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第6章 土岐家の名君
16.南泉寺【前編】
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1547年11月4日、頼純、帰蝶、十兵衛、清水六郎の4名と頼純を護衛する兵50名は、土岐家の菩提寺である南泉寺に参拝した。
南泉寺は土岐頼純の祖父、土岐政房が己の師である仁岫宗寿を呼び寄せ1517年に開山した寺であり、土岐家の菩提寺【一家が代々その寺の宗旨に帰依して、先祖の菩提を弔う 寺院 のこと 】である。
頼純を護衛する兵50名は、眠っている死者を騒がす事になるとして寺の門前で待機する事になり、頼純、帰蝶、十兵衛、清水六郎の4名のみ南泉寺に入っていったのである。
寺の中に入った4名を出迎えたのは、南泉寺の住職を務める快川紹喜という名の僧であった。
快川和尚は、優し気な瞳とその笑顔で4人を迎え、4人を歴代土岐家を供養する供養塔へと案内する。
供養塔へ向かう途中、十兵衛は所々で桔梗紋のお墓がある事に気づいた。
改めて、土岐氏と明智家が元々は一つの家族であったと感じる十兵衛。
暫くすると、大きな供養塔が見えて来た。
『何かありましたら、私らは本堂におりますので・・・』
快川和尚は、そう言うと丁寧に自分の両手をあわせ、そして4人に頭を下げ、静かにその場を後にしたのであった。
時折、少し冷たい秋風が線香の匂いを運んでくる。
優し気で、上品な線香の匂いがその場所の神聖さを際立たせていた。
頼純と帰蝶は、十兵衛と六郎から供養する道具を受け取り、二人で供養塔に近寄る。
『帰蝶、これが我ら土岐家の先祖が眠る供養塔じゃ、ワシの両親、妹も此処で眠っている、3人に挨拶をしてくれ』
供養塔を目の前にした頼純は、幼き妻に優しい口調でそう伝える。
『妹殿が、おられたのですか?』
帰蝶が驚いた様に確認する。
『10年も前に、病で亡くなってしまったがな・・名は、春香じゃ』
『今、生きていれば20歳になる筈じゃ』
『10歳になる年に、風にさらわれるように、アッサリと逝ってしまった』
『ワシも未だ13でのう、ワシは妹の死を直ぐには受け入れれなかった』
『優しく、何時も元気で、帰蝶の様な子であった・・』
そう言うと、頼純は妹の旅立った日を思いだしたのか、目に涙を溜める。
『・・・・』
帰蝶は、頼純の涙に慌てたが、どうする事も出来ず、無言で夫の顔を見つめる事しか出来なかった。
少しの沈黙の後、頼純は供養塔へユックリと話しかける様に、口を開く。
『父上、母上、春香、今日はワシの妻を紹介しに来た』
『帰蝶じゃ』
『ワシは、帰蝶と手を合わせ、力を合わせこの国を守って行こうと思う』
『どうか、我ら二人を見守ってくれ!』
頼純は、そういうと両手を合わせ、目を瞑り祈ったのである。
それを見ていた帰蝶も、慌ててそれにならう。
(頼純様のお父上、母上、春香様、3人に代わって私が全力で、頼純様をお守りします!)
帰蝶は、心の底で、今は亡き頼純の家族にそう宣言したのであった。
その後、二人は先祖が眠る供養塔を丁寧に清掃し、二人を見守る十兵衛と六郎と共に、住職の快川和尚に挨拶をする為、南泉寺の本堂へ向かった。
南泉寺の本堂は大きく、そして美しかった。
流石、名門土岐家の菩提寺というほど、飾られている仏像にさえも威厳や、気品が感じられると十兵衛は素直に思ったのである。
『参拝は、お済になられましたか?』
『ハイ、我が一族へ、亡くなった私の家族に、私の妻を紹介する事が出来ました・・』
『それは、それは、良かったですな』
『一仕事を終えられた皆様に、私からお茶を』
そう言うと、快川和尚は手慣れた手つきで、お茶を立てはじめた。
『皆さま、もしよろしければ、足を崩されよ。楽になされ』
『仏の前で、それは出来ませぬ、恐れ多い・・』と頼純が断ろうとする。
『なあに、お客様である皆さまが足を崩す、そんな事に腹を立てる仏様ではございませぬ』
『さあ、帰蝶様、一番素直な貴女が、皆に見本を・・』
和尚に言われ、帰蝶は照れながらも、正座を崩し、自分の足が楽になる様に座る。
帰蝶が足を崩すのを見ると、頼純は覚悟を決めた様に自分も正座を止め、胡坐をかき、その場に座る。
それを見ていた、十兵衛と六郎も、主君の様に座り方を変え、胡坐をくむ。
『皆さま、素直で大変宜しい、仏もきっとお喜びじゃ・・』
それを見ていた和尚は、ニコニコしながら、そう言い、皆のお茶を準備する。
お茶が皆に振る舞い、快川和尚は茶飲み話として、一つの話を語り始めた。
話の内容は、南泉寺の名の由来であった。
南泉寺は土岐頼純の祖父、土岐政房が己の師である仁岫宗寿を呼び寄せ1517年に開山した寺であり、土岐家の菩提寺【一家が代々その寺の宗旨に帰依して、先祖の菩提を弔う 寺院 のこと 】である。
頼純を護衛する兵50名は、眠っている死者を騒がす事になるとして寺の門前で待機する事になり、頼純、帰蝶、十兵衛、清水六郎の4名のみ南泉寺に入っていったのである。
寺の中に入った4名を出迎えたのは、南泉寺の住職を務める快川紹喜という名の僧であった。
快川和尚は、優し気な瞳とその笑顔で4人を迎え、4人を歴代土岐家を供養する供養塔へと案内する。
供養塔へ向かう途中、十兵衛は所々で桔梗紋のお墓がある事に気づいた。
改めて、土岐氏と明智家が元々は一つの家族であったと感じる十兵衛。
暫くすると、大きな供養塔が見えて来た。
『何かありましたら、私らは本堂におりますので・・・』
快川和尚は、そう言うと丁寧に自分の両手をあわせ、そして4人に頭を下げ、静かにその場を後にしたのであった。
時折、少し冷たい秋風が線香の匂いを運んでくる。
優し気で、上品な線香の匂いがその場所の神聖さを際立たせていた。
頼純と帰蝶は、十兵衛と六郎から供養する道具を受け取り、二人で供養塔に近寄る。
『帰蝶、これが我ら土岐家の先祖が眠る供養塔じゃ、ワシの両親、妹も此処で眠っている、3人に挨拶をしてくれ』
供養塔を目の前にした頼純は、幼き妻に優しい口調でそう伝える。
『妹殿が、おられたのですか?』
帰蝶が驚いた様に確認する。
『10年も前に、病で亡くなってしまったがな・・名は、春香じゃ』
『今、生きていれば20歳になる筈じゃ』
『10歳になる年に、風にさらわれるように、アッサリと逝ってしまった』
『ワシも未だ13でのう、ワシは妹の死を直ぐには受け入れれなかった』
『優しく、何時も元気で、帰蝶の様な子であった・・』
そう言うと、頼純は妹の旅立った日を思いだしたのか、目に涙を溜める。
『・・・・』
帰蝶は、頼純の涙に慌てたが、どうする事も出来ず、無言で夫の顔を見つめる事しか出来なかった。
少しの沈黙の後、頼純は供養塔へユックリと話しかける様に、口を開く。
『父上、母上、春香、今日はワシの妻を紹介しに来た』
『帰蝶じゃ』
『ワシは、帰蝶と手を合わせ、力を合わせこの国を守って行こうと思う』
『どうか、我ら二人を見守ってくれ!』
頼純は、そういうと両手を合わせ、目を瞑り祈ったのである。
それを見ていた帰蝶も、慌ててそれにならう。
(頼純様のお父上、母上、春香様、3人に代わって私が全力で、頼純様をお守りします!)
帰蝶は、心の底で、今は亡き頼純の家族にそう宣言したのであった。
その後、二人は先祖が眠る供養塔を丁寧に清掃し、二人を見守る十兵衛と六郎と共に、住職の快川和尚に挨拶をする為、南泉寺の本堂へ向かった。
南泉寺の本堂は大きく、そして美しかった。
流石、名門土岐家の菩提寺というほど、飾られている仏像にさえも威厳や、気品が感じられると十兵衛は素直に思ったのである。
『参拝は、お済になられましたか?』
『ハイ、我が一族へ、亡くなった私の家族に、私の妻を紹介する事が出来ました・・』
『それは、それは、良かったですな』
『一仕事を終えられた皆様に、私からお茶を』
そう言うと、快川和尚は手慣れた手つきで、お茶を立てはじめた。
『皆さま、もしよろしければ、足を崩されよ。楽になされ』
『仏の前で、それは出来ませぬ、恐れ多い・・』と頼純が断ろうとする。
『なあに、お客様である皆さまが足を崩す、そんな事に腹を立てる仏様ではございませぬ』
『さあ、帰蝶様、一番素直な貴女が、皆に見本を・・』
和尚に言われ、帰蝶は照れながらも、正座を崩し、自分の足が楽になる様に座る。
帰蝶が足を崩すのを見ると、頼純は覚悟を決めた様に自分も正座を止め、胡坐をかき、その場に座る。
それを見ていた、十兵衛と六郎も、主君の様に座り方を変え、胡坐をくむ。
『皆さま、素直で大変宜しい、仏もきっとお喜びじゃ・・』
それを見ていた和尚は、ニコニコしながら、そう言い、皆のお茶を準備する。
お茶が皆に振る舞い、快川和尚は茶飲み話として、一つの話を語り始めた。
話の内容は、南泉寺の名の由来であった。
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