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散策~衣服を求めて~
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ふわふわとした浮遊感に包まれたかと思えば、果てしなく落下していくような感覚に陥ったりしてる内に、目をつぶっていてもわかるほどの閃光に包まれた瞬間、自分の足が土を踏みしめる感触に驚き目を開ける。
「なんだここ……森の中?」
そこかしこから聞こえてくる鳥のさえずり。
森の中特有の木々のにおい。
そして肌で感じる済んだ空気。
「間違いない……ここは俺のいた世界じゃない!本当に異世界に転生したんだ!」
テンションが振り切れて思わず叫ぶ。
その声に驚いて木々に止まっていた鳥たちが空へと羽ばたいていった。
別にあの神様見習いを信じてなかったわけじゃなかったけど、こうして本当に異世界に転生したのが本当に信じられない。
「とっ……喜んでばかりもいられないよな」
ここがまだどんなところなのかもわからないし、一見平和そうな森かもしれないがもしかたら凶暴な生き物が潜んでいるかもしれない。
そしてそれ以上に重大な……決して目を背けてはいけない事実もある。
「やっぱり全裸だ……」
もう全裸。これ以上にないくらい全裸。
せめて腰布くらいサービスでつけてくれても良かっただろうに。
「どうするべきかな……あのシエルって子が来てくれるのをここで待つべきなのかな?」
俺の後を追いかけてきてくれるとは言っていたものの、それがいつなのかは聞いてなかった。
できることなら一刻も早く来ていただいて、今の俺の現状をなんとかしてほしいものである。
「どこかに布とか落ちてないかな?さすがに全裸のままではいろいろと困るし」
そう思って辺りを見回すものの、それらしい物は見つからない。
いっそ葉っぱで隠すかとも考えたが、その葉っぱに質の悪い虫が付いてたらと思うとゾッとしたのでその考えは3秒で捨てた。
「少しだけその辺探してみるか?ちょっとだけ探してなにもなかったらまたここに戻ってこればいいしな!」
何事もポジティブシンキング!
とりあえず目についた方向に向け、草むらをかき分けながら進んでいく。
全裸のままだから草がチクチク刺さって痛い……かと思いきや全然そんなことがない。
この世界の草は人間にやさしい構造でもしてるのかな?
草を見下ろしつつ不思議に思いながら歩いていると、木の枝に頭をぶつけてしまった。
「いっ……たくない?あれ?」
割と太い木の枝だったのだが、俺の頭がぶつかったところからぽっきりと折れている。
地面に落ちた木の枝を拾い、試しにちょっと力を入れて曲げようとしたらあっさりと折れてしまった。
「なんだこの枝?いくらなんでも脆すぎないか?異世界の木ってみんなこうなの?」
よく見ると地面のそこかしこに木の枝が散らばっていてそこを裸足で歩いてるはずなのに、足の裏は傷一つついてなかった。
何かおかしいぞ……?
「誰か――!助けてください!!」
とそこへ突然助けを求める悲鳴が聞こえてきた!
「え?なんだ!?誰か襲われてるのか!?」
つい反射的に悲鳴の聞こえた方向に向かって走り始める。
途中いかにも切れ味の鋭そうな葉や、鋭利に尖った木の枝なんかが行く手を阻んだが、どれも俺の走りを止める障害にもならない。
まるで体が鋼鉄のように固くなってしまったみたいだが、悲鳴のもとを急ぐことを重視していた為あまり気にしなかった。
そうして2分ほど走り、視界の開けた場所にたどり着く。
そこには少女が怯えた表情で木にもたれながら杖を闇雲に振り回し、目の前にいる二匹の狼を近づけさせないようにしている光景が広がっていた。
(え!?なにこの絶体絶命な状況!?)
突然草木をかき分け現れた俺と、今まさに狼に襲われそうになっている少女と思わず目が合う。
「たっ助けてくだ……」
少女が俺に助けを求めるようにそこまで言った途端、真っ青な顔になって一秒ほど固まる。
「へ……変態だーっ!!」
「ですよねー!!」
「「ギャウウウ!ガウガウ!!」」
阿鼻叫喚とはまさにこのこと。
どうしたもんだろうこの状況……。勢いに任せてきてしまったが武器もなにもない全裸な俺ではどうしようもないことは、火を見るよりも明らかだ。
だが幸いと言っていいのかは微妙だが、突然現れた俺に二匹の狼の矛先が向いている。
なら今ここで俺ができることは一つしかない。
「おい!こっちだ狼!!」
精一杯の声量で二匹の狼に向かって叫んだ。
狼たちが身体をこちらに向けて敵意をむき出しにしてきたのを確認して、脱兎のごとく背を向けて走る!
……というのが脳内で描いたシナリオだったが現実は甘くなく、俺が叫んだ瞬間に狼が二匹とも俺に向かって飛びかかって来ていた。
あまりも早すぎて、悲鳴を上げる間もなく狼にマウントを取られて鋭い牙で首筋に噛みつかれた。
まさか異世界に転生した直後でこんなことになってしまうとは……。
また俺死ぬのかな?さすがにこの状況で助かるとは思えないし、まあ死んじゃうだろうなぁ。
でも俺が襲われてる間にあの少女が逃げられるなら、この犠牲も無駄にならないよな?
さすがにもう転生させてもらえないだろうなぁ……せっかく生き返ったのに俺の人生ここまでか。
俺は潔く目を閉じて、自分の運命を受け入れた―――
―――のだが、全然痛みが襲ってこないんだけどどうなっているんだ?
首筋や手足などを噛まれている感触はあるんだけど、ちっとも痛くない。
狼二匹は今も俺に噛みついたり爪を立てて必死になっているが、そのどれもがまったく俺に効果がない。
もしかしてこの狼って見た目よりも全然弱いのか?この調子なら俺が狼を引き付けてる間にあの子を逃がすことができるかもしれない。
むくりと上半身を起こすと、茫然と尻もちをついてこっちを見ている少女に向かって叫ぶ。
「ちょっと!今のうちに早く逃げて!」
「えっ?いやでも……大丈夫なんですか?」
「「ガウガウ!!」」
「何か知らんけど大丈夫だから今のうちに逃げて!!」
「「ガウガウガウガウ!!!!」」
「あの……その……」
「「ガウガウガウガウガウガウガウガウ!!!!!!!!!!」」
「さっきから鬱陶しいわ!!」
思わず狼を手の甲ではたいた瞬間、ふっとんで木に激突しピクピクと痙攣し動かなくなった。
……そんなに強く叩いてないはずなんだけど?
試しに俺の左腕を噛みついている狼ごと振り上げると、たったそれだけで狼が空に吹っ飛んでいき、しばらく間をおいて凄い勢いで落下してきて、地面に激突しその衝撃で動かなくなった。
いくらなんでも弱すぎね?その証拠に狼に噛まれたり引っかかれた箇所には傷一つついてないし。
まあなにはともあれ危機は去ったので立ち上がり、未だに尻もちをついて唖然としている少女のもとに歩み寄る。
「……はっ!?だっ大丈夫なんですか!?」
「いや、それはこっちの台詞なんだけども」
なんか逆に心配されてしまった。
「だってあんなにキラーウルフに噛みつかれていたのに……回復魔法かけましょうか?」
「え?魔法なんてあるの!?」
「あっありますけど……?」
思わず叫んだ俺に少女がたじろいだ。
魔法があるなんてさすが異世界だ!
「魔法が使えるなんて凄いな!」
「私からすればあなたのほうが凄いんですけど」
なんだか未知の生物を見るような目で見られる。
魔法もぜひ見てみたいがそれよりも必要なものがあることに気が付いた。
「えっと……魔法は今は別にいいから一つだけいいかな?」
「なっ……なんですか?」
「なにか服……最悪布でもいいから持ってないかな?」
「あー局部を隠せるって素敵!」
時間にして一時間くらい全裸だっただけなのに、局部を隠せているという事実が俺に多大な安心感を与えてくれる。
服は人類の生み出した文化の極みだな!まったくもって素晴らしい!
「あの……助けていただいてありがとうございました!あまりに非現実的なことが起こったせいでお礼を言うの遅れてしまってごめんなさい!」
ようやく落ち着いたのか、少女が俺にお礼を言ってくれた。
俺からすれば、布とはいえ局部を隠すアイテムを授けてくれたこの少女にこそ、お礼を言いたい気分だった。
「私はエナ=アーディスと言います。この森を抜けた先にある村に手紙を届ける依頼を受けてたんですけど……森の中でさっきのキラーウルフに襲われてしまって……」
そこに俺が駆け付けたわけか……全裸で。
「俺は葉山宗一。よろしくな?」
「ハヤマシューイチ…さんですか?変わった名前ですね?」
「えっとそうだな……気軽に宗一とでも呼んでくれればいいよ」
「じゃあ……シューイチさん、重ね重ねありがとうございました!」
俺的には何が何だかわからないうちに事態が収束してしまったせいで、全然助けてあげたなんて感覚が湧いてこないからか、お礼を言われると逆に恐縮するんだよなぁ。
どうしたもんかと思いつつ、ついついエナを観察してしまう。
俺をこの世界に転生させてくれた、あの自称見習い神様のシエルを思わせるようなブロンドのロングヘアーで、これまた顔立ちも整っていて美少女と呼んでも差し支えない女の子だ。
服装は露出を控えめにした……ゲームでいうところの僧侶のような恰好をしている。
こんな状況でなければこれほどの美少女に出会えたことに……ってさっきも思ったなこれ。
「助けてもらっておいてこんなことを聞くのもどうかと思ったんですけど……こんな森の中で何をしてたんですか?それもその……全裸で」
当然の疑問だよなそれ。俺が逆の立場でも同じ質問するだろうし。
どうしようか……異世界から転生してきましたって言ってもいいのかな?実はこの森の原住民だ!という言い訳も思いついたけど、ちょっと無理がある気もするし。
ていうかそもそも全裸だったのがいけない。全裸でなければもう少しましな言い訳だってできただろうに。
「大丈夫ですか?もしかしてやっぱりキラーウルフに噛まれた箇所が痛むんですか?」
俺が急に黙ってしまったので、エナが心配そうに聞いてくる。
どうする……いっそ何も言わずにダッシュで逃げてしまおうか?でもそれも失礼だよな……うーん。
「あー!こんなところに!やっと見つけましたよ!!」
悩む俺のもとに、この状況を作り出した元凶とも呼べる少女の声が届いた。
「なんだここ……森の中?」
そこかしこから聞こえてくる鳥のさえずり。
森の中特有の木々のにおい。
そして肌で感じる済んだ空気。
「間違いない……ここは俺のいた世界じゃない!本当に異世界に転生したんだ!」
テンションが振り切れて思わず叫ぶ。
その声に驚いて木々に止まっていた鳥たちが空へと羽ばたいていった。
別にあの神様見習いを信じてなかったわけじゃなかったけど、こうして本当に異世界に転生したのが本当に信じられない。
「とっ……喜んでばかりもいられないよな」
ここがまだどんなところなのかもわからないし、一見平和そうな森かもしれないがもしかたら凶暴な生き物が潜んでいるかもしれない。
そしてそれ以上に重大な……決して目を背けてはいけない事実もある。
「やっぱり全裸だ……」
もう全裸。これ以上にないくらい全裸。
せめて腰布くらいサービスでつけてくれても良かっただろうに。
「どうするべきかな……あのシエルって子が来てくれるのをここで待つべきなのかな?」
俺の後を追いかけてきてくれるとは言っていたものの、それがいつなのかは聞いてなかった。
できることなら一刻も早く来ていただいて、今の俺の現状をなんとかしてほしいものである。
「どこかに布とか落ちてないかな?さすがに全裸のままではいろいろと困るし」
そう思って辺りを見回すものの、それらしい物は見つからない。
いっそ葉っぱで隠すかとも考えたが、その葉っぱに質の悪い虫が付いてたらと思うとゾッとしたのでその考えは3秒で捨てた。
「少しだけその辺探してみるか?ちょっとだけ探してなにもなかったらまたここに戻ってこればいいしな!」
何事もポジティブシンキング!
とりあえず目についた方向に向け、草むらをかき分けながら進んでいく。
全裸のままだから草がチクチク刺さって痛い……かと思いきや全然そんなことがない。
この世界の草は人間にやさしい構造でもしてるのかな?
草を見下ろしつつ不思議に思いながら歩いていると、木の枝に頭をぶつけてしまった。
「いっ……たくない?あれ?」
割と太い木の枝だったのだが、俺の頭がぶつかったところからぽっきりと折れている。
地面に落ちた木の枝を拾い、試しにちょっと力を入れて曲げようとしたらあっさりと折れてしまった。
「なんだこの枝?いくらなんでも脆すぎないか?異世界の木ってみんなこうなの?」
よく見ると地面のそこかしこに木の枝が散らばっていてそこを裸足で歩いてるはずなのに、足の裏は傷一つついてなかった。
何かおかしいぞ……?
「誰か――!助けてください!!」
とそこへ突然助けを求める悲鳴が聞こえてきた!
「え?なんだ!?誰か襲われてるのか!?」
つい反射的に悲鳴の聞こえた方向に向かって走り始める。
途中いかにも切れ味の鋭そうな葉や、鋭利に尖った木の枝なんかが行く手を阻んだが、どれも俺の走りを止める障害にもならない。
まるで体が鋼鉄のように固くなってしまったみたいだが、悲鳴のもとを急ぐことを重視していた為あまり気にしなかった。
そうして2分ほど走り、視界の開けた場所にたどり着く。
そこには少女が怯えた表情で木にもたれながら杖を闇雲に振り回し、目の前にいる二匹の狼を近づけさせないようにしている光景が広がっていた。
(え!?なにこの絶体絶命な状況!?)
突然草木をかき分け現れた俺と、今まさに狼に襲われそうになっている少女と思わず目が合う。
「たっ助けてくだ……」
少女が俺に助けを求めるようにそこまで言った途端、真っ青な顔になって一秒ほど固まる。
「へ……変態だーっ!!」
「ですよねー!!」
「「ギャウウウ!ガウガウ!!」」
阿鼻叫喚とはまさにこのこと。
どうしたもんだろうこの状況……。勢いに任せてきてしまったが武器もなにもない全裸な俺ではどうしようもないことは、火を見るよりも明らかだ。
だが幸いと言っていいのかは微妙だが、突然現れた俺に二匹の狼の矛先が向いている。
なら今ここで俺ができることは一つしかない。
「おい!こっちだ狼!!」
精一杯の声量で二匹の狼に向かって叫んだ。
狼たちが身体をこちらに向けて敵意をむき出しにしてきたのを確認して、脱兎のごとく背を向けて走る!
……というのが脳内で描いたシナリオだったが現実は甘くなく、俺が叫んだ瞬間に狼が二匹とも俺に向かって飛びかかって来ていた。
あまりも早すぎて、悲鳴を上げる間もなく狼にマウントを取られて鋭い牙で首筋に噛みつかれた。
まさか異世界に転生した直後でこんなことになってしまうとは……。
また俺死ぬのかな?さすがにこの状況で助かるとは思えないし、まあ死んじゃうだろうなぁ。
でも俺が襲われてる間にあの少女が逃げられるなら、この犠牲も無駄にならないよな?
さすがにもう転生させてもらえないだろうなぁ……せっかく生き返ったのに俺の人生ここまでか。
俺は潔く目を閉じて、自分の運命を受け入れた―――
―――のだが、全然痛みが襲ってこないんだけどどうなっているんだ?
首筋や手足などを噛まれている感触はあるんだけど、ちっとも痛くない。
狼二匹は今も俺に噛みついたり爪を立てて必死になっているが、そのどれもがまったく俺に効果がない。
もしかしてこの狼って見た目よりも全然弱いのか?この調子なら俺が狼を引き付けてる間にあの子を逃がすことができるかもしれない。
むくりと上半身を起こすと、茫然と尻もちをついてこっちを見ている少女に向かって叫ぶ。
「ちょっと!今のうちに早く逃げて!」
「えっ?いやでも……大丈夫なんですか?」
「「ガウガウ!!」」
「何か知らんけど大丈夫だから今のうちに逃げて!!」
「「ガウガウガウガウ!!!!」」
「あの……その……」
「「ガウガウガウガウガウガウガウガウ!!!!!!!!!!」」
「さっきから鬱陶しいわ!!」
思わず狼を手の甲ではたいた瞬間、ふっとんで木に激突しピクピクと痙攣し動かなくなった。
……そんなに強く叩いてないはずなんだけど?
試しに俺の左腕を噛みついている狼ごと振り上げると、たったそれだけで狼が空に吹っ飛んでいき、しばらく間をおいて凄い勢いで落下してきて、地面に激突しその衝撃で動かなくなった。
いくらなんでも弱すぎね?その証拠に狼に噛まれたり引っかかれた箇所には傷一つついてないし。
まあなにはともあれ危機は去ったので立ち上がり、未だに尻もちをついて唖然としている少女のもとに歩み寄る。
「……はっ!?だっ大丈夫なんですか!?」
「いや、それはこっちの台詞なんだけども」
なんか逆に心配されてしまった。
「だってあんなにキラーウルフに噛みつかれていたのに……回復魔法かけましょうか?」
「え?魔法なんてあるの!?」
「あっありますけど……?」
思わず叫んだ俺に少女がたじろいだ。
魔法があるなんてさすが異世界だ!
「魔法が使えるなんて凄いな!」
「私からすればあなたのほうが凄いんですけど」
なんだか未知の生物を見るような目で見られる。
魔法もぜひ見てみたいがそれよりも必要なものがあることに気が付いた。
「えっと……魔法は今は別にいいから一つだけいいかな?」
「なっ……なんですか?」
「なにか服……最悪布でもいいから持ってないかな?」
「あー局部を隠せるって素敵!」
時間にして一時間くらい全裸だっただけなのに、局部を隠せているという事実が俺に多大な安心感を与えてくれる。
服は人類の生み出した文化の極みだな!まったくもって素晴らしい!
「あの……助けていただいてありがとうございました!あまりに非現実的なことが起こったせいでお礼を言うの遅れてしまってごめんなさい!」
ようやく落ち着いたのか、少女が俺にお礼を言ってくれた。
俺からすれば、布とはいえ局部を隠すアイテムを授けてくれたこの少女にこそ、お礼を言いたい気分だった。
「私はエナ=アーディスと言います。この森を抜けた先にある村に手紙を届ける依頼を受けてたんですけど……森の中でさっきのキラーウルフに襲われてしまって……」
そこに俺が駆け付けたわけか……全裸で。
「俺は葉山宗一。よろしくな?」
「ハヤマシューイチ…さんですか?変わった名前ですね?」
「えっとそうだな……気軽に宗一とでも呼んでくれればいいよ」
「じゃあ……シューイチさん、重ね重ねありがとうございました!」
俺的には何が何だかわからないうちに事態が収束してしまったせいで、全然助けてあげたなんて感覚が湧いてこないからか、お礼を言われると逆に恐縮するんだよなぁ。
どうしたもんかと思いつつ、ついついエナを観察してしまう。
俺をこの世界に転生させてくれた、あの自称見習い神様のシエルを思わせるようなブロンドのロングヘアーで、これまた顔立ちも整っていて美少女と呼んでも差し支えない女の子だ。
服装は露出を控えめにした……ゲームでいうところの僧侶のような恰好をしている。
こんな状況でなければこれほどの美少女に出会えたことに……ってさっきも思ったなこれ。
「助けてもらっておいてこんなことを聞くのもどうかと思ったんですけど……こんな森の中で何をしてたんですか?それもその……全裸で」
当然の疑問だよなそれ。俺が逆の立場でも同じ質問するだろうし。
どうしようか……異世界から転生してきましたって言ってもいいのかな?実はこの森の原住民だ!という言い訳も思いついたけど、ちょっと無理がある気もするし。
ていうかそもそも全裸だったのがいけない。全裸でなければもう少しましな言い訳だってできただろうに。
「大丈夫ですか?もしかしてやっぱりキラーウルフに噛まれた箇所が痛むんですか?」
俺が急に黙ってしまったので、エナが心配そうに聞いてくる。
どうする……いっそ何も言わずにダッシュで逃げてしまおうか?でもそれも失礼だよな……うーん。
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