75 / 184
第二部 ダンジョン攻略編
第75話 ヴァレットの領主
しおりを挟む
ヴァレットの街の領主としての業務はブランド(ヴァレット子爵)の長男であるワルドマが代行している。ブランドは、三年前に起こったダンジョンの氾濫で大怪我を負ってしまったからである。
自然のままのダンジョンというのは、定期的に氾濫という現象が起きる。安定したダンジョンと言われていたペイトティクバでも、それは例外ではなかった。
スタンピードという現象は、ダンジョン内の生態系のバランスが時間とともに徐々に崩れていくため、それをリセットするために起きるのではないか? と高名なダンジョン学者であるカルヴァンは提唱している。
通常、ダンジョンの階層には出現する魔物の種類が決まっており、魔物達の他の階層への移動は制限されている。だがつまりそれは、ダンジョン内の生態系が歪になってしまう原因ともなる、というわけである。
実はダンジョンの中の魔物は、ダンジョンの魔力を吸収するだけで生きていける。だが、やはり食べるという本能はなくなってない。また、縄張り意識が強い魔物や、妙に好戦的な性格の魔物もいる。そこで階層内にいる動植物、そして他の魔物(時に同種の魔物)を捕食したり、時には無意味に殺し合ったりするようになるのだ。
そもそもダンジョンの階層というのは生物や魔物の種類が限られている。そのため、バランスが崩れ、一種類の魔物が増えすぎてしまう事があるのだろうとカルヴァンは言う。
ダンジョン内で死んだ魔物はダンジョンに吸収され魔力に還元され、一定期間でリポップするのだが、特定の種の魔物が死なずに増えすぎると、リポップの速度を凌駕してしまうのだろうと。
一つの階層だけでなく、ダンジョン内の階層の多くで生態系バランスが歪となった時。その歪が一定の閾値を超えると、ダンジョンの保全機能が働き、階層の移動制限が解除され、魔物たちが移動を開始する。深層の魔物が上の階層へと移動し、上の階層の魔物はそれを恐れてさらに上の階層へと逃げる。逃げるから魔物を下から上がってきた階層は追ってさらに上に移動していく。上の階層の魔物もそれを見て上に逃げ出す。その連鎖が始まると、魔物たちはやがて、一気に全てがダンジョンの外に出てしまう事になる。それがスタンピードと言われる現象というわけである。
ペイトティクバの場合は、十~二十年に一度、小規模なスタンピードが起きると言われていた。
さらに、百年に一度くらい、特に規模が大きい “大氾濫” が起きると言われている。
そして、三年前に、その大氾濫が起こってしまった…。
冒険者を多く抱え、常にスタンピードに備えていたヴァレットであるが、大氾濫の勢いは激しく、かなり危険な状況となってしまったのだ。
この時、冒険者や兵士と共に、領主であるブランド自らが前線に立って活躍した。貴族は魔力が多いから貴族なのである。この街で最も強い魔力を持っているのは領主である。つまり、最も戦闘力が高いのは領主という事になるのだ。
ブランドは領主として、また王都を守る役目を負った貴族家の責任として、大氾濫に立ち向かい、八面六臂の活躍をし、事態を収めるのに多大な貢献をしたのである。
だが、その戦いで、ブランドは片足片腕を失う大怪我を負ってしまったのだ。
この世界では、医学はそれほど発達していない。治癒魔法、そして同等の効果を持つ治療薬があるからである。
だが、そんなファンタジーの世界でも、身体欠損を治すのはハードルが高い。一般的な治療薬では欠損の復元まではできない。高位の治癒魔法なら可能なのだが、それを使える治癒魔法師は非常に少なく、法外な料金を取られる上、何年も順番待ちという状態になるのだ。
そんな状況で、ブランドは自身の治療を諦め、息子に領主を引き継ぐ事にしたのである。
息子のワルドマは、当然、領主であり、スタンピードを収めた立役者である父の治療は当然行うべきだと主張したのだが……ブランドに欠損の治療を受けさせるには、街の経営が傾くレベルの金額が掛かるのだ。
もともと良心的な治世で安い税金しか取ってこなかったヴァレットの街である。財政は決して余裕がある状況ではなかったのである。
一時的に税率を上げて予算を捻出しようとワルドマは考えた。街を救った英雄の治療なのだ、住民も協力してくれるのではないかと。だが、ブランドはそれを良しとしなかった。
ならば家屋敷を売ってでもとワルドマは言ったが、代々受け継いできた家屋敷を自分のために手放すことにもブランドは同意しなかった。
ブランド 「幸い、助けてくれる召使いを雇う程度の財力はある。生活を補助する魔法も魔道具もあるから生活には不自由はしない。まぁ領主としては引退させてほしいがね。お前が一人前になるまでサポートはする」
ワルドマ 「私はまだ未熟です、領主などとても…」
ブランド 「自信を持て! お前も立派な領主になれる、そのために教育はしっかりしてきただろう? 魔力がゼロでも冒険者になって逞しく生きている弟に笑われるぞ」
ワルドマ 「…クレイですか。街を出てから6年も音沙汰なしで、はたして生きているのやら……」
自然のままのダンジョンというのは、定期的に氾濫という現象が起きる。安定したダンジョンと言われていたペイトティクバでも、それは例外ではなかった。
スタンピードという現象は、ダンジョン内の生態系のバランスが時間とともに徐々に崩れていくため、それをリセットするために起きるのではないか? と高名なダンジョン学者であるカルヴァンは提唱している。
通常、ダンジョンの階層には出現する魔物の種類が決まっており、魔物達の他の階層への移動は制限されている。だがつまりそれは、ダンジョン内の生態系が歪になってしまう原因ともなる、というわけである。
実はダンジョンの中の魔物は、ダンジョンの魔力を吸収するだけで生きていける。だが、やはり食べるという本能はなくなってない。また、縄張り意識が強い魔物や、妙に好戦的な性格の魔物もいる。そこで階層内にいる動植物、そして他の魔物(時に同種の魔物)を捕食したり、時には無意味に殺し合ったりするようになるのだ。
そもそもダンジョンの階層というのは生物や魔物の種類が限られている。そのため、バランスが崩れ、一種類の魔物が増えすぎてしまう事があるのだろうとカルヴァンは言う。
ダンジョン内で死んだ魔物はダンジョンに吸収され魔力に還元され、一定期間でリポップするのだが、特定の種の魔物が死なずに増えすぎると、リポップの速度を凌駕してしまうのだろうと。
一つの階層だけでなく、ダンジョン内の階層の多くで生態系バランスが歪となった時。その歪が一定の閾値を超えると、ダンジョンの保全機能が働き、階層の移動制限が解除され、魔物たちが移動を開始する。深層の魔物が上の階層へと移動し、上の階層の魔物はそれを恐れてさらに上の階層へと逃げる。逃げるから魔物を下から上がってきた階層は追ってさらに上に移動していく。上の階層の魔物もそれを見て上に逃げ出す。その連鎖が始まると、魔物たちはやがて、一気に全てがダンジョンの外に出てしまう事になる。それがスタンピードと言われる現象というわけである。
ペイトティクバの場合は、十~二十年に一度、小規模なスタンピードが起きると言われていた。
さらに、百年に一度くらい、特に規模が大きい “大氾濫” が起きると言われている。
そして、三年前に、その大氾濫が起こってしまった…。
冒険者を多く抱え、常にスタンピードに備えていたヴァレットであるが、大氾濫の勢いは激しく、かなり危険な状況となってしまったのだ。
この時、冒険者や兵士と共に、領主であるブランド自らが前線に立って活躍した。貴族は魔力が多いから貴族なのである。この街で最も強い魔力を持っているのは領主である。つまり、最も戦闘力が高いのは領主という事になるのだ。
ブランドは領主として、また王都を守る役目を負った貴族家の責任として、大氾濫に立ち向かい、八面六臂の活躍をし、事態を収めるのに多大な貢献をしたのである。
だが、その戦いで、ブランドは片足片腕を失う大怪我を負ってしまったのだ。
この世界では、医学はそれほど発達していない。治癒魔法、そして同等の効果を持つ治療薬があるからである。
だが、そんなファンタジーの世界でも、身体欠損を治すのはハードルが高い。一般的な治療薬では欠損の復元まではできない。高位の治癒魔法なら可能なのだが、それを使える治癒魔法師は非常に少なく、法外な料金を取られる上、何年も順番待ちという状態になるのだ。
そんな状況で、ブランドは自身の治療を諦め、息子に領主を引き継ぐ事にしたのである。
息子のワルドマは、当然、領主であり、スタンピードを収めた立役者である父の治療は当然行うべきだと主張したのだが……ブランドに欠損の治療を受けさせるには、街の経営が傾くレベルの金額が掛かるのだ。
もともと良心的な治世で安い税金しか取ってこなかったヴァレットの街である。財政は決して余裕がある状況ではなかったのである。
一時的に税率を上げて予算を捻出しようとワルドマは考えた。街を救った英雄の治療なのだ、住民も協力してくれるのではないかと。だが、ブランドはそれを良しとしなかった。
ならば家屋敷を売ってでもとワルドマは言ったが、代々受け継いできた家屋敷を自分のために手放すことにもブランドは同意しなかった。
ブランド 「幸い、助けてくれる召使いを雇う程度の財力はある。生活を補助する魔法も魔道具もあるから生活には不自由はしない。まぁ領主としては引退させてほしいがね。お前が一人前になるまでサポートはする」
ワルドマ 「私はまだ未熟です、領主などとても…」
ブランド 「自信を持て! お前も立派な領主になれる、そのために教育はしっかりしてきただろう? 魔力がゼロでも冒険者になって逞しく生きている弟に笑われるぞ」
ワルドマ 「…クレイですか。街を出てから6年も音沙汰なしで、はたして生きているのやら……」
11
お気に入りに追加
1,172
あなたにおすすめの小説

記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。

魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
小説家になろうでジャンル別日間ランキング入り!
世界最強の剣聖――エルフォ・エルドエルは戦場で死に、なんと赤子に転生してしまう。
美少女のように見える少年――アル・バーナモントに転生した彼の身体には、一切の魔力が宿っていなかった。
忌み子として家族からも見捨てられ、地元の有力貴族へ売られるアル。
そこでひどい仕打ちを受けることになる。
しかし自力で貴族の屋敷を脱出し、なんとか森へ逃れることに成功する。
魔力ゼロのアルであったが、剣聖として磨いた剣の腕だけは、転生しても健在であった。
彼はその剣の技術を駆使して、ゴブリンや盗賊を次々にやっつけ、とある村を救うことになる。
感謝されたアルは、ミュレットという少女とその母ミレーユと共に、新たな生活を手に入れる。
深く愛され、本当の家族を知ることになるのだ。
一方で、アルを追いだした実家の面々は、だんだんと歯車が狂い始める。
さらに、アルを捕えていた貴族、カイベルヘルト家も例外ではなかった。
彼らはどん底へと沈んでいく……。
フルタイトル《文字数の関係でアルファポリスでは略してます》
魔力ゼロの忌み子に転生してしまった最強の元剣聖は実家を追放されたのち、魔法の杖を「改造」して成り上がります~父が老弱して家が潰れそうなので戻ってこいと言われてももう遅い~新しい家族と幸せに暮らしてます
こちらの作品は「小説家になろう」にて先行して公開された内容を転載したものです。
こちらの作品は「小説家になろう」さま「カクヨム」さま「アルファポリス」さまに同時掲載させていただいております。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる