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「……ところでさぁ…」
しばらく盆子原さんと慎吾くんが話していた後、慎吾くんがチラリと私の方を見た。
──ドキン
慎吾くんの安否が気になっていて、すっかり忘れていた。
そうだ。
私は今慎吾くんの目の前で、盆子原さんと一緒にいるんだ!
「なんでオヤジと一緒にひながいるの?」なんて訊かれたら、私はどう答えたら────っ
「そのオヤジと一緒にいる人…」
「あぁ、慎吾。
彼女と会うのは初めてだったね」
…とうとう、来ちゃった!
私が慎吾くんと親密な関係になっていた事。
私が盆子原さんと正式なお付き合いを始めた事。
それが、今同時に明かされる────っ!!
「そのちっこい女の子、誰?」
……………………え?
「こ こら!慎吾!
そんな言い方したら失礼だろう!」
「えー?
だってホントの事じゃん?」
「慎吾っ!」
慎吾くんの発言に、慌てて私の反応を気にしながら叱咤する盆子原さん。
だけど私が気になったのは、そんな事じゃなかった。
慎吾くん…
わざとトボケているの…?
今日は盆子原さんと私でお互いの事を知る為に、慎吾くんも交えてのランチをする予定だった。
だけどそれが運悪く、慎吾くんにこんな事故が起きてしまった。
幸いこの程度で済んだから良かったけど、でもこんな形で私たち3人は初めて顔合わせをしたわけなのだ。
…なんだけど。
「オヤジの彼女ー!?
ウッソ、まるで援交じゃん!」
「援…っ
慎吾っ!!」
盆子原さんは、私の事を慎吾くんに丁寧に紹介してくれたんだけど。
それを聞いた当の慎吾くんは、私と盆子原さんを見比べてはケラケラ笑っていた。
…何だろう。
これは慎吾くんなりの、ケジメなのかな。
だけど、それにしては…
「彼女は歴とした大人の女性だ。
これ以上失礼な事を言ったら、いい加減怒るぞ!」
「あははっ、冗談だよっ
…てゆーかさぁ」
慎吾くんはベッドに横になったまま、今度は私の方をジッと見てきた。
「名前、なんてーの?
教えてよ」
「慎吾っ
敬語くらい使わないか!」
今までに見なかった盆子原さんの焦った様子に「まぁまぁ」と言いながら、私は慎吾くんの質問に答えた。
「えっと、私は妹尾って言います。妹尾…ひな子です…っ」
そう。
ずっと私の事を「ひな」って呼んでくれたよね。
またそうやって、私の事を「ひな」って呼んでくれる…?
「…ふぅん、せのおさんね。
頼りないけどどこか憎めないオヤジなんだ。
どーぞ、ヨロシクしてやってね」
「…ぁ………」
あっけないその返答に、何だか肩透かしにあったような気分だった。
確かに今はそんな風に言ってくれた方が、盆子原さんの手前助かる。
だけど、まるで上手いトボケ方に感心するって言うよりも…
「失礼します、盆子原さん。
あの、慎吾さんに助けてもらった子の保護者の方が、ご挨拶にいらしたのですが…」
そんな時、看護師さんが病室のドアを開けて盆子原さんに声をかけてきた。
慎吾くんに助けてもらった…あ、そうか。
道路に飛び出した幼児を庇ってって言ってたっけ。
「あぁ、はい。
…ひな子さん、ちょっと失礼しますね」
「あ、はい」
踵を返した盆子原さんは病室のドアを開けると、きっと廊下で待っているだろう幼児の親御さんのもとへと出て行った。
慎吾くんは一応事故の直後だし、集中治療室にいるわけだから、その親御さんたちもここまで入っては来ないだろう。
「……」
なので、私はこの病室に慎吾くんと2人きりになってしまった。
しばらく盆子原さんと慎吾くんが話していた後、慎吾くんがチラリと私の方を見た。
──ドキン
慎吾くんの安否が気になっていて、すっかり忘れていた。
そうだ。
私は今慎吾くんの目の前で、盆子原さんと一緒にいるんだ!
「なんでオヤジと一緒にひながいるの?」なんて訊かれたら、私はどう答えたら────っ
「そのオヤジと一緒にいる人…」
「あぁ、慎吾。
彼女と会うのは初めてだったね」
…とうとう、来ちゃった!
私が慎吾くんと親密な関係になっていた事。
私が盆子原さんと正式なお付き合いを始めた事。
それが、今同時に明かされる────っ!!
「そのちっこい女の子、誰?」
……………………え?
「こ こら!慎吾!
そんな言い方したら失礼だろう!」
「えー?
だってホントの事じゃん?」
「慎吾っ!」
慎吾くんの発言に、慌てて私の反応を気にしながら叱咤する盆子原さん。
だけど私が気になったのは、そんな事じゃなかった。
慎吾くん…
わざとトボケているの…?
今日は盆子原さんと私でお互いの事を知る為に、慎吾くんも交えてのランチをする予定だった。
だけどそれが運悪く、慎吾くんにこんな事故が起きてしまった。
幸いこの程度で済んだから良かったけど、でもこんな形で私たち3人は初めて顔合わせをしたわけなのだ。
…なんだけど。
「オヤジの彼女ー!?
ウッソ、まるで援交じゃん!」
「援…っ
慎吾っ!!」
盆子原さんは、私の事を慎吾くんに丁寧に紹介してくれたんだけど。
それを聞いた当の慎吾くんは、私と盆子原さんを見比べてはケラケラ笑っていた。
…何だろう。
これは慎吾くんなりの、ケジメなのかな。
だけど、それにしては…
「彼女は歴とした大人の女性だ。
これ以上失礼な事を言ったら、いい加減怒るぞ!」
「あははっ、冗談だよっ
…てゆーかさぁ」
慎吾くんはベッドに横になったまま、今度は私の方をジッと見てきた。
「名前、なんてーの?
教えてよ」
「慎吾っ
敬語くらい使わないか!」
今までに見なかった盆子原さんの焦った様子に「まぁまぁ」と言いながら、私は慎吾くんの質問に答えた。
「えっと、私は妹尾って言います。妹尾…ひな子です…っ」
そう。
ずっと私の事を「ひな」って呼んでくれたよね。
またそうやって、私の事を「ひな」って呼んでくれる…?
「…ふぅん、せのおさんね。
頼りないけどどこか憎めないオヤジなんだ。
どーぞ、ヨロシクしてやってね」
「…ぁ………」
あっけないその返答に、何だか肩透かしにあったような気分だった。
確かに今はそんな風に言ってくれた方が、盆子原さんの手前助かる。
だけど、まるで上手いトボケ方に感心するって言うよりも…
「失礼します、盆子原さん。
あの、慎吾さんに助けてもらった子の保護者の方が、ご挨拶にいらしたのですが…」
そんな時、看護師さんが病室のドアを開けて盆子原さんに声をかけてきた。
慎吾くんに助けてもらった…あ、そうか。
道路に飛び出した幼児を庇ってって言ってたっけ。
「あぁ、はい。
…ひな子さん、ちょっと失礼しますね」
「あ、はい」
踵を返した盆子原さんは病室のドアを開けると、きっと廊下で待っているだろう幼児の親御さんのもとへと出て行った。
慎吾くんは一応事故の直後だし、集中治療室にいるわけだから、その親御さんたちもここまで入っては来ないだろう。
「……」
なので、私はこの病室に慎吾くんと2人きりになってしまった。
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