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2021’4
月詠の鏡と劔 大江戸月想奇譚
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猫野たま 様作
【あらすじ引用】
時は江戸時代の初期辺り。場所は大江戸浅草浅草寺(せんそうじ)そこから、物語は始まる。
古き月の他に新しき月があらわれ、江戸の町に不安があふれる。月詠という新しい月から生まれ落ちた存在に、里を抜けた伊賀の天才忍者才蔵は命を救われる。
次々と現れる個性の強いキャラクターたち。柳生家の双子、宗冬(むねふゆ)と宗春(むねはる)。天才陰陽師、土御門泰誠(つちみかどやすまさ)。そして、何処からか現れた古き四神(ししん)……青龍、朱雀、白虎、玄武。
彼らが時に競い合い、時に対立し、時に力を合わせて、襲いかかる様々な怪異に立ち向かっていく。
月詠が持つ抗いようがない力、仲間が増え、やがて……それは、大きなうねりとなる。
【物語は】
浅草寺の参道にて、人々が口々に不安の声を漏らすところから展開されていく。人々の不安の元凶は、一か月前には点ほどの大きさだったはずの月のようなものである。今では、元の月よりも大きくなってしまった。それほどに近づいてきており、落ちてくるのではないかと人々の不安を煽っていた。
それを忌々しいと感じる主人公の一人、”伊賀の天才忍者”である才蔵。
その理由は、二つ目の月が出て来てからというもの、自身の商売に影響が出ている為だと思われる。
才蔵はある事情から追われていた。この時、彼は自分に向けられている二つの視線に気づく。その片方に、彼は目を付け利用することにしたのだった。ある、目的の為に。
注:この物語は多視点で展開されている。なので群像劇の可能性がある為、”才蔵”を主人公の一人と表記させていただいております。
群像劇は全員が主人公の時と、主人公と取り巻く人々の場合がある為。
(十九話まで読了にての解釈です)
【世界観・舞台・物語の魅力】
まず江戸らしさを感じさせる表現がふんだんに使われており、タイムスリップしたような錯覚に陥る。表現に拘りを持たせていると感じるが、地の文、会話文ともに読みやすく、解釈や内容が難しいと感じることが無い。とても不思議なバランスの物語だと感じる。表現には古語を使用しているが、それ以外の部分は現代文で書かれている為だと思われる。
才蔵はわざと騒ぎを起こし、ある侍と接触している。このことが後にどう関係してくるのだろうか。侍のほうはこの時、主人公が自分を訪ねてくると予見している。何故予見できたのか、この時点では分らない。その予見はまもなく現実のものとなる。
侍と別れた後、才蔵は一人茶屋に寄る。そこで耳にした声は幻聴だったのだろうか。彼の素性が声とともに回想によって明かされていく。
一体、この声の主は何者なのか。この後、才蔵は追手によって命を奪われそうになるり、声の主が何者なのかも判明する。
ここで江戸とファンタジーという組み合わせが、どんなものなのか見えてくるのだ。とても面白い展開であり、意外性を感じた。
声の主と才蔵たちの繋がりが分かるのは、ある夢。そこで才蔵らは、自分たちの使命を見いだすこととなるのだ。夢は彼らとどう関係していくのだろうか。とても興味深い展開である。
【登場人物の魅力】
夢によって彼らの繋が判明するまでは、それぞれが事情を抱えており、どう繋がるのか分からない状態である。しかし”声”という伏線がある。主人公の一人である才蔵は、その声に気を取られ追手に見つかってしまうのだ。
結果として、声の主である”月詠”に助けられ、浅草寺の参道にて出逢った侍の屋敷に連れていかれることとなるのだが。
ここで侍側の視点となり、彼らの事情も分かって来る。
月詠と彼らの関係は一体なんだろうか。
不思議に思いながら読み進めると、才蔵は生死を彷徨う中、ある夢を見る。それはとても不思議な夢であり、月詠の素性とも言えるものであった。それにより、この三人は出逢うべくして出逢い、運命に導かれたように集まっているのだと感じた。
立場も身分も違う彼ら。夢の内容により、当然四人目もここに集まるのは予想できる。時期は分からずとも。彼らは、月より生まれた月詠を中心として集まったのだ。
月詠の素性と共に明かされる四人と、月詠を中心に集まった四人には何らかの繋がりが持たされている。そして主要四人の背景についても、丁寧に描かれている為、物語に厚みがあると感じた。事情と現状が複雑に絡み合い、今後どのように展開されていくのかとても楽しみである。
【物語のみどころ】
まずは江戸らしさを醸し出すための工夫がなされているところが見どころの一つ。古語が使われているものの、現代文との組み合わせにより絶妙なバランスが保たれている。表現には江戸らしさを感じるのにとても読みやすく、理解し易いのである。そして。物語自体にも工夫がなされている。
身分などが分かりやすく、主要な四人 (十九話時点での主要人物の人数である)は立場が違う。身分なども違い、性格も違う為に覚えやすいという特徴を持つ。そして彼らは美しい月詠に魅了されており、自ら彼女を守ろうとするのだ。竹取物語のかぐや姫をイメージさせるものの、内容は全く違う。ただし、イメージを持たせることが出来るため、とても分かりやすいと言えるのではないだろうか。
主要人物の背景が分かるところも、見どころの一つ。月詠に出逢う前の彼らには、それぞれ抱える問題があったという事である。彼らは、その問題をどう解決していくのだろうか。そして、この先どうなっていくのだろうか。
あなたもお手に取られてみませんか?
月から生まれた少女、月詠を巡る物語の結末を、ぜひその目で確かめてみてくださいね。この先彼らに、一体何が待ち受けているのだろうか?
お奨めです。
【あらすじ引用】
時は江戸時代の初期辺り。場所は大江戸浅草浅草寺(せんそうじ)そこから、物語は始まる。
古き月の他に新しき月があらわれ、江戸の町に不安があふれる。月詠という新しい月から生まれ落ちた存在に、里を抜けた伊賀の天才忍者才蔵は命を救われる。
次々と現れる個性の強いキャラクターたち。柳生家の双子、宗冬(むねふゆ)と宗春(むねはる)。天才陰陽師、土御門泰誠(つちみかどやすまさ)。そして、何処からか現れた古き四神(ししん)……青龍、朱雀、白虎、玄武。
彼らが時に競い合い、時に対立し、時に力を合わせて、襲いかかる様々な怪異に立ち向かっていく。
月詠が持つ抗いようがない力、仲間が増え、やがて……それは、大きなうねりとなる。
【物語は】
浅草寺の参道にて、人々が口々に不安の声を漏らすところから展開されていく。人々の不安の元凶は、一か月前には点ほどの大きさだったはずの月のようなものである。今では、元の月よりも大きくなってしまった。それほどに近づいてきており、落ちてくるのではないかと人々の不安を煽っていた。
それを忌々しいと感じる主人公の一人、”伊賀の天才忍者”である才蔵。
その理由は、二つ目の月が出て来てからというもの、自身の商売に影響が出ている為だと思われる。
才蔵はある事情から追われていた。この時、彼は自分に向けられている二つの視線に気づく。その片方に、彼は目を付け利用することにしたのだった。ある、目的の為に。
注:この物語は多視点で展開されている。なので群像劇の可能性がある為、”才蔵”を主人公の一人と表記させていただいております。
群像劇は全員が主人公の時と、主人公と取り巻く人々の場合がある為。
(十九話まで読了にての解釈です)
【世界観・舞台・物語の魅力】
まず江戸らしさを感じさせる表現がふんだんに使われており、タイムスリップしたような錯覚に陥る。表現に拘りを持たせていると感じるが、地の文、会話文ともに読みやすく、解釈や内容が難しいと感じることが無い。とても不思議なバランスの物語だと感じる。表現には古語を使用しているが、それ以外の部分は現代文で書かれている為だと思われる。
才蔵はわざと騒ぎを起こし、ある侍と接触している。このことが後にどう関係してくるのだろうか。侍のほうはこの時、主人公が自分を訪ねてくると予見している。何故予見できたのか、この時点では分らない。その予見はまもなく現実のものとなる。
侍と別れた後、才蔵は一人茶屋に寄る。そこで耳にした声は幻聴だったのだろうか。彼の素性が声とともに回想によって明かされていく。
一体、この声の主は何者なのか。この後、才蔵は追手によって命を奪われそうになるり、声の主が何者なのかも判明する。
ここで江戸とファンタジーという組み合わせが、どんなものなのか見えてくるのだ。とても面白い展開であり、意外性を感じた。
声の主と才蔵たちの繋がりが分かるのは、ある夢。そこで才蔵らは、自分たちの使命を見いだすこととなるのだ。夢は彼らとどう関係していくのだろうか。とても興味深い展開である。
【登場人物の魅力】
夢によって彼らの繋が判明するまでは、それぞれが事情を抱えており、どう繋がるのか分からない状態である。しかし”声”という伏線がある。主人公の一人である才蔵は、その声に気を取られ追手に見つかってしまうのだ。
結果として、声の主である”月詠”に助けられ、浅草寺の参道にて出逢った侍の屋敷に連れていかれることとなるのだが。
ここで侍側の視点となり、彼らの事情も分かって来る。
月詠と彼らの関係は一体なんだろうか。
不思議に思いながら読み進めると、才蔵は生死を彷徨う中、ある夢を見る。それはとても不思議な夢であり、月詠の素性とも言えるものであった。それにより、この三人は出逢うべくして出逢い、運命に導かれたように集まっているのだと感じた。
立場も身分も違う彼ら。夢の内容により、当然四人目もここに集まるのは予想できる。時期は分からずとも。彼らは、月より生まれた月詠を中心として集まったのだ。
月詠の素性と共に明かされる四人と、月詠を中心に集まった四人には何らかの繋がりが持たされている。そして主要四人の背景についても、丁寧に描かれている為、物語に厚みがあると感じた。事情と現状が複雑に絡み合い、今後どのように展開されていくのかとても楽しみである。
【物語のみどころ】
まずは江戸らしさを醸し出すための工夫がなされているところが見どころの一つ。古語が使われているものの、現代文との組み合わせにより絶妙なバランスが保たれている。表現には江戸らしさを感じるのにとても読みやすく、理解し易いのである。そして。物語自体にも工夫がなされている。
身分などが分かりやすく、主要な四人 (十九話時点での主要人物の人数である)は立場が違う。身分なども違い、性格も違う為に覚えやすいという特徴を持つ。そして彼らは美しい月詠に魅了されており、自ら彼女を守ろうとするのだ。竹取物語のかぐや姫をイメージさせるものの、内容は全く違う。ただし、イメージを持たせることが出来るため、とても分かりやすいと言えるのではないだろうか。
主要人物の背景が分かるところも、見どころの一つ。月詠に出逢う前の彼らには、それぞれ抱える問題があったという事である。彼らは、その問題をどう解決していくのだろうか。そして、この先どうなっていくのだろうか。
あなたもお手に取られてみませんか?
月から生まれた少女、月詠を巡る物語の結末を、ぜひその目で確かめてみてくださいね。この先彼らに、一体何が待ち受けているのだろうか?
お奨めです。
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