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7 奇跡のスタート、種は撒かれた
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【12月25日】
レイはいつものように起き上がるとベッドサイドに腰を掛けゆっくり辺りを見回した。ほとんど日の入らない窓辺に向かい、一歩脚を踏み出すと地下シェルターとは思えないフワフワの絨毯に脚をつつまれる。サイドテーブルの横を通り過ぎようとしたその時、足元に落ちていた小さな長方形の袋を発見した。
レイはしゃがむとその包み紙を手に取った。
表を返し宛名を確認する。
「どうしたというのだ?」
ベッドの中からひときわ低い声がした。
「シロエ……起きていたの?」
「俺より先に起きるなと言っているのに、わからない子だな。お前の寝顔を見るのが俺の唯一の楽しみなんだ、勝手にいなくならないでくれないか」
ベッドの中から俺を睨みながら、シロエはそう言った。
ボクサーパンツ一枚の出で立ちでレイのもとへ歩きだし、手に持っていたぺらぺらの紙を奪い取る。
「これは?」
「さっきここに落ちていたんだ」
レイはシロエにそれを渡した。
「種だな」
シロエはレイにそういうと「お前のものだぞ」と誇らしげに言った。
「ホントに?俺の?」
中身を空けると確かに俺の名前がかいてあった。
「本当だ……」
俺は無言でシロエの首に抱きついた。喉から手が出るほどに欲しかった奇跡の種……それが今ここにある。
「こらこらどうした。痛いじゃないか、レイ」
「抱き締めて……」
抱きついていた首から手を離すと、からだの震えを取るように俺はシロエの胸に顔を埋め直すと力任せに再度抱き付いた。
「こうか」
シロエはお姫様だっこでレイを抱き抱えると、ベッドの中へ連れ帰り、胡座をかいたそのスポットへ、レイをストンと落とし、腕の中で大人しくなっているレイの頬にキスをした。ゆうに30分はシロエの腕の中にいたレイは、落ち着いたのかモゾモゾとそこから抜け出すと徐に着替え始めた。
「ヨハスに知らせてくる」
「なんだ一番は俺ではなくヨハスなのか?」
憮然とするシロエを見て、俺はあまりの可愛さに声をあげて笑った。
「一番は既にあなただったじゃないか、貴方でも焼きもち焼いたりするんだね」
「人をロボットみたいに言わないでくれないか。するに決まっているではないか」
サテンのシャツを羽織りコーヒーを落としながらタバコに火をつけた。
俺はシロエに行ってきますのキスをすると、種を手に
部屋をあとにした。
【種は撒かれた】
レイに種が届くこと。これが最初の奇跡のスタートだった。
レイはいつものように起き上がるとベッドサイドに腰を掛けゆっくり辺りを見回した。ほとんど日の入らない窓辺に向かい、一歩脚を踏み出すと地下シェルターとは思えないフワフワの絨毯に脚をつつまれる。サイドテーブルの横を通り過ぎようとしたその時、足元に落ちていた小さな長方形の袋を発見した。
レイはしゃがむとその包み紙を手に取った。
表を返し宛名を確認する。
「どうしたというのだ?」
ベッドの中からひときわ低い声がした。
「シロエ……起きていたの?」
「俺より先に起きるなと言っているのに、わからない子だな。お前の寝顔を見るのが俺の唯一の楽しみなんだ、勝手にいなくならないでくれないか」
ベッドの中から俺を睨みながら、シロエはそう言った。
ボクサーパンツ一枚の出で立ちでレイのもとへ歩きだし、手に持っていたぺらぺらの紙を奪い取る。
「これは?」
「さっきここに落ちていたんだ」
レイはシロエにそれを渡した。
「種だな」
シロエはレイにそういうと「お前のものだぞ」と誇らしげに言った。
「ホントに?俺の?」
中身を空けると確かに俺の名前がかいてあった。
「本当だ……」
俺は無言でシロエの首に抱きついた。喉から手が出るほどに欲しかった奇跡の種……それが今ここにある。
「こらこらどうした。痛いじゃないか、レイ」
「抱き締めて……」
抱きついていた首から手を離すと、からだの震えを取るように俺はシロエの胸に顔を埋め直すと力任せに再度抱き付いた。
「こうか」
シロエはお姫様だっこでレイを抱き抱えると、ベッドの中へ連れ帰り、胡座をかいたそのスポットへ、レイをストンと落とし、腕の中で大人しくなっているレイの頬にキスをした。ゆうに30分はシロエの腕の中にいたレイは、落ち着いたのかモゾモゾとそこから抜け出すと徐に着替え始めた。
「ヨハスに知らせてくる」
「なんだ一番は俺ではなくヨハスなのか?」
憮然とするシロエを見て、俺はあまりの可愛さに声をあげて笑った。
「一番は既にあなただったじゃないか、貴方でも焼きもち焼いたりするんだね」
「人をロボットみたいに言わないでくれないか。するに決まっているではないか」
サテンのシャツを羽織りコーヒーを落としながらタバコに火をつけた。
俺はシロエに行ってきますのキスをすると、種を手に
部屋をあとにした。
【種は撒かれた】
レイに種が届くこと。これが最初の奇跡のスタートだった。
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