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第2部 7幕
インターハイ3回戦ー山城高校ー28
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山高のファウルで、俺はフリースロー3本。これから打つというタイミングで、山城高校がタイムアウトをとる。
山城高校のプレーが乱れていること。選手を少しでも休ませること。通常はそういった意味でタイムアウトをとる。実は、タイムアウトをとる目的は、心理作戦も兼ねている。
フリースローを打つタイミング。ここで、タイムアウトをとると、自分のリズムを崩されるときがある。これも立派な心理戦。
山城高校のタイムアウトは、明らかにリズムを崩すため。
俺はリズムを崩さないように、フリースローの感覚を確かめた。ここのフリースローは大事だ。あとから、ボディーフローのように響いてくる。
1分のタイムアウトが終了した。
俺はフリースローの準備をする。
ゆっくりとした動作で、シュートを放つ。
1本目、フリースロー成功。
2本目のフリースローも成功。
3本目。一度、間を置いて、心を落ち着かせる。
膝を柔らかく曲げてシュートを放つ。ボールはちょっと高めだが、アーチを描いている。少し、アーチが長くなってしまったか。
ボールはボードに当たってから、リングの中へ入っていった。
3本目のフリースローも成功。
フリースロー3本決められたのは大きい。結局、スリーポイントシュートを放ったことと同じ。
山城高校はすぐにオフェンスに切り替えていた。思うようなプレーができていないためか、表情は暗い。声も出ていない。精神的にもかなりの影響している。
山城高校には悪いが、城伯高校からするとチャンスだ。チームとして乱れているから、オフェンスも崩れていく。
山城高校のオフェンス。
ボールを持っているのは、三井だ。ゆっくりドリブルをして周囲を見渡す。なかなかパスを出せる雰囲気ではない。
このまま、走り抜けてゴールまで行きたい。三井の頭の中には、ドライブからのシュートという考えがある。
三井についている貴も同じことを思う。三井がドライブしてくると読んでいた。
三井は低く速いドリブルをして、貴を抜いていこうとする。
「負けない」
三井は貴の体に当てにいくようにして走る。
貴はすぐに足を動かし、三井を行かせない。さらに慧も三井につく。
ダブルチームにされてしまい、貴は全く進むことができなかった。半ば強引にターンをして、シュートに踏み切った。
「これは無理だ!」
鈴野は強引に行く三井を見て、止めようと叫ぶ。
既に遅かった。三井はシュートを放っていた。
当然、入るわけがない。
リバウンドを取ったのは慧だ。
智樹は、慧のリバウンドを確認した。同時に素早くゴール下まで移動する。手を大きく振って、慧にアピール。
慧は片手で智樹にパスをする。
智樹は慧からのパスを受け取ると、レイアップシュートを決めてみせた。
ボールをリングに置いてくる動作は柔らかなタッチだ。力が入っていない。軽くシュートしているようにも見える。
4クォーターも残り1分切った。
速く攻めたい山城高校は、すぐにコートにボールを入れる。
山高は素早くドリブルで、城伯高校の陣地までボールを運んでいく。山高はゲームを止めることなく、スリーポイントシュートを放つ。
スリーポイントは決まらなかった。エアーボール。リングに当たることもなく、外れた。
リバウンドをとったのは、戸倉だ。そのまま、ボールをボードに当ててシュートを決めた。タップシュートだ。
城伯高校のオフェンス。城伯高校としては、時間を使ってオフェンスをしたい。
俺はゆっくりとドリブルをして、時間が過ぎるのを待つ。24秒ルールがあるので、24秒ギリギリでプレーをしても構わない。
あと4秒というところで、慧にパスを出す。
慧は1秒待ってから、シュートを放つ。ジャンプシュート。ボールは、リングの中へ入ると思わせておいて、嫌われてしまった。
試合終了まで残り14秒。勝利は、ほぼ決まりだ。
山城高校も決まったとわかっていて、もう攻撃はしない。戸倉が、ドリブルをゆっくりやっている。足を動かすことはしない。
ピピ―ッ
笛の音がする。試合終了。
109-98
城伯高校の勝利で幕を閉じる。
山城高校のバスケ部が、ベンチも含めて、全員で城伯高校に拍手を送った。
「楽しい試合だったな。ありがとう」
山高が俺に手を差し出す。
俺は握手をして笑顔で返した。
「あぁ、楽しかった。また、勝負したいな」
城伯高校と山城高校はお互いにお辞儀をして、コートを後にする。
まだ、対戦相手はわからないが、城伯高校は準々決勝へ駒を進めることになった。
山城高校のプレーが乱れていること。選手を少しでも休ませること。通常はそういった意味でタイムアウトをとる。実は、タイムアウトをとる目的は、心理作戦も兼ねている。
フリースローを打つタイミング。ここで、タイムアウトをとると、自分のリズムを崩されるときがある。これも立派な心理戦。
山城高校のタイムアウトは、明らかにリズムを崩すため。
俺はリズムを崩さないように、フリースローの感覚を確かめた。ここのフリースローは大事だ。あとから、ボディーフローのように響いてくる。
1分のタイムアウトが終了した。
俺はフリースローの準備をする。
ゆっくりとした動作で、シュートを放つ。
1本目、フリースロー成功。
2本目のフリースローも成功。
3本目。一度、間を置いて、心を落ち着かせる。
膝を柔らかく曲げてシュートを放つ。ボールはちょっと高めだが、アーチを描いている。少し、アーチが長くなってしまったか。
ボールはボードに当たってから、リングの中へ入っていった。
3本目のフリースローも成功。
フリースロー3本決められたのは大きい。結局、スリーポイントシュートを放ったことと同じ。
山城高校はすぐにオフェンスに切り替えていた。思うようなプレーができていないためか、表情は暗い。声も出ていない。精神的にもかなりの影響している。
山城高校には悪いが、城伯高校からするとチャンスだ。チームとして乱れているから、オフェンスも崩れていく。
山城高校のオフェンス。
ボールを持っているのは、三井だ。ゆっくりドリブルをして周囲を見渡す。なかなかパスを出せる雰囲気ではない。
このまま、走り抜けてゴールまで行きたい。三井の頭の中には、ドライブからのシュートという考えがある。
三井についている貴も同じことを思う。三井がドライブしてくると読んでいた。
三井は低く速いドリブルをして、貴を抜いていこうとする。
「負けない」
三井は貴の体に当てにいくようにして走る。
貴はすぐに足を動かし、三井を行かせない。さらに慧も三井につく。
ダブルチームにされてしまい、貴は全く進むことができなかった。半ば強引にターンをして、シュートに踏み切った。
「これは無理だ!」
鈴野は強引に行く三井を見て、止めようと叫ぶ。
既に遅かった。三井はシュートを放っていた。
当然、入るわけがない。
リバウンドを取ったのは慧だ。
智樹は、慧のリバウンドを確認した。同時に素早くゴール下まで移動する。手を大きく振って、慧にアピール。
慧は片手で智樹にパスをする。
智樹は慧からのパスを受け取ると、レイアップシュートを決めてみせた。
ボールをリングに置いてくる動作は柔らかなタッチだ。力が入っていない。軽くシュートしているようにも見える。
4クォーターも残り1分切った。
速く攻めたい山城高校は、すぐにコートにボールを入れる。
山高は素早くドリブルで、城伯高校の陣地までボールを運んでいく。山高はゲームを止めることなく、スリーポイントシュートを放つ。
スリーポイントは決まらなかった。エアーボール。リングに当たることもなく、外れた。
リバウンドをとったのは、戸倉だ。そのまま、ボールをボードに当ててシュートを決めた。タップシュートだ。
城伯高校のオフェンス。城伯高校としては、時間を使ってオフェンスをしたい。
俺はゆっくりとドリブルをして、時間が過ぎるのを待つ。24秒ルールがあるので、24秒ギリギリでプレーをしても構わない。
あと4秒というところで、慧にパスを出す。
慧は1秒待ってから、シュートを放つ。ジャンプシュート。ボールは、リングの中へ入ると思わせておいて、嫌われてしまった。
試合終了まで残り14秒。勝利は、ほぼ決まりだ。
山城高校も決まったとわかっていて、もう攻撃はしない。戸倉が、ドリブルをゆっくりやっている。足を動かすことはしない。
ピピ―ッ
笛の音がする。試合終了。
109-98
城伯高校の勝利で幕を閉じる。
山城高校のバスケ部が、ベンチも含めて、全員で城伯高校に拍手を送った。
「楽しい試合だったな。ありがとう」
山高が俺に手を差し出す。
俺は握手をして笑顔で返した。
「あぁ、楽しかった。また、勝負したいな」
城伯高校と山城高校はお互いにお辞儀をして、コートを後にする。
まだ、対戦相手はわからないが、城伯高校は準々決勝へ駒を進めることになった。
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