【完結】君のことなんてもう知らない

ぽぽ

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ある日の昼休み。琥珀が両脇に女友達を引き連れて歩いていると慶也の彼女の美沙を見かけた。
周りから可愛いと美人と持て囃される琥珀でさえも、美沙の容姿は美しいと思う。透き通った艶のある黒髪に上品な顔立ち。学業でも成績もいいというところが尚、いけすかない。


「あ、琥珀くん
こんにちは」


琥珀に気づいた美沙は手を振るが、琥珀はきつく睨みつける。おとなしそうなふりをして慶也に無理やりペアリングを渡して周りを牽制していると琥珀は考え、女でなければビンタの1つでもかましたかったとさえ思ってしまった。
首元には慶也とお揃いのネックレスがかかっていていっそのことあんなの教師に没収でもされてしまえと強く念を送る。

美沙をずっと睨みつける琥珀の様子を見て、腕に手を回していた女友達が耳打ちをしてくる。


「こはちゃん、無視していいの?」

「いいんだよ、俺は見抜いてるからな
あいつが性格悪いこと。慶也の前では絶対猫かぶってる。」

「ふうん、でも確かにあの子はミステリアスな感じするもんね。内心では何を考えているかわかんないかも。こはちゃんは内心で考えてることすぐわかるもんね」

「それって褒めてんの?」

「褒めてるに決まってるじゃん
こはちゃんはそういうところも踏まえて可愛いよ」


周りに可愛いとか美人と言われるのは嫌だが、小さな頃から母に女の子に手をあげるようなことは絶対にするなと言われたため、いくらむかつこうと女には暴力は振るわないと誓っている。

そのため、いくら女子たちに可愛いとか美人と言われようが無視を決め込んでいるのだ。
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