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第4章 王都へ
第59話 襲撃者
しおりを挟むムサシは、寝ずの番をしながら考える。
【相手は素人じゃ無い。この仕事で飯を食っている奴だ。】
【今夜は新月だ、月明かりは無い。だから、俺なら海から攻める。まさか海から攻めてくるとは思わない。】
【この面子なら、負けはないだろう。ならば、敵の殲滅を目指すべきだ、1人も生きて返さない。これは、戦だからな。】
【ただ、問題がある。いつかは、通る道だが、あいつには人殺しはまだ早い。】
【さてどうするか?】
そんな事を考えていると、街道に人の気配がした。
【来たかな。まあ、囮だろうがな。】
【起きろ!来たぞ、】
【街道方向。数は10】
【マリーナ、ロウに乗って、突っ込め。手加減は無しだぞ、ただし、深追いはするなよ。どうせ囮だ。】
【マリアとサキは、エバを守れ。】
【さて、俺は海からの敵を蹴散らすか。神剣とやらの威力、見せてもらうぞ。】
ムサシは、草薙の剣を抜くと、魔力を込めて、微かな音だけを頼りに、何も見えない海に向かって振り下ろした。
すると、草薙の剣から真っ赤な炎が吹き出した、それはまるでヤマタノオロチの様な形をしている。
ヤマタノオロチは真っ直ぐに飛んで、暗闇に隠れて居た船を包み込む。
ムサシは、海上に浮かぶ大きな船が炎に包まれているのを見てこの神剣に満足していた。
海上で激しく燃え盛る船に照らされて、辺りの様子が見えるようになっていた。
ムサシが、マリーナの様子を見ると、ロウに乗ったマリーナが縦横無尽に駆け回っている様だ。
【まあ、あの様子なら、加勢はいらないか。】
【マリア、問題無いか?】
「大丈夫。矢がいくつか飛んできたけど、サキが叩き落としたわ。」
【さてと、それじゃ仕上げと行きますか。】
【斬魄刀だと、それ程じゃ無かったからな?神剣の威力はどうかな?】
ムサシは、神剣を天にかざすと、再び魔力を込め始める。
【行け、雷神!】
すると、ムサシが掲げた草薙の剣から、無数の稲妻が天に登ったかと思うと、天からまるで、大蛇が大口を開けた様な稲妻が8つ、海上のあちこちに落ちた。
この一撃で、海上に避難していた全て敵が殲滅された。
ムサシは、ふーと息を吐き出すと、その場に座り込んだ。
【威力があり過ぎだよ。これじゃあ、おいそれと使えねえ。】
その様子を見ていた、マリア達が駆け寄ってきた。
『おじちゃん凄い。私もそれやりたい。』
【ああ、そのうちな。】
「ちょっと、いつの間にそんな魔法覚えたの?威力あり過ぎだって。」
【ちょっと、腹が減ったな、ちょっと早いが朝飯にするか。】
「ちょっと、ムサシ、何お酒なんか飲んでるのよ。」
【良いじゃねえか。昨日は我慢したんだから。】
【さて、皆が揃った所で、何故、殺し屋に狙われているのか教えてもらおうか?エバ王女様。】
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