海と聖女とサムライと

clown

文字の大きさ
上 下
58 / 68
第4章 王都へ

第59話 襲撃者

しおりを挟む

ムサシは、寝ずの番をしながら考える。

【相手は素人じゃ無い。この仕事で飯を食っている奴だ。】

【今夜は新月だ、月明かりは無い。だから、俺なら海から攻める。まさか海から攻めてくるとは思わない。】

【この面子なら、負けはないだろう。ならば、敵の殲滅を目指すべきだ、1人も生きて返さない。これは、戦だからな。】

【ただ、問題がある。いつかは、通る道だが、あいつには人殺しはまだ早い。】

【さてどうするか?】

そんな事を考えていると、街道に人の気配がした。

【来たかな。まあ、囮だろうがな。】

【起きろ!来たぞ、】

【街道方向。数は10】

【マリーナ、ロウに乗って、突っ込め。手加減は無しだぞ、ただし、深追いはするなよ。どうせ囮だ。】

【マリアとサキは、エバを守れ。】

【さて、俺は海からの敵を蹴散らすか。神剣とやらの威力、見せてもらうぞ。】

ムサシは、草薙の剣を抜くと、魔力を込めて、微かな音だけを頼りに、何も見えない海に向かって振り下ろした。

すると、草薙の剣から真っ赤な炎が吹き出した、それはまるでヤマタノオロチの様な形をしている。

ヤマタノオロチは真っ直ぐに飛んで、暗闇に隠れて居た船を包み込む。

ムサシは、海上に浮かぶ大きな船が炎に包まれているのを見てこの神剣に満足していた。

海上で激しく燃え盛る船に照らされて、辺りの様子が見えるようになっていた。

ムサシが、マリーナの様子を見ると、ロウに乗ったマリーナが縦横無尽に駆け回っている様だ。

【まあ、あの様子なら、加勢はいらないか。】

【マリア、問題無いか?】

「大丈夫。矢がいくつか飛んできたけど、サキが叩き落としたわ。」

【さてと、それじゃ仕上げと行きますか。】
【斬魄刀だと、それ程じゃ無かったからな?神剣の威力はどうかな?】

ムサシは、神剣を天にかざすと、再び魔力を込め始める。

【行け、雷神!】

すると、ムサシが掲げた草薙の剣から、無数の稲妻が天に登ったかと思うと、天からまるで、大蛇が大口を開けた様な稲妻が8つ、海上のあちこちに落ちた。

この一撃で、海上に避難していた全て敵が殲滅された。

ムサシは、ふーと息を吐き出すと、その場に座り込んだ。

【威力があり過ぎだよ。これじゃあ、おいそれと使えねえ。】

その様子を見ていた、マリア達が駆け寄ってきた。

『おじちゃん凄い。私もそれやりたい。』

【ああ、そのうちな。】

「ちょっと、いつの間にそんな魔法覚えたの?威力あり過ぎだって。」

【ちょっと、腹が減ったな、ちょっと早いが朝飯にするか。】


「ちょっと、ムサシ、何お酒なんか飲んでるのよ。」

【良いじゃねえか。昨日は我慢したんだから。】

【さて、皆が揃った所で、何故、殺し屋に狙われているのか教えてもらおうか?エバ王女様。】
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。

アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。 両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。 両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。 テッドには、妹が3人いる。 両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。 このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。 そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。 その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。 両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。 両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…   両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが… 母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。 今日も依頼をこなして、家に帰るんだ! この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。 お楽しみくださいね! HOTランキング20位になりました。 皆さん、有り難う御座います。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

処理中です...