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第二部 ダンジョン攻略編
第80話 父復活!
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ワルドマ 「つまり、その、リジオンの地下深くにある古代遺跡まで行けば、父さんの身体も治るということか、お前と同じように?」
首肯するクレイ。正確には義手・義足・義眼という事になるのだが、感覚もあるし自由に動かせる、普通の身体と変わりないのだから、治ると言っていいだろう。
ワルドマ 「早速馬車を用意しよう。リジオンまでは少し長旅になる、父さんは少し大変かもしれないが…」
ブランド 「リジオンまでの旅はまぁ良いとして……ダンジョンの深層まで潜るのは、私の身体では足手纏い、というか無理だろう…」
クレイ 「大丈夫、移動は転移魔法陣で行くから。直接リルディオンに転移できる、馬車も必要ない」
ブランド 「転移魔法陣だと?!」
クレイ 「僕が魔法陣の解析をしてたのは知ってるだろう? ダンジョンにある転移魔法陣の解析に成功して、ついに自由に使えるようになったんだよ。そこまで来るのに九年もかかったけどね」(笑)
そう言いながらクレイが手をかざすと、テーブルの上に置いてあった水差しの下に光る魔法陣が浮かび、水差しは消え、テーブルの反対側に浮かんでいた魔法陣の上に水差しが出現していた。
ブランド 「なんと…!」
クレイ 「ダンジョンの中に時折現れるという転移魔法陣を解析したくて、わざわざ高難度の古代遺跡ダンジョンまで行ったわけだからね。死にかけたけど、苦労した甲斐はあったよ」
ワルドマ 「おまえ、それ、世間に知られたら大変なことになるぞ?」
クレイ 「うん、だから秘密にしておいて欲しい。とりあえず、ちゃちゃっと父さんの治療を終わらせてしまおう」
ブランド 「何? いまからか? すぐに?」
慌てるブランド。座っている車椅子の下に転移魔法陣が浮かぶ。クレイの足元にも魔法陣が浮かんでいた。そして、一瞬にして周囲の景色が入れ変わる。
ブランド 「……ここは…? もうその古代遺跡の中なのか?」
クレイがブランドを連れてやってきたのはリルディオンの医療施設である。
ブランド 「そうか、あっけないものだな……夢を見てるみたいだ」
実は、膨大な転移魔法陣のプログラムは一人の人間だけで開発するようなものではなく、大勢の研究者で成し遂げた巨大プロジェクトだった。それを一人で解析し理解するのは困難な作業で、何年もの時間が掛かってしまったが、それでもクレイがそれを成し遂げられたのは、クレイが優秀なプログラマーとしての才能を持っていたからであった。
クレイ 「エリー、頼む」
いつの間にかブランドの背後に立っていたエリーがブランドを車椅子から軽々と抱えあげて治療台に載せた。
クレイ 「すぐに終わるよ」
リルディオンの医療施設がブランドの身体を解析し、義手・義足・義眼をブラドに合わせて製作する。
気がつけば、あっという間にブランドは(外見上は)元通りの身体となっていた。
ブランド 「これは……手も足も普通に動く。左目も普通に見えるのだな…すごい魔法だ」
クレイ 「魔法……うーん、魔法と言ってもいいのかな? 魔力を使った魔導技術で作られた【魔導細胞】で作られたものだから、厳密に言えば、元の肉体に戻す回復魔法とは違うんだけどね」
ブランド 「せっかく作ってくれたのだ、壊さないように気をつけないとな」
クレイ 「魔導細胞も自然治癒機能があるし、治癒魔法も効くから、軽微な損傷ならここに来る必要はないよ」
リルディオンで【魔導細胞】によって作られた義肢は、材質・由来こそ違うだけで、生物の細胞と同じような働きをするものなのである。
クレイ 「流石に全損だとちょっと難しいけど、それは普通の治癒魔法で直せないのは同じだよね。身体欠損を治すような超高レベルの治癒魔法を義肢に掛けた時にどうなるのかはちょっと分からない。試してみる気にもならないし」
ブランド 「なんというか……すごいとしかいいようがないな……」
そして再び、一瞬でヴァレットの屋敷に戻ったブランドとクレイ。すぐに帰ってきたのを驚きながらも、妻のマイアと息子のワルドマはブランドの身体が治ったことを喜んでくれた。
クレイ 「少しは家族に恩返しができたかな…」
首肯するクレイ。正確には義手・義足・義眼という事になるのだが、感覚もあるし自由に動かせる、普通の身体と変わりないのだから、治ると言っていいだろう。
ワルドマ 「早速馬車を用意しよう。リジオンまでは少し長旅になる、父さんは少し大変かもしれないが…」
ブランド 「リジオンまでの旅はまぁ良いとして……ダンジョンの深層まで潜るのは、私の身体では足手纏い、というか無理だろう…」
クレイ 「大丈夫、移動は転移魔法陣で行くから。直接リルディオンに転移できる、馬車も必要ない」
ブランド 「転移魔法陣だと?!」
クレイ 「僕が魔法陣の解析をしてたのは知ってるだろう? ダンジョンにある転移魔法陣の解析に成功して、ついに自由に使えるようになったんだよ。そこまで来るのに九年もかかったけどね」(笑)
そう言いながらクレイが手をかざすと、テーブルの上に置いてあった水差しの下に光る魔法陣が浮かび、水差しは消え、テーブルの反対側に浮かんでいた魔法陣の上に水差しが出現していた。
ブランド 「なんと…!」
クレイ 「ダンジョンの中に時折現れるという転移魔法陣を解析したくて、わざわざ高難度の古代遺跡ダンジョンまで行ったわけだからね。死にかけたけど、苦労した甲斐はあったよ」
ワルドマ 「おまえ、それ、世間に知られたら大変なことになるぞ?」
クレイ 「うん、だから秘密にしておいて欲しい。とりあえず、ちゃちゃっと父さんの治療を終わらせてしまおう」
ブランド 「何? いまからか? すぐに?」
慌てるブランド。座っている車椅子の下に転移魔法陣が浮かぶ。クレイの足元にも魔法陣が浮かんでいた。そして、一瞬にして周囲の景色が入れ変わる。
ブランド 「……ここは…? もうその古代遺跡の中なのか?」
クレイがブランドを連れてやってきたのはリルディオンの医療施設である。
ブランド 「そうか、あっけないものだな……夢を見てるみたいだ」
実は、膨大な転移魔法陣のプログラムは一人の人間だけで開発するようなものではなく、大勢の研究者で成し遂げた巨大プロジェクトだった。それを一人で解析し理解するのは困難な作業で、何年もの時間が掛かってしまったが、それでもクレイがそれを成し遂げられたのは、クレイが優秀なプログラマーとしての才能を持っていたからであった。
クレイ 「エリー、頼む」
いつの間にかブランドの背後に立っていたエリーがブランドを車椅子から軽々と抱えあげて治療台に載せた。
クレイ 「すぐに終わるよ」
リルディオンの医療施設がブランドの身体を解析し、義手・義足・義眼をブラドに合わせて製作する。
気がつけば、あっという間にブランドは(外見上は)元通りの身体となっていた。
ブランド 「これは……手も足も普通に動く。左目も普通に見えるのだな…すごい魔法だ」
クレイ 「魔法……うーん、魔法と言ってもいいのかな? 魔力を使った魔導技術で作られた【魔導細胞】で作られたものだから、厳密に言えば、元の肉体に戻す回復魔法とは違うんだけどね」
ブランド 「せっかく作ってくれたのだ、壊さないように気をつけないとな」
クレイ 「魔導細胞も自然治癒機能があるし、治癒魔法も効くから、軽微な損傷ならここに来る必要はないよ」
リルディオンで【魔導細胞】によって作られた義肢は、材質・由来こそ違うだけで、生物の細胞と同じような働きをするものなのである。
クレイ 「流石に全損だとちょっと難しいけど、それは普通の治癒魔法で直せないのは同じだよね。身体欠損を治すような超高レベルの治癒魔法を義肢に掛けた時にどうなるのかはちょっと分からない。試してみる気にもならないし」
ブランド 「なんというか……すごいとしかいいようがないな……」
そして再び、一瞬でヴァレットの屋敷に戻ったブランドとクレイ。すぐに帰ってきたのを驚きながらも、妻のマイアと息子のワルドマはブランドの身体が治ったことを喜んでくれた。
クレイ 「少しは家族に恩返しができたかな…」
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