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2021’5
君と旅をするために
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ナナシマイ 様作
【あらすじ引用】
「お前は、魔力を暴走させるだけの危険物だ」
赤い髪を持って生まれた子供は“忌み子”と呼ばれ、
魔力を上手く操れない危険な存在として
人々に忌避されていました。
その忌み子でありながら、
魔法が大好きで、魔法使いとして生きる少女 リル。
彼女は、剣士の少年 フレッドとともに旅をしています。
楽しいことにも、危険なことにも出会う中で、
次第に明らかになっていく旅の目的。
そして、リルの抱える秘密とは――――
これは、とある小さな魔法使いの、後悔をたどる物語。
【物語は】
”気”で満たされた世界。
そして気とは何であるのか、その説明から始まっている。
この世界では”気”というものがとても大切であり、人を含める生き物はそれを利用することができるのだ。この物語は、人間と魔物が存在する世界で、魔法使いとして生きる少女の旅を描いている。その旅の目的とは一体なんだろうか?
【登場人物の魅力】
魔法使いである主人公は少し心配になってしまう部分もあるが、性格が素直であり、一所懸命な印象がある。そして彼女と一緒に旅をしている男の子は、しっかり者で現実主義。性格や気質などのバランスの良い二人であると感じた。
何故、二人だけで旅をしているのか。
その理由はとてもシンプルだ。
だが、まだ何か謎があるようにも感じてしまう。
主人公はこの世界では、忌み子と呼ばれる存在。話しを読み進めていくと、昔よりは扱いが随分マシではあるが、完全に差別がないわけではない。
しかし主人公は一緒に旅をするフレッドのお陰なのか、とても明るく見える。調合をする日と普段の時の、寝起きの良さが違うなど、魔法が大好きだということが分かりやすく、可愛らしい性格だと感じた。彼女はきっと、表に出さないだけで、何かを抱えているに違いないとも思う。
この物語の面白さの一つに、主人公の優秀さがある。一見ふわっとしているように見える部分もあるが、魔法使いとしてはかなり優秀。
旅を続けるためには、宿代や食事代などを稼げなければならない。当然のことだが、その能力があるからこそ、子供二人だけで旅が続けられるのだと納得がいく。実際どのように稼いでいるのかも丁寧に描かれており、その内容からは納得する部分が多い。
【世界観・舞台・物語の魅力】
この物語は優しい世界でもあるが、混沌としている部分も当然ある。子供二人で旅をしている主人公たちにとっては、危険がつきもの。
そんな中、情報を集めつつ旅をしているようだ。
一話の前後編では、どんな風に旅を続けているのか。また、この世界でのエチケットなども知ることが出来る。この物語の設定は、とても面白い。
調合の部分では設定が細かく、説明文という形ではなく、主人公の行動描写などで作り方が明かされていく。
ある花の調合の場面を用いてどんな属性があるのか、どのような魔法がこの世界に存在するのかも、垣間見ることが出来る。
【差別とリアリティについて】
多様性や差別において見られる、リアリティと世界観の絶妙なバランス。これがとても素晴らしい。
忌み子とは恐らく、差別を受ける存在である。現実世界にも差別は存在するが、全ての人間が差別的な意識を持って生きているわけではない。
この物語の中でも、主人公に対し暴言を吐く人物はいる。しかし一方で、彼女の実力を認め、他の人に紹介をしてくれるような人物もいるのだ。
人間は自分に害がなければ、差別意識が前面に出ることはない。害と言っても一概に、何かをされるとは限らないが。
そういう部分において、この物語に出てくる人物たちは、とてもナチュラルであり、人間らしいと感じた。
【この物語の見どころ】
この物語は魔法を中心として細かい設定がなされており、忌み子であることも活かされている。もちろん二人で旅をすることに、意義も意味も感じる物語だ。主人公の一人旅では成り立たないと感じた。すなわち、必然性で成り立っている物語だと言えるのではないだろうか。
優しい世界観でありながら、人が人を疑う世界。それは主人公が忌み子だから疑われているのか、魔法使いだからなのか、それとも子供だからなのか。これについては、読了部分ではまだ判断がつき辛い。
この旅の中で主人公とフレッドには、信頼し合い、互いを必要としていると感じる部分がたくさんある。二人の絆を感じる物語だ。
二人で旅をしている理由は序盤に明らかにはなるが、旅の目的はまだ明らかにはなっていない。主人公の抱える秘密とは一体なんなのか?
あなたもお手に取られてみませんか?
”人を疑う”というモチーフは、通常ならあまり良い展開を期待できないものです。しかし、この物語は違う。それさえ活かされている。例えば、”対策”として面白く感じてしまう部分もある。
果たして、この旅の終わりには、何が待ち受けているのでしょうか?
ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。
【あらすじ引用】
「お前は、魔力を暴走させるだけの危険物だ」
赤い髪を持って生まれた子供は“忌み子”と呼ばれ、
魔力を上手く操れない危険な存在として
人々に忌避されていました。
その忌み子でありながら、
魔法が大好きで、魔法使いとして生きる少女 リル。
彼女は、剣士の少年 フレッドとともに旅をしています。
楽しいことにも、危険なことにも出会う中で、
次第に明らかになっていく旅の目的。
そして、リルの抱える秘密とは――――
これは、とある小さな魔法使いの、後悔をたどる物語。
【物語は】
”気”で満たされた世界。
そして気とは何であるのか、その説明から始まっている。
この世界では”気”というものがとても大切であり、人を含める生き物はそれを利用することができるのだ。この物語は、人間と魔物が存在する世界で、魔法使いとして生きる少女の旅を描いている。その旅の目的とは一体なんだろうか?
【登場人物の魅力】
魔法使いである主人公は少し心配になってしまう部分もあるが、性格が素直であり、一所懸命な印象がある。そして彼女と一緒に旅をしている男の子は、しっかり者で現実主義。性格や気質などのバランスの良い二人であると感じた。
何故、二人だけで旅をしているのか。
その理由はとてもシンプルだ。
だが、まだ何か謎があるようにも感じてしまう。
主人公はこの世界では、忌み子と呼ばれる存在。話しを読み進めていくと、昔よりは扱いが随分マシではあるが、完全に差別がないわけではない。
しかし主人公は一緒に旅をするフレッドのお陰なのか、とても明るく見える。調合をする日と普段の時の、寝起きの良さが違うなど、魔法が大好きだということが分かりやすく、可愛らしい性格だと感じた。彼女はきっと、表に出さないだけで、何かを抱えているに違いないとも思う。
この物語の面白さの一つに、主人公の優秀さがある。一見ふわっとしているように見える部分もあるが、魔法使いとしてはかなり優秀。
旅を続けるためには、宿代や食事代などを稼げなければならない。当然のことだが、その能力があるからこそ、子供二人だけで旅が続けられるのだと納得がいく。実際どのように稼いでいるのかも丁寧に描かれており、その内容からは納得する部分が多い。
【世界観・舞台・物語の魅力】
この物語は優しい世界でもあるが、混沌としている部分も当然ある。子供二人で旅をしている主人公たちにとっては、危険がつきもの。
そんな中、情報を集めつつ旅をしているようだ。
一話の前後編では、どんな風に旅を続けているのか。また、この世界でのエチケットなども知ることが出来る。この物語の設定は、とても面白い。
調合の部分では設定が細かく、説明文という形ではなく、主人公の行動描写などで作り方が明かされていく。
ある花の調合の場面を用いてどんな属性があるのか、どのような魔法がこの世界に存在するのかも、垣間見ることが出来る。
【差別とリアリティについて】
多様性や差別において見られる、リアリティと世界観の絶妙なバランス。これがとても素晴らしい。
忌み子とは恐らく、差別を受ける存在である。現実世界にも差別は存在するが、全ての人間が差別的な意識を持って生きているわけではない。
この物語の中でも、主人公に対し暴言を吐く人物はいる。しかし一方で、彼女の実力を認め、他の人に紹介をしてくれるような人物もいるのだ。
人間は自分に害がなければ、差別意識が前面に出ることはない。害と言っても一概に、何かをされるとは限らないが。
そういう部分において、この物語に出てくる人物たちは、とてもナチュラルであり、人間らしいと感じた。
【この物語の見どころ】
この物語は魔法を中心として細かい設定がなされており、忌み子であることも活かされている。もちろん二人で旅をすることに、意義も意味も感じる物語だ。主人公の一人旅では成り立たないと感じた。すなわち、必然性で成り立っている物語だと言えるのではないだろうか。
優しい世界観でありながら、人が人を疑う世界。それは主人公が忌み子だから疑われているのか、魔法使いだからなのか、それとも子供だからなのか。これについては、読了部分ではまだ判断がつき辛い。
この旅の中で主人公とフレッドには、信頼し合い、互いを必要としていると感じる部分がたくさんある。二人の絆を感じる物語だ。
二人で旅をしている理由は序盤に明らかにはなるが、旅の目的はまだ明らかにはなっていない。主人公の抱える秘密とは一体なんなのか?
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”人を疑う”というモチーフは、通常ならあまり良い展開を期待できないものです。しかし、この物語は違う。それさえ活かされている。例えば、”対策”として面白く感じてしまう部分もある。
果たして、この旅の終わりには、何が待ち受けているのでしょうか?
ぜひ、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。
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