95 / 168
第6章 土岐家の名君
18.襲撃事件
しおりを挟む
会川和尚のお茶を飲み、本堂で一息ついた十兵衛達4人は、和尚へ丁寧にお礼を述べ、寺の外で待つ頼純の家来達の元に向かう。
本堂から、寺の出口に向かう道を歩く4人、途中で頼純が足を止める。
見ると、頭を丸めた男が行く手を遮るように立っている。
『お主達、何者じゃ?』と口を開いたのは、頼純と男の前に割って入った六郎である。
気がつけば、十数名の者達が4人を囲んでいる。
十兵衛も又、帰蝶を頼純の横に立たせ、二人を中心にして六郎の背後に立ち、囲んだ者達を睨みつける。
男達は、六郎の言葉には答えず、無言で少しずつ近づいてくる。
状況を理解した十兵衛は、速やかに自分の懐に用意していた小さい笛を取り出し、思いっきり吹いた。
『ピィ~』という笛の音が周囲にこ響く。
『直ぐに家来の者達が来るぞ!!お主ら、命が欲しくば、立ち去れ!』
十兵衛は、相手を威嚇する様にそう怒鳴りつける。
4人を囲んだ者達は、一瞬動きを止めたが、直ぐ自分たちの任務を速やかに遂行すべく、4人の元へ小走りで近づいて来た。
(狼狽えないとは、かなりの手練れの者達である)
十兵衛は、冷静に刺客達の様子を観察しながら、そう判断したのである。
『頼純様、帰蝶様を宜しく頼みまする!』
十兵衛はそう言うと、自分の刀を抜き、2,3歩前に出て、近づいてくる者達へ威嚇する様に、刀を一振りする。
一人の刺客は、その刀をギリギリでよけ立ち止まり、その者と同様に他の者達も立ち止まる。
『お主らに、面白いモノを見せてやる。我が斬馬刀の剣技、冥途の土産にとくとご覧あれぇい!』
十兵衛の後ろから、六郎の声がする。
『頼純様、あれ、まるで舞のようだわ』
帰蝶が、生まれて初めてみたモノに感動する様に、頼純に訴える様に叫ぶ。
六郎はそう言うと、まるで踊る様に長い刀を全身を使い、振り回す。
六郎の動きが早くなるにつれ、刀の速度もどんどん加速していく、正に舞を踊る様であった。
一番近くにいた刺客を切った六郎は、竜巻のように、又その近くの者へ、瞬時に向かっていく。
美しく、踊りの様でもあるが、それは命を断つ剣の舞である。
一瞬で3名の刺客が切り捨てられ、他の刺客達は恐怖を感じ、後ろへ飛び下がる。
しかし、六郎は彼らを逃がさない。その者達との距離を瞬時に詰め、一人、また一人と切り倒していく。
『スゴイ、スゴイわ』と敵が次々と切られていく様をみて無邪気に喜ぶ帰蝶。
帰蝶は、喜んでいるが、斬られる刺客達からしてはタマッタものではない。
死神、彼らの目に映った六郎は、正にそれであった。
気がつけば、刺客の半分は六郎の剣舞の餌食になっていた。
『こんな手練れがいるとは、聞いていねぇぞ、お頭!』
一人の刺客が、堪らず声に出す。
『剣では敵わぬのなら、作戦を変えるぞ!!』
頭と呼ばれた男がそう言うと、刺客達は手裏剣を取り出した。
そして、彼らが一斉に手に持った手裏剣を目標に向けて一斉に投げた。
彼らの視線、身体の方向から、一瞬で十兵衛は彼らの目標を察知した。
それは、理解ではなく、正に察知、直感的な反射の様なモノであった。
(こ奴らの目標は、帰蝶様だ)
十兵衛は、咄嗟に帰蝶へ飛びかかり、自分の身体を盾にして帰蝶を守った。
帰蝶を抱きしめたと思った瞬間、7,8本の手裏剣が次々と十兵衛に刺さる。
不思議と痛みは感じなかった。しかし、直ぐに身体に違和感を覚える
(体が・・・痺れる。毒か・・)
十兵衛は、突然胸の不快感を感じ、気持ちが悪くなり、そして吐いた。
十兵衛は動けなくなったが、前方にいた六郎が、直ぐに十兵衛の助太刀に入り、武器を投げ無防備になった刺客達を血祭りにあげた。
刺客達の脅威がなくなった3人は、慌てて十兵衛に歩み寄る。
『十兵衛兄様、しっかりして』
『十兵衛、目を開けるのじゃ』
『十兵衛殿・・』
(腹の中が、いや、全身が痛い、・・身体が寒い・・・)
十兵衛の意識は飛び、そして十兵衛はその場で倒れたのである。
笛の音で慌てて駆けつけた50名の家来達は、十数名の刺客達の屍と倒れている十兵衛を見たのである。
『急ぎ、大桑城へ、医者、薬師を急いで呼ぶのじゃ、絶対に十兵衛を殺すな!』
頼純の怒鳴り声のような指示が、南泉寺にこだまするかのように響いた。
本堂から、寺の出口に向かう道を歩く4人、途中で頼純が足を止める。
見ると、頭を丸めた男が行く手を遮るように立っている。
『お主達、何者じゃ?』と口を開いたのは、頼純と男の前に割って入った六郎である。
気がつけば、十数名の者達が4人を囲んでいる。
十兵衛も又、帰蝶を頼純の横に立たせ、二人を中心にして六郎の背後に立ち、囲んだ者達を睨みつける。
男達は、六郎の言葉には答えず、無言で少しずつ近づいてくる。
状況を理解した十兵衛は、速やかに自分の懐に用意していた小さい笛を取り出し、思いっきり吹いた。
『ピィ~』という笛の音が周囲にこ響く。
『直ぐに家来の者達が来るぞ!!お主ら、命が欲しくば、立ち去れ!』
十兵衛は、相手を威嚇する様にそう怒鳴りつける。
4人を囲んだ者達は、一瞬動きを止めたが、直ぐ自分たちの任務を速やかに遂行すべく、4人の元へ小走りで近づいて来た。
(狼狽えないとは、かなりの手練れの者達である)
十兵衛は、冷静に刺客達の様子を観察しながら、そう判断したのである。
『頼純様、帰蝶様を宜しく頼みまする!』
十兵衛はそう言うと、自分の刀を抜き、2,3歩前に出て、近づいてくる者達へ威嚇する様に、刀を一振りする。
一人の刺客は、その刀をギリギリでよけ立ち止まり、その者と同様に他の者達も立ち止まる。
『お主らに、面白いモノを見せてやる。我が斬馬刀の剣技、冥途の土産にとくとご覧あれぇい!』
十兵衛の後ろから、六郎の声がする。
『頼純様、あれ、まるで舞のようだわ』
帰蝶が、生まれて初めてみたモノに感動する様に、頼純に訴える様に叫ぶ。
六郎はそう言うと、まるで踊る様に長い刀を全身を使い、振り回す。
六郎の動きが早くなるにつれ、刀の速度もどんどん加速していく、正に舞を踊る様であった。
一番近くにいた刺客を切った六郎は、竜巻のように、又その近くの者へ、瞬時に向かっていく。
美しく、踊りの様でもあるが、それは命を断つ剣の舞である。
一瞬で3名の刺客が切り捨てられ、他の刺客達は恐怖を感じ、後ろへ飛び下がる。
しかし、六郎は彼らを逃がさない。その者達との距離を瞬時に詰め、一人、また一人と切り倒していく。
『スゴイ、スゴイわ』と敵が次々と切られていく様をみて無邪気に喜ぶ帰蝶。
帰蝶は、喜んでいるが、斬られる刺客達からしてはタマッタものではない。
死神、彼らの目に映った六郎は、正にそれであった。
気がつけば、刺客の半分は六郎の剣舞の餌食になっていた。
『こんな手練れがいるとは、聞いていねぇぞ、お頭!』
一人の刺客が、堪らず声に出す。
『剣では敵わぬのなら、作戦を変えるぞ!!』
頭と呼ばれた男がそう言うと、刺客達は手裏剣を取り出した。
そして、彼らが一斉に手に持った手裏剣を目標に向けて一斉に投げた。
彼らの視線、身体の方向から、一瞬で十兵衛は彼らの目標を察知した。
それは、理解ではなく、正に察知、直感的な反射の様なモノであった。
(こ奴らの目標は、帰蝶様だ)
十兵衛は、咄嗟に帰蝶へ飛びかかり、自分の身体を盾にして帰蝶を守った。
帰蝶を抱きしめたと思った瞬間、7,8本の手裏剣が次々と十兵衛に刺さる。
不思議と痛みは感じなかった。しかし、直ぐに身体に違和感を覚える
(体が・・・痺れる。毒か・・)
十兵衛は、突然胸の不快感を感じ、気持ちが悪くなり、そして吐いた。
十兵衛は動けなくなったが、前方にいた六郎が、直ぐに十兵衛の助太刀に入り、武器を投げ無防備になった刺客達を血祭りにあげた。
刺客達の脅威がなくなった3人は、慌てて十兵衛に歩み寄る。
『十兵衛兄様、しっかりして』
『十兵衛、目を開けるのじゃ』
『十兵衛殿・・』
(腹の中が、いや、全身が痛い、・・身体が寒い・・・)
十兵衛の意識は飛び、そして十兵衛はその場で倒れたのである。
笛の音で慌てて駆けつけた50名の家来達は、十数名の刺客達の屍と倒れている十兵衛を見たのである。
『急ぎ、大桑城へ、医者、薬師を急いで呼ぶのじゃ、絶対に十兵衛を殺すな!』
頼純の怒鳴り声のような指示が、南泉寺にこだまするかのように響いた。
0
あなたにおすすめの小説
マルチバース豊臣家の人々
かまぼこのもと
歴史・時代
1600年9月
後に天下人となる予定だった徳川家康は焦っていた。
ーーこんなはずちゃうやろ?
それもそのはず、ある人物が生きていたことで時代は大きく変わるのであった。
果たして、この世界でも家康の天下となるのか!?
そして、豊臣家は生き残ることができるのか!?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる