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ユリシーズとエイラの出会い
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~回想~
気晴らしに街に買い物へ行った時のことだった。
「やめて下さい」
女の子が男に付き纏われていた。
「おい、やめたまえ」
身なりの良い服装ではあるが、私は侯爵家だ。身分的に敵うものはそんなにいない。私には護衛も付けられているし、何かあった際には護衛が対処するだろう。
「貴方には関係がないようですけど、この女と知り合いですか?」
「嫌がっている女性を無視することはできないよ。何があったかは知らないが、こんな道の真ん中で迷惑だ」
ジロジロと道を行くもの達がこちらに注目している。か弱い女性を助けるヒーローと言ったところか?
「助けてください。この人さっきからしつこく声をかけてきて……」
女性が私の背後に隠れるように助けを求めてきた。
「しつこい男は嫌われるぞ、ナンパは他所でやった方が良いようだ」
護衛がスッと私の前に立った。
「……分かりましたよ」
男はその後大人しく立ち去っていった。
「もう大丈夫のようだよ」
私の背中から出てきた女性は涙を含んだ艶のある瞳で私を見てきた。
「その、ありがとうございました。急に声をかけられて、恐ろしくて」
おずおずと頭を下げてきた。その手は震えていた。可哀想に……思わず肩に手を触れるとビクッと肩を振るわせた。
「すまない、恐ろしい目にあったというのに、貴女に触れてしまった!」
紳士としてしてはいけないことをしてしまった。初対面の女性に対して……失態である。すぐさま頭を下げて謝罪をした
「まぁ! おやめください、お礼を言いたいのはこちらの方なのに」
ふふっと笑ってくる女性
「いや、しかし」
「ありがとうございました。この御恩は忘れません。申し訳ございませんが約束がありますので、失礼いたしますわ……でももしまた……お会いできることがあったら、お名前を聞いても良いですか?」
顔をピンクに染めた女性はそう言って背中を向け、小走りで去っていってしまった。
可愛らしい女性だった。どこの誰だろうか……。もしまた会うことがあれば名前を聞こう。
******
その一ヶ月後パーティーがあったのだが、チェルシーの母親の体調が良くないとの事で、親戚をパートナーにして出かけた。
親戚の子は知り合いを見つけそちらに合流するらしく、別行動となった。
チェルシーは参加しなかったが弟のヒューバードは伯爵の代わりに参加しているようだ。目があったので手を上げ挨拶をした。
夏も近い、そろそろチェルシーの誕生日だなぁ。今年は何を渡そうか。
グレーアッシュの髪色で肌も白く元気がないように見えるから、今年は濃いめの紫のドレスでも……と思っていたら目の前に見たことのあるような、女性の姿が……
「君は! もしかしてあの時の?」
「……またお会いしましたね」
「身なりからして貴族だとは思っていたが、もしかして今までも会っていたのかもしれないね」
貴族女性だとは思っていたが、知った顔ではなかった。こんなにすぐに会えるなんて、これは……もしかして……
「運命かもしれません……ね。こうやってすぐにお会いすることができるなんて……あの時のことを後悔していました。お名前も知りませんし」
女性は上目遣いで私を見てきた。飲み物を持ちテラスへ移動し落ち着いて話をすることにした。
「失礼、貴女の名前を教えていただきたい。私はユリシーズ・ウォルターと言います」
「ウォルター様……えっ! ウォルター侯爵家ですか……!」
「そうだよ。何か?」
ほぅ。流石に侯爵家の名前は知っているか……そうか。そうか。
「貴女の名前は?」
「私はエイラ・ベッカーと申します」
「確か……確か、そうだ子爵家の?」
よく思い出した! 凄いな私は。格下の子爵家の名前まで覚えているとは!
「……はいそうです」
「あれからナンパされてない? 貴女は魅力的だから男が放っておかないのかな?」
先日の昼間のは違いドレスに身を纏っている。豊かな胸元が強調されたドレス。
可愛い顔に見合わないそのギャップが……悪くないと思った。
「そんな、たまたまです……でもこのような華やかな場は苦手です。何を話せば良いのか会話に困ってしまいます。でもウォルター様はお話がしやすいです、不思議ですね」
「そうか、貴女は、」
「エイラ……。エイラとお呼びくださいませ。ウォルター様」
「そうか、それでは私のことはユリシーズと呼んでくれ」
「はい。ユリシーズ様」
甘い声で名前を呼ばれると何故かゾワっとした。
「ユリシーズ様は私のヒーローですね。先日はとても素敵でした」
それから何度かパーティーで会うようになり話をするようになった。エイラの家は子爵家で決して裕福ではない普通の家の令嬢だった。
手紙のやりとりもするようになり、たまにプレゼントもした。そうしてエイラとの出会いにより惹かれていくことになった。
許せ。チェルシー
気晴らしに街に買い物へ行った時のことだった。
「やめて下さい」
女の子が男に付き纏われていた。
「おい、やめたまえ」
身なりの良い服装ではあるが、私は侯爵家だ。身分的に敵うものはそんなにいない。私には護衛も付けられているし、何かあった際には護衛が対処するだろう。
「貴方には関係がないようですけど、この女と知り合いですか?」
「嫌がっている女性を無視することはできないよ。何があったかは知らないが、こんな道の真ん中で迷惑だ」
ジロジロと道を行くもの達がこちらに注目している。か弱い女性を助けるヒーローと言ったところか?
「助けてください。この人さっきからしつこく声をかけてきて……」
女性が私の背後に隠れるように助けを求めてきた。
「しつこい男は嫌われるぞ、ナンパは他所でやった方が良いようだ」
護衛がスッと私の前に立った。
「……分かりましたよ」
男はその後大人しく立ち去っていった。
「もう大丈夫のようだよ」
私の背中から出てきた女性は涙を含んだ艶のある瞳で私を見てきた。
「その、ありがとうございました。急に声をかけられて、恐ろしくて」
おずおずと頭を下げてきた。その手は震えていた。可哀想に……思わず肩に手を触れるとビクッと肩を振るわせた。
「すまない、恐ろしい目にあったというのに、貴女に触れてしまった!」
紳士としてしてはいけないことをしてしまった。初対面の女性に対して……失態である。すぐさま頭を下げて謝罪をした
「まぁ! おやめください、お礼を言いたいのはこちらの方なのに」
ふふっと笑ってくる女性
「いや、しかし」
「ありがとうございました。この御恩は忘れません。申し訳ございませんが約束がありますので、失礼いたしますわ……でももしまた……お会いできることがあったら、お名前を聞いても良いですか?」
顔をピンクに染めた女性はそう言って背中を向け、小走りで去っていってしまった。
可愛らしい女性だった。どこの誰だろうか……。もしまた会うことがあれば名前を聞こう。
******
その一ヶ月後パーティーがあったのだが、チェルシーの母親の体調が良くないとの事で、親戚をパートナーにして出かけた。
親戚の子は知り合いを見つけそちらに合流するらしく、別行動となった。
チェルシーは参加しなかったが弟のヒューバードは伯爵の代わりに参加しているようだ。目があったので手を上げ挨拶をした。
夏も近い、そろそろチェルシーの誕生日だなぁ。今年は何を渡そうか。
グレーアッシュの髪色で肌も白く元気がないように見えるから、今年は濃いめの紫のドレスでも……と思っていたら目の前に見たことのあるような、女性の姿が……
「君は! もしかしてあの時の?」
「……またお会いしましたね」
「身なりからして貴族だとは思っていたが、もしかして今までも会っていたのかもしれないね」
貴族女性だとは思っていたが、知った顔ではなかった。こんなにすぐに会えるなんて、これは……もしかして……
「運命かもしれません……ね。こうやってすぐにお会いすることができるなんて……あの時のことを後悔していました。お名前も知りませんし」
女性は上目遣いで私を見てきた。飲み物を持ちテラスへ移動し落ち着いて話をすることにした。
「失礼、貴女の名前を教えていただきたい。私はユリシーズ・ウォルターと言います」
「ウォルター様……えっ! ウォルター侯爵家ですか……!」
「そうだよ。何か?」
ほぅ。流石に侯爵家の名前は知っているか……そうか。そうか。
「貴女の名前は?」
「私はエイラ・ベッカーと申します」
「確か……確か、そうだ子爵家の?」
よく思い出した! 凄いな私は。格下の子爵家の名前まで覚えているとは!
「……はいそうです」
「あれからナンパされてない? 貴女は魅力的だから男が放っておかないのかな?」
先日の昼間のは違いドレスに身を纏っている。豊かな胸元が強調されたドレス。
可愛い顔に見合わないそのギャップが……悪くないと思った。
「そんな、たまたまです……でもこのような華やかな場は苦手です。何を話せば良いのか会話に困ってしまいます。でもウォルター様はお話がしやすいです、不思議ですね」
「そうか、貴女は、」
「エイラ……。エイラとお呼びくださいませ。ウォルター様」
「そうか、それでは私のことはユリシーズと呼んでくれ」
「はい。ユリシーズ様」
甘い声で名前を呼ばれると何故かゾワっとした。
「ユリシーズ様は私のヒーローですね。先日はとても素敵でした」
それから何度かパーティーで会うようになり話をするようになった。エイラの家は子爵家で決して裕福ではない普通の家の令嬢だった。
手紙のやりとりもするようになり、たまにプレゼントもした。そうしてエイラとの出会いにより惹かれていくことになった。
許せ。チェルシー
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