殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

さこの

文字の大きさ
2 / 40

恋に憧れ、失うもの

しおりを挟む
~ウィルフレッド視点~


「私の婚約者がとても可愛いらしくて、一緒にいるだけで癒やされるのです」
友人のベルナルドが惚気る

「いやいや、私の婚約者の可愛さったらないのですよ。守ってあげたくなるような可憐な子なのです」
友人のクルスが惚気る

「いやいやいや!私の婚約者なんてそそっかしいところも可愛らしくて、キュンとしてしまいますよ」
友人のマルコスが惚気る

「…その気持ちは恋というものなのか?」
ウィルフレッドが三人に聞く

「はじめは可愛いから始まり、それが恋となり、愛情へと変わってゆくのです」

 ベルナルドがそういうと、残りの二人がうんうんと大きく頷いた

「殿下はマドレーヌ嬢やカテリーナ嬢どちらがお好きなのですか?まさか…二人とも?」

「お二人とも、美しい方ですからね!殿下は決めかねていらっしゃるのですか?」

「…いや、二人のことは好ましく思っているのだが、お前たちのような好きとは違うな」

 マドレーヌは公爵家令嬢で高位貴族なのに、奢らず優しく優雅である。
 透き通るようなふわっとしたブルネットの長い髪と瞳。陶器のような肌に、何もしていなくとも赤い唇はチェリーのようだ。
 話術も長けており、会話をしていて逆に勉強になるくらいの才女でもある。
 例えるのなら友人か?


 方やカテリーナは、侯爵家令嬢でこちらも高位貴族なのに、身分問わず人懐っこい性格である。
 ストロベリーブロンドでストレートの長い髪は手入れが行き届いており、大きいタレ目のヘーゼルアイが特徴である。
 素直な性格で、まっすぐ両親の愛情を受けて育ったという感じの令嬢だ。
 例えるのなら妹という感じ?


 ふぅむ…。どちらも好ましくはあるが、友人の言うような癒されたり、守ってやりたり、キュンとすると言う気持ちはない…
 こいつらの話だけではなく、色んな話を聞くべきだ…と思い


 胸がときめいたり、笑いかけられただけで嬉しくなったり、寄り添いあったり、相手のことを考えただけで眠れなくなったり…そんな経験もしたことないまま、結婚をしてもいいのだろうか?相手のことを思い切なくなるような気持ちを知ったら結婚生活もうまくいく


 意見をまとめたらこうなったのだ。
 悪く思うなよ、マドレーヌにカテリーナよ。

 カテリーナには伝えたので、次はマドレーヌにこの気持ちを伝える事にした。


「マドレーヌは恋をした事があるか?」

 今日はマドレーヌとの勉強会だ。教え方が上手いのでお陰で成績も上位だ…情けない

「えぇ、ございます」


 えっ!あるのか!まさか…私の事か?
 ドキドキしながらマドレーヌを見る

「幼い頃に、従兄弟のお兄様に…ふふっ。淡い恋心でしたわね」

 ……まさか私ではないと思わなかったので、多少ショックを受けた。

「私は恋がしたいのだ…」

 突然のことで驚いたマドレーヌは、微笑みを浮かべたまま止まっている……

「聞いておるか?」

「え、えぇ。勿論…そうですか恋を…」

「胸がときめいたり、相手を考えると切なくなったり……と言う恋を将来の為にしておきたいのだよ。マドレーヌどう思う?」


 戸惑ったような、困ったような顔をするマドレーヌ


「殿下がそう仰るのならば、そうなのかもしれませんわね。お止め致しません。なので、わたくしとカテリーナ様を婚約者候補から外してくださりませんか?」

「なぜだ?」

「相手を思いやるには私たちも、恋をするべきですわね。婚約者候補では恋が出来ませんもの。殿下が恋のお相手と結ばれたいと思った時は、私たちがネックになりますもの」


 にこりと音が聞こえるほどに美しくほほえむマドレーヌ

「それも…そうだな。では婚約者候補から外すよう母上に言っておくよ」









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。

海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。 アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。 しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。 「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」 聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。 ※本編は全7話で完結します。 ※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて

おもち。
恋愛
「——君を愛してる」 そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった—— 幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。 あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは…… 『最初から愛されていなかった』 その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。 私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。  『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』  『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』 でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。 必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。 私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……? ※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。 ※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。 ※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。 ※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。

大好きなあなたを忘れる方法

山田ランチ
恋愛
あらすじ  王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。  魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。 登場人物 ・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。 ・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。 ・イーライ 学園の園芸員。 クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。 ・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。 ・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。 ・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。 ・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。 ・マイロ 17歳、メリベルの友人。 魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。 魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。 ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

すれ違う思い、私と貴方の恋の行方…

アズやっこ
恋愛
私には婚約者がいる。 婚約者には役目がある。 例え、私との時間が取れなくても、 例え、一人で夜会に行く事になっても、 例え、貴方が彼女を愛していても、 私は貴方を愛してる。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 女性視点、男性視点があります。  ❈ ふんわりとした設定なので温かい目でお願いします。

この恋に終止符(ピリオド)を

キムラましゅろう
恋愛
好きだから終わりにする。 好きだからサヨナラだ。 彼の心に彼女がいるのを知っていても、どうしても側にいたくて見て見ぬふりをしてきた。 だけど……そろそろ潮時かな。 彼の大切なあの人がフリーになったのを知り、 わたしはこの恋に終止符(ピリオド)をうつ事を決めた。 重度の誤字脱字病患者の書くお話です。 誤字脱字にぶつかる度にご自身で「こうかな?」と脳内変換して頂く恐れがあります。予めご了承くださいませ。 完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。 菩薩の如く広いお心でお読みくださいませ。 そして作者はモトサヤハピエン主義です。 そこのところもご理解頂き、合わないなと思われましたら回れ右をお勧めいたします。 小説家になろうさんでも投稿します。

【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った

Mimi
恋愛
 声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。  わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。    今日まで身近だったふたりは。  今日から一番遠いふたりになった。    *****  伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。  徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。  シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。  お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……  * 無自覚の上から目線  * 幼馴染みという特別感  * 失くしてからの後悔   幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。 中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。 本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。 ご了承下さいませ。 他サイトにも公開中です

【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。

やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。 落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。 毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。 様子がおかしい青年に気づく。 ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。 ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 最終話まで予約投稿済です。 次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。 ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。 楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。

真実の愛を見つけた婚約者(殿下)を尊敬申し上げます、婚約破棄致しましょう

さこの
恋愛
「真実の愛を見つけた」 殿下にそう告げられる 「応援いたします」 だって真実の愛ですのよ? 見つける方が奇跡です! 婚約破棄の書類ご用意いたします。 わたくしはお先にサインをしました、殿下こちらにフルネームでお書き下さいね。 さぁ早く!わたくしは真実の愛の前では霞んでしまうような存在…身を引きます! なぜ婚約破棄後の元婚約者殿が、こんなに美しく写るのか… 私の真実の愛とは誠の愛であったのか… 気の迷いであったのでは… 葛藤するが、すでに時遅し…

処理中です...