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不動の荷車(全14話)

不動の荷車 登場人物紹介(読後用)

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●御庭番衆

宮地みやじ 日向ひなた

 本作の主人公。
 後の御庭番衆である元紀州藩の下士で庭番の家系。

 持ち前の天真爛漫さで興味本位で動く結果、トラブルに巻き込まれたり、巻き起こしたりする。
 叔母である日葵ひまりとよく似ている。性格も見た目も。
 そのため、仲が良いのだが、二人が揃うと問題が大きくなりやすい。

 叔母の日葵が創設した日葵流印地打ちの二代目を自認する。
 修行だけは終えた非公式の御庭番衆である。

 今回のエピソードでは、ダルマのお侍様としたい関係を結ぶ。(2.師弟関係より)

 さらに、新たなパートナーとなるモモと出会ったことで、油を探し出す事ができた。(3.忍術指導 6.油桶より)

 その後、二つ目の油桶を見つけた際に、尾行されたが逆尾行し、江戸の街に潜む陰謀を掴む。(11.報告より)

 陰謀を阻止しようとするが、実行犯の意思を覆す事ができず、説得は失敗する。
 陰謀自体は阻止されたが、説得できなかった日向は心に傷を負う。(12.実行より)

 しかし、被害者であった油問屋の椿屋五兵衛に諭され立ち直る。(14.笑顔より)

 これにより幼さが強く残る日向は、少し成長したようである。
 

・川村 日葵ひまり(旧姓 宮地)

 紀州藩にいた頃に、部屋住み同然だった徳川吉宗と出会い仲を深める。
 それをきっかけに、吉宗の構想であった庭番を忍び集団へと変革するための計画に協力した。

 その功績として、女だてらに忍び修業に混ざり、技術を学ぶ。
 群を抜いて優秀な成績を残した日葵は、御庭番衆になる事を勧められるが、断る。
 体型、性格がよく似た日向が忍術を修めたのも、日葵の影響を受けたものである。

 日向とは似たもの同士だが、年齢を重ねた事で幾分落ち着いている。
 宮地家の出身のため、印地打ちを得意とする。


・モモ

 黒い柴犬。まだ若く成犬になったばかり。
 神田の町を徘徊していた野良犬だが、日向の持つ風呂敷の匂いに釣られ、行動を共にする。(3.忍術指導より)
 風呂敷には、団子を包んだ際についてしまった、みたらしの染みがあった。

 鼻が良く、日向の指示を理解できる。
 これにより、椿屋の油桶を二つも探し出すという功績を立てる。
 こういった能力を得たのは、日向と出会う前である。
 それは生まれてからの境遇による。(幕間『モモの思い出』にて)

 くノ一のお供なら忍犬だろうという、日向の安易な発想により、忍犬修行という過酷な運命が待ち受ける。

 なお、出会ったばかりの日向は性別を確認しなかったため、オスの名前ばかりが候補であった。(4.事件発生より)


・薮田 仁斎

 御庭番衆である薮田家の前当主。
 薮田家の特殊技術として薬学に通じる。
 薬草園を管理し、御庭番衆を医の面で支える。
 

・薮田 定八

 御庭番衆統領
 吉宗の側に仕える。
 薮田仁斎の子で、御庭番衆の薮田家当主。


●徳川幕府 

・第八代征夷大将軍 徳川吉宗

 傍流の紀州徳川家から宗家徳川家の家督を継ぎ、将軍となる。
 その際に連れてきた家臣に御庭番衆や有馬氏倫ありまうじのりがいる。

 前将軍である家継の側近であった新井白石あらいはくせき間部詮房まなべあきふさを遠ざける。


●幕閣

・間部詮房

前将軍である家継の側近。
元高崎藩五万石の藩主。現在は、越後村上藩。
新たな将軍である吉宗を傍系と侮り対立する。
家臣を使い、江戸の街を大火に包む計画を図り吉宗の失権を企む。


・新井白石

 前将軍である家継の側近
 著名な朱子学者でもあり、お役目を退いた後には、更なる研究と執筆を予定している。


●吉宗の側近

有馬氏倫ありまうじのり
 元紀州藩士。御側御用取次
 吉宗が将軍になった事で、江戸へと付き従い幕臣となる。


●椿屋

・椿屋五兵衛

 堅実な商いで油問屋を営む商人。
 店が神保町の側にあることにより、宮地家の御用商人となっていた。
 そういう関係もあり日向は油探しをするようになり、縁を深める。
 次第に日向を孫のように慈しみ、立ち直るきっかけを与えた。(14.笑顔より)


●浮浪児

・哲太

 家出屋騒動で日向に助けられた事により、仲良くなる。
 神田の稲荷神社を塒にする浮浪児。
 世知に長け、仲間思い。
 日向に忍術を教わったり、油を運ぶのを手伝ったりした。
 常識を持つ大切なツッコミ役。


●浪人集団

 藩主の間部詮房の意向を受け、脱藩し江戸の街を火の海に包む計画を企てた実行犯たち。
 計画は御庭番衆によって阻止されるが、裏で操っていた侍だけは姿を消した。
 残る浪人は火付け未遂により火罪として死刑となる。
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