海と聖女とサムライと

clown

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第4章 王都へ

第64話 空中ブランコ

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港街と北街を、結ぶ橋が落とされていた。

これには、ムサシも頭を抱えている。

【クソー、アイツら昨夜は、やけにおとなしいと思ったらこんな事やってたのか?】

「ムサシどうするの?」

【どうすると言われてもなあ。船で渡るか?上流の方を経由するか?橋が直るまで待つかだが。】

【まあ、急いでも仕方ないな。宿に戻るぞ。】

私達は、急いで、宿屋に戻りもう一泊する事にした。幸い、同じ部屋を押さえる事が出来た。

荷物を部屋に運び込むと、まだ午前中なのに疲れてしまった。

ムサシは、しばらく、静かに考え事をしていたが、何かを思い付いたらしい。

【ちょっと出かけて来る。ヤタ一緒に来い。】

ムサシさん大丈夫でしょうか?

「エバさん、心配無用ですよ。どうせ又、良からぬことを考えているに違いないし。」

昼過ぎになり、ムサシがヤタを肩に乗せて戻って来た。

【マリーナ、ちょっと一緒に来い。】

(はい、師匠。でも何処へ。)

【冒険者ギルドだ。ああ、それから今夜は、忙しくなるから、昼寝でもしといてくれ。ロウ、しっかりと見張りを頼むぞ。】

そう言って、今度は、マリーナと出かけてしまった。

うふふ、ムサシさん楽しそうですね。一体何を企んでいるのでしょうね?

なんか、エバさんもムサシに慣れてきた様だ。

「ムサシも、ああ言っていたし、取り敢えず昼寝にしましょう。」

サキはいつの間にかベッドで寝ている。

夕方になって、マリーナがドアをノックする音で起こされた。

「おかえりなさい。」

【よし、ちゃんと寝てた様だな。腹が減っただろう。】

そう言って、大皿にたくさんのおにぎりを出した。

(後こっちは、おかずです。)

マリーナは、小魚の焼いた奴を出してきた。

「これって、もしかして、昨日の店の?」

(はい、作ってもらってきました。)

『やった。おにぎり。』

今、起きてきたサキが、おにぎりを見てはしゃいでいる。

【じゃあ、飯にしようぜ。その時に計画を話す。】

深夜、私達は最低限の荷物を持ち、壊れた橋のたもとに来ていた。

【よし、先ずは、マリーナからだ、向こうに着いたら警戒しろよ。】

【ヤタ良いぞ。】

ムサシが声を掛けると、ヤタはカーと鳴いて、巨大化した。

すると、ムサシはヤタの3本足のひとつに輪っかになった綱を結びつけた。

ムサシはマリーナを、輪っかに座らせるとヤタに合図を送る。

すると、ヤタは羽ばたき向こう岸に、向かって飛び去って行った。

ヤタが向こう岸に降り立つのが見える。

ヤタは、マリーナを降ろすと、直ぐに戻って来た。

なる程、こうやって全員をヤタに運ばせるのか。

私は、次は誰だろうと考えて居たら、私が指名された。

既に、ヤタは準備万端だ。

私は恐る恐る、輪っかに座ると、ヤタは直ぐに舞い上がり川の上高く飛んで行く。

そして、あっという間に向こう岸に降り立った。

なんか、心の準備をしていたのに、つまらないと思ってしまった。

サキ、エバ、ムサシの順に次々と運ばれてきた。

サキがとても楽しそうで、もう一回とか言っている。

あれ?ロウはどうするのだろうと思ったら、ムサシも考え込んでいた。

そしたら、ロウは、大きくなり、そのまま、川を飛び越えてきてしまった。

あれ?もしかして、ロウの背中に乗って移動でも良かった?
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