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22.何で…
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またまたまたまた、呑み会がお開きになると、リーダーは私を家まで送ってくれた。
本当に、向かいに住んでるってラッキーだったなぁ、と思う。
少し疲れたかのようにそこはかとなく丸まったその後ろ姿を見ながらついていく。
何も言わないけど、私がストーカー(彼は元カレと勘違いしている)から何かされるんじゃないのかと、まだ心配してくれているんだろう…と思っている。
本当のことを言ってないことに対し、少し後ろめたくも思うけど…
でも、今日はあの里佳さんのことで頭がいっぱいになっていた。
彼女が、本人の言う通りに、本当に幼馴染みであり元カノであるとするならば、必然的にリーダーと同じ村出身ということになり、そうなればきっと彼女も吸血鬼だということになるのだろう。
だとすると、一族のはみ出し者のリーダーと、何故付き合うという事態になったのだろうか?
まず、出て行った彼とどうやって出会ったの?
もしかして、連れ戻しに…いや、はみ出し者として殺しに…とか?
里佳さんがりーdの首筋に噛み付いているのを想像して、思わず身震いしてしまった。
「ん、大丈夫か?」
ほんの少し前を歩いていたリーダーが、少しだけ歩くペースを落として隣に並ぶ。
「いや、何でもないですよ?」
顔の前でヒラヒラと手を振ったが、すぐ側にいるはずなのにリーダーが少しだけ遠くに感じた。
「…なぁ、やっぱりなんかあっただろ?お前。
…もしかして、里佳か?」
滑り出た気にかかっていた名前にピクリと反応する。
「あー、あいつやっぱり…」
髪をくしゃくしゃ、と搔きむしっている姿を見ていると、元カノ、という言葉が脳裏に浮かんだ。
…これは、聞くなら今しかないかもしれない。この流れじゃないと、本人の口からこの話を聞くことなんてできないんじゃないだろうか。
そもそも、もう一度2人きりになる機会があるかなんてわからないような関係性なのだ。
さらに、里佳さんの名前が話題になるチャンスなんて今後くるかどうかなんてわからない。
…うん。聞いてみよう。聞かなきゃ、始まらない。
「…あの、やっぱり彼女は吸血鬼なんですか?何で…」
元カノ何ですか、とは聞けなかった。
飲み込んだ質問が届くはずなんてない。
でも、リーダーはふっと真面目な顔になると、「お前には話しておいた方がいい気がする」といい、話始めた。
さっきまで里佳さんが話していたように身振り手振りではなく、リーダーの語り方はまるで鏡に向かって独り言をつぶやいているかのようだった。
本当に、向かいに住んでるってラッキーだったなぁ、と思う。
少し疲れたかのようにそこはかとなく丸まったその後ろ姿を見ながらついていく。
何も言わないけど、私がストーカー(彼は元カレと勘違いしている)から何かされるんじゃないのかと、まだ心配してくれているんだろう…と思っている。
本当のことを言ってないことに対し、少し後ろめたくも思うけど…
でも、今日はあの里佳さんのことで頭がいっぱいになっていた。
彼女が、本人の言う通りに、本当に幼馴染みであり元カノであるとするならば、必然的にリーダーと同じ村出身ということになり、そうなればきっと彼女も吸血鬼だということになるのだろう。
だとすると、一族のはみ出し者のリーダーと、何故付き合うという事態になったのだろうか?
まず、出て行った彼とどうやって出会ったの?
もしかして、連れ戻しに…いや、はみ出し者として殺しに…とか?
里佳さんがりーdの首筋に噛み付いているのを想像して、思わず身震いしてしまった。
「ん、大丈夫か?」
ほんの少し前を歩いていたリーダーが、少しだけ歩くペースを落として隣に並ぶ。
「いや、何でもないですよ?」
顔の前でヒラヒラと手を振ったが、すぐ側にいるはずなのにリーダーが少しだけ遠くに感じた。
「…なぁ、やっぱりなんかあっただろ?お前。
…もしかして、里佳か?」
滑り出た気にかかっていた名前にピクリと反応する。
「あー、あいつやっぱり…」
髪をくしゃくしゃ、と搔きむしっている姿を見ていると、元カノ、という言葉が脳裏に浮かんだ。
…これは、聞くなら今しかないかもしれない。この流れじゃないと、本人の口からこの話を聞くことなんてできないんじゃないだろうか。
そもそも、もう一度2人きりになる機会があるかなんてわからないような関係性なのだ。
さらに、里佳さんの名前が話題になるチャンスなんて今後くるかどうかなんてわからない。
…うん。聞いてみよう。聞かなきゃ、始まらない。
「…あの、やっぱり彼女は吸血鬼なんですか?何で…」
元カノ何ですか、とは聞けなかった。
飲み込んだ質問が届くはずなんてない。
でも、リーダーはふっと真面目な顔になると、「お前には話しておいた方がいい気がする」といい、話始めた。
さっきまで里佳さんが話していたように身振り手振りではなく、リーダーの語り方はまるで鏡に向かって独り言をつぶやいているかのようだった。
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