上 下
49 / 119

3

しおりを挟む
この慎吾くんから来たメールにも書いてある

“明日もシクヨロ”

の文字。



そう、私の仕事が午後過ぎた時間からってのと、慎吾くんは夏休みに入ってるってので、また午前中からご飯を作りに行く約束をしたのだ。



…と言うか、今日はお買い物の際に必要以上の食材を買わせてしまったのだ。

しかも毎日自炊もしない家なのに、調味料まで用意しちゃった。


だもんで、せめて使い切れるぐらいは責任持ってご飯を作ってあげようって思ったの。



…なんて。

とか言って、本当は慎吾くんに会う口実にしたかっただけ。


もちろん、惣菜ばっかじゃなく家庭的なご飯を食べてもらいたいってのもあるんだけど…

やっぱり、私の作ったご飯を美味しく食べてくれるのが嬉しいっていうのが本音かな。




だからそれからもしばらくの間。


私は仕事前に慎吾くんの家に行っては、ご飯を作ってあげるようになったの。










「いらっしゃい、ひな。
暑かったね。部屋冷やして待ってたよ~」


「お おじゃましま……ひゃああっ////」



玄関のドアを閉めた途端に、私の胸に顔を埋めるようにして抱きついてきた慎吾くんに思わずビックリして声をあげた。



「ひなはホント、ちっちゃくって柔らかくっていい匂いで、かわいいなぁ」


「~~~~~っ////」



昔は背が低い事はコンプレックスでもあったんだけど、実際悩むほどの事じゃなかったんだ。


だって、今ギュッと抱きしめられるその感覚に、私はスゴく幸せを感じていたのだから。



「えっとね、今日はハンバーグとグラタンにしようかなって思ってんだけど…」

「いーよ いーよ、何でも食べるから。
それより、ひな早くっ」


「わわっ」



脱いだ靴も揃える隙もなく、私は慎吾くんに手を引かれて家の中へと入った。


台所へと続くドアを開けて入ると、そこはエアコンがよく効いていて、かいた汗が一気に引いていくように気持ちよかった。


だけど慎吾くんは更に私の手を引いて、その奥のリビングへと連れて来たの。


そしてそのままリビングにあるそのソファに、私を押し倒した。



「やっ、ちょっ、ぇえっ!?」


「まずは、先に絶品ひなを食べちゃうよー」



そう言ってニコニコ上機嫌で私のTシャツを捲ろうとする慎吾くんに、私は手を伸ばして距離を取る。



「ままま待って!
まだこんな、お昼にもなってないような時間なのにっ////
て言うか、い 家の人は…っ?」


「大丈夫だって。
うちの親、夜まで帰って来ねーもん」


「ぁ……そう…
って!///」


「だからひな、遠慮なく声とかも大丈夫だからね」


「ええぇぇっっ////
ぁ………ゃ んっ///」


「ひなってばー、もっと遠慮しないで声出してもいいのにー」


「慎吾く……んっ///」




上になった慎吾くんは私のTシャツをまくり上げると、ブラから胸を出しては美味しそうに食べてくれる。


初めは恥ずかしくて堪らなかったんだけど、でも何度も何度もされていると、私の方も気持ちよくなってきちゃうのだ。



それから相変わらず恥ずかしげもなく丸裸になった慎吾くんに、私の方が恥ずかしくなっちゃう!

一応手で顔を覆ってしまうんだけど、でも指の隙間からはその大きく反応しちゃってるアレを見ちゃったのだ。



恥ずかしくって堪らないんだけど、止めたくもない。

こうしていると全身がドキドキ心臓みたいで壊れちゃいそうなんだけど、でも幸せでいっぱいなの。



「ひなぁ、めーっちゃ気持ちいいね」


「ん………/////」






───結局。

私はご飯を作りに行きながら、殆ど毎回慎吾くんに食べられていたりするのだ。



だけど、決して嫌なわけじゃあない。



好きな人になら、何されても幸せに感じるんだもん。


だって、それだけ私を求めてくれてるって事でしょ?



て言うか…


私、今じゃすっかり慎吾くんの事、こんなにも好きになってるんだ…!


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈 
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました

宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。 ーーそれではお幸せに。 以前書いていたお話です。 投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと… 十話完結で既に書き終えてます。

【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

雪井しい
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。 【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】 ☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆ ※ベリーズカフェでも掲載中 ※推敲、校正前のものです。ご注意下さい

【完結】あなただけが特別ではない

仲村 嘉高
恋愛
お飾りの王妃が自室の窓から飛び降りた。 目覚めたら、死を選んだ原因の王子と初めて会ったお茶会の日だった。 王子との婚約を回避しようと頑張るが、なぜか周りの様子が前回と違い……?

この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。

天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」 目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。 「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」 そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――? そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た! っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!! っていうか、ここどこ?! ※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました ※他サイトにも掲載中

くだらない結婚はもう終わりにしましょう

杉本凪咲
恋愛
夫の隣には私ではない女性。 妻である私を除け者にして、彼は違う女性を選んだ。 くだらない結婚に終わりを告げるべく、私は行動を起こす。

【完結】今日も女の香水の匂いをさせて朝帰りする夫が愛していると言ってくる。

たろ
恋愛
「ただいま」 朝早く小さな声でわたしの寝ているベッドにそっと声をかける夫。 そして、自分のベッドにもぐり込み、すぐに寝息を立てる夫。 わたしはそんな夫を見て溜息を吐きながら、朝目覚める。 そして、朝食用のパンを捏ねる。 「ったく、いっつも朝帰りして何しているの?朝から香水の匂いをプンプンさせて、臭いのよ! バッカじゃないの!少しカッコいいからって女にモテると思って!調子に乗るんじゃないわ!」 パンを捏ねるのはストレス発散になる。 結婚して一年。 わたしは近くのレストランで昼間仕事をしている。 夫のアッシュは、伯爵家で料理人をしている。 なので勤務時間は不規則だ。 それでも早朝に帰ることは今までなかった。 早出、遅出はあっても、夜中に勤務して早朝帰ることなど料理人にはまずない。 それにこんな香水の匂いなど料理人はまずさせない。 だって料理人にとって匂いは大事だ。 なのに…… 「そろそろ離婚かしら?」 夫をぎゃふんと言わせてから離婚しようと考えるユウナのお話です。

処理中です...