海と聖女とサムライと

clown

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第3章 賢者

第37話 練習台

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私達がいる場所を見回すと、岩と岩の間に、人が1人やっと通れるくらいの隙間がある。

私達は、少しの休憩の後、その隙間を進んで行った。

隙間は、大きな円を描きながら、少しずつ下って行く。

ムサシは、小柄なサキを先頭に立たせて進む。

ただ、サキの腰には紐が結んであり、その紐は、ムサシが握っている。

サキが、勝手に突進しない為のようだ。

隙間の道は、進むに連れて道幅が広がっていく。

どれくらい進んだだろうか? 薄暗かった隙間の道がだんだんと明るくなってきた。

ムサシは、サキを後ろに下げ、皆に此処で待つ様に合図を送ると、独り、先に進んでいった。

しばらく待っていると、ムサシが戻ってきた。

【スケルトンの大群がいやがった。先ずは、あいつらを片付けるぞ。】

皆で先に進むと、ドーム状の広場に出て来た。

4人が様に並べるくらいの足場があり、広場より高い位置にある。

そして、広場には、スケルトンの大群がひしめき合っている。

【俺とマリーナで、登ってくる奴を下に叩き落とす。マリアとサキは、光魔法で蹴散らせ。】

【行くぞ!】

それからは、無我夢中で光魔法を放っていく。

スケルトンは、私達に殺到して岩を登ってくるがムサシ達が蹴散らして、寄せ付けない。

【マリア、魔力を込めすぎだ。もっと手数を増やせ!】

【サキ、一体ずつ倒して遊ぶな!】

サキは、魔力を少しだけ込めて、一体ずつ倒しているようだ。

『これいい練習だよ!』

と言ってはしゃいている。

【マリーナ後は任せる。俺も光魔法を試してみる。】

何かムサシも練習を始めるらしい。

だんだんと慣れてきて、作業見たいに思えてきた私は、ムサシの様子を伺う。

ムサシは、居合い抜きで魔法を放ち、一体ずつ攻撃している。

最初は、風魔法で相手は倒れるだけだったが、放たれる風の刃が少しずつ輝きを帯び始めた。

やがて、光の刃が飛んで、軌道上のスケルトンを次々と切り刻んでいく。

すると、その様子を見たサキが凄いと言って、ムサシの真似を始めた。

1時間くらい経った頃には、辺り一面がスケルトンの欠片で埋め尽くされていた。

スケルトンを全て片付けた私達は、綱を降ろして広場に降りた。

私達が足場にしていた所の真下には、見覚えのある扉があった。

「ムサシお願い。」

私は、何の迷いもなくムサシだけが、この扉を開く事が出来ると信じていた。

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