスウッドを目指していた。

追い風なのか、やけに船の速度が速い気がする。

サキとヤタは、帆柱に登ったまま降りてくる気配が無い。

マリーナとエバは、甲板の隅に座り込んで何やら盛り上がっている。

時々、エバさんから、師匠とか、弟子入りとかの単語が聞こえてくるが、気の所為だと思う。

マリーナの事を先輩とか言ってるけど、これもきっと気の所為だと思いたい。

あれ?そういえば、ムサシが居ない。

ムサシは、甲板の下にある船倉に居た。

あれ?何かをとっさに隠した。

ムサシの横に酒樽があった。

「ムサシ。飲んでたでしょう。と言うかその酒樽は、何?」

【ああ、サーケが余りにも美味かったんでな。船を借りる時に調達してもらったんだ。】

「それで、我慢出来ずに盗み飲み?」

【すまん。】

「私にも頂戴。サーケ。」

それから、私とムサシは、船倉で飲み始めた。

いつの間にか、マリーナとエバのも加わっている。

エバがムサシの事を師匠と呼び出した。

こりゃ、酒の勢いで弟子入りする気だ。

ふと目覚めると、既に夕方になっていた。

昨夜は、ほとんど寝てなかったからな。

甲板に出ると、水平線に日が沈もうとしている。

ムサシ達も起きてきた様だ。

その肩には、サキが乗っている。

みんなで並んで日没を見る。

その後、甲板で夕食を取った。

明日には、王都に到着するらしい。

王都の次は、何処に行こうかな?

「船旅も悪くないな。」

船旅、良いですね。師匠。

エバっていつの間に、こんなに馴染んだんだろう。

夕食の後、みんなでまったりしていると、エバさんが口を開いた。

あの。王都に着いたら、皆さん王城に来て頂きたいのですが、お願いします。

【ほう、お城か行ってみるか?】

是非、歓迎します。師匠。

エバさんの師匠呼びに違和感が無くなってきた。

「それじゃ、お世話になるわね。」

これで、王都での宿は、王城に決まった。

翌日、みんな寝坊していた。

あの後、王城の話で盛り上がり、再び、飲んでしまった。

船頭が、もうすぐ、王都が見えると教えてくれた。

みんな、王都を見ようと甲板に出て来た。

遠くに王都が見えてきた。

海沿いに建つ王城が見えてきた。

なんか、様子がおかしい。

王城から煙が出ている。

【おい、ありゃ、王城が攻撃を受けているぞ。】

【船だ、船から攻撃している。】
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