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『猟奇的、美形兄は』

7:兄、盗撮につき【R】

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ジジッ
「こちら、兄どうぞ」

 兄はトランシーバーのテストをしていた。
時代ときはスマホ全盛期。ネコも杓子もブルーライトで角膜を傷つけられ、視力が低下するという暗黒時代。このご時勢に何をやっとるか、我が兄よ。

ジジッ
「距離問題ありません、どうぞ」

兄の首から下げられているのは一眼レフカメラ。望遠レンズつき。

──ところで、自分のこと兄って言わなかった? 
 弟、僕だけよ。

ジジッ
「これから現地に向かいます、どうぞ」

 兄の眼がキラリーンと光る。嫌な予感しかしない。何をしようとしているのか?
「お兄ちゃん」
「うひゃ!? まなタン何してるの?」
 愛都は”まなタン?”と怪訝な顔をしたが、兄の言葉は華麗にスルーした。
「まなは二階に戻って」
「えー。お兄ちゃんが何するか教えてくれたら戻る」
「盗撮だ!」
 何故か腰に手をあて、威張っている。いや、犯罪だしと思っていると
「今から壁伝いにベランダに上がり、まなのお××ちんを盗撮しようと思う」
「ぶっ」
 愛都は兄の相変わらずのトチ狂いっぷりに吹いた。

「ちょっとまって、何でベランダから?」
「そりゃスリルを味わう為だ」
 いや、五百歩譲ってベランダからはいいとしても。”服着てたら見えなくない?”そう進言すると、兄は”スチャーン”とドヤ顔で赤外線スコープを取り出した。いやもう、普通に下半身出してたほうが早くない? と愛都は思っていた。
「さあ、早く戻って。あ、ちゃんとピンクのスケスケおパンティお忘れなく!」
 兄はグットラックと親指を立てるが、ただのクレイジーである。愛都はしぶしぶ家に戻ったのだった。

「お兄ちゃんの変態趣味に付き合うのも楽じゃないね」
 愛都はスケスケおパンティを履く為にズボンを脱ぎ始めのだが。
「あっ!」
 ズボンのチャックにニットが引っかかってしまう。慌てた愛都は上も脱ぐことにした。いつの間にか愛都は全裸に。
「早く服着ないと、お兄ちゃん来ちゃう」
 全裸の愛都は慌てすぎて、スケスケおパンティの中央部に足が引っかかり仰向けにすっころんだ。
「あわわ」
 愛都は足を大きく開いた状態で窓に向くようになってしまっている。つまり大事なところが丸見え。
「早く起きないと……」

「ま! まなああああああ!」
 そこへ、トチ狂ったあの人が飛び込んできた。
「お、俺を待ちわびて?! ぷるるんって」
「え? お兄ちゃん?」
「こんな卑猥なカッコで大サービスを? まなあああああ!」
「ひいいいい」
 兄は愛都の股間に食らいついた。キチガイである。
「おパンティも履かずにM字開脚で待っているなんて」

 誤解を解こうとしたが。
「あッ……吸っちゃだめえッ」
「まな可愛い、たまんない」
 排水管を辿ってベランダに上がりこみ、弟の股間にむしゃぶりつくド変態。
「お兄ちゃんッ」
 どうやら、おパンティを履く余裕はなさそうである。
「可愛いお×××ん最高。ほらちょっとずつ元気になっ……ぐふッ」
「細かく解説しなくていいから!」
 恥ずかしくなった愛都は、兄の腹に一発食らわす。
「まなは、恥ずかしがり屋さんなんだから」

「ああっ。可愛いピンクのおアナルが見えてきたよお」
「んんッ」
 片手にスケスケおパンティを握りしめたまま、全裸で兄にやりたい放題される、このド変態状況はどうなのと愛都は思っていたが。蕾をペロペロチュパチュパされ始めるとそれどころではなくなり、一層おパンティを握りしめた。

「拡げちゃうよお」
「お兄ちゃんッ、背中痛いからベッドがいいッ」
「おおっと……夢中だった」
 なんとか要望を通しベッドに乗り上げたが、即M字開脚を要請される。なんとも忙しい。兄は愛都の腰を持ち上げると再び蕾をペロペロチュパチュパしはじめた。
「ああッ……可愛いっ……最高!」
 いちいち感想を口にしないといられないようで、感想と煩悩と変態が入り交じった発言を繰り返す兄。
「そろそろ、愛都の可愛いここに押し入りたい次第であります!」

──そんな意思表明されても……。

 笑いそうになるのを耐えつつ、たっぷりのジェルと共に兄の指が差し込まれるのを息を潜めて待っていた。
「あああッ」
 兄の指が入ってくる瞬間、より一層おパンティを握りしめた。そう言えば病院では麻酔なしで縫われたりする時、タオル渡されるよねと思いながら。
「あッ♡」
 初エッチも終え、身体が快感を覚えつつある。
「まなの小さいお×××んもナメナメしてあげる」

──いちいち“小さい”が余計だッ。

「あー可愛いッ! 小さいお×××ん♡……ぐはッ」
「やかましい!」
 愛都は兄の腹に一発食らわした。
「まなったら、ホントに激しいんだから」
 当然ながら、兄は反省などしていなかった。

「まな、俺のビックマグナムが小さなおアナルに入っていくよ。ただいまって」
「んんッ!」
 確かにビックだが、世界一の早漏である。そして絶倫。
「まなッ。ダメだよ締め付けたら。発射しちゃうだろ!」
 入れただけでイクとか。毎度の事ながら早すぎる。
「多少の締め付け我慢してよ」
「多少って……ああ、最高。天国へのカウントダウ……」
「早いから!」
 腰も振らないうちから、どうやら天国へイク気らしい。しかし、そうは問屋が卸さない。愛都は兄の耳を引っ張り気を削いでみた。これですこしは持つはず。

「お兄ちゃん腰振ってよ、早くう」
「おねだり上手なんだから」
 長持ちするように兄の耳を洗濯ばさみで挟んでみた。イケメンの兄が両耳に洗濯ばさみをつけ、腰を振るさまは中々シュールだ。しかし目を閉じれば気にならない。
「んんッ…気持ちいッ……そこッ」
 腰をもぞもぞさせると、がしっと両手で腰を押さえつけられた。
「イッちゃうだろ!」
「縛りが多すぎるよ」
 兄の腕にも洗濯ばさみを挟んでみた。多少痛い方が我慢できるだろうと踏んで。かなりシュールな仕上がりだ。
「はあッ……いいッ」
 今度は段々気持ちよくなってきた。先にイケそうである。
「お兄ちゃん、僕のお×××んくちゅくちゅしてぇ」
「ぬあっ! なんてエッチなこと言うんだイッちゃったじゃないか」
 どうあっても先にイクらしい。

「どうでもいいから、早くくちゅくちゅしながら腰振ってよ」
 無理矢理自分自身を兄に握らせると、愛都は自分で腰を振り始めた。もう半ば強制的に。兄をもっと調教しなければと、気持ちを新たにする愛都であった。

「あっ……まなの小さなお×××ん可愛いッ最高!」
「やかましい!」
「ぐはっ」
 兄の調教は続く。
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