ディア・ドロップ

あめいろ

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邂逅

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ミハルがアイドルに?
そんな記憶はない。いや自分が忘れているのか?
雫の話は続く。
「ミハルがどれだけアイドルになりたかったのか、その感情もわたしには鮮明に分かる。何も知らない小学生の女の子はキラキラとした世界に憧れていた。そして、幼馴染と夢を誓いあった。その思いは純粋で無垢で美しかった」
「.....」
「なんていうか、理屈じゃないんです。同じ記憶を共有したからなのか。他人には思えない。今、ミハルがどうしているのかなんて分からないけど、ミハルの想いを叶えたい。いやミハルが夢見た世界の果てをわたしが見たい。そう思うんです」
言葉が出なかった。
雫の想いは、自分なんかが想像するよりも遥かに深いものだったから。
しかし、その上で言いたい。
「お前の気持ちは分かったよ。何でそれ先に言わなかったんだよとか言いたいことはある。でもその上で言わせてくれ。何で俺なんだよ?」
「?」
「俺にプロデュースしてくれって言ったろ。何で俺が出てくるんだ。別にそんなの芸能事務所とかに入れば良いだけ.....」
「陽太がミハルのことを大切に思ってるって知ってるからだよ」
雫が言葉を遮るように言う。
雫にそっと手を握り締められる。大きな瞳の中に自分のポカンとした顔が映る。


「わたしの物語を描いてよ、陽太」


ニコッと笑う雫は、なぜかあの子の笑顔と重なって見えた。
忘れていた記憶がふと蘇る。
そうだ、あの日も.....

15年前。
「おーい陽太ー!ドッジしようぜー!」
「おう!今行く!」
友達の言葉に返事をして、隣に座っていた少女に陽太は向き直った。
「ごめんな!ちょっと遊んでくる!」
少女は嫌な顔一つせず、ニコリと微笑んだ。
「いーよ!いってらっしゃい!」
少女の名は青山心春(ミハル)。
幼稚園からの幼馴染だ。先天性の心疾患を患っている為、身体が弱い。
だから皆と一緒に外で遊ぶことはなく、陽太たちが遊ぶ様を、いつも遠目から見ていることが多かった。
その日もいつもと同じように1日が過ぎる。
友達とドッジをしながら、そう思っていた。


だけど、その日、ミハルは帰らぬ人となった。



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