109 / 224
第2部 3幕
インターハイ予選決勝ー徳丸高校ー7
しおりを挟む
俺は拓斗と交代した。
梅木の挑発に乗ってしまい、カチンときた拓斗は、ひとりプレーを続けてしまった。それがマイナスのプレーになり、確実に決められるシュートも入らない状態だった。
そんなとき、高宮コーチにしては、珍しく厳しい顔で拓斗に告げていた。
「何故、ベンチに下げたのか考えてみろ」
拓斗は悔しさをにじませる。何故、拓斗のプレーがダメだったのか、自分では、まだ、理解できない表情のまま、拳を握っていた。
「納得できない」
拓斗はボソッと呟いていたが、コートに立った俺には聞こえなかった。
城伯高校はディフェンス。梅木は拓斗が交代しても全然平気だという顔だ。
梅木は横野にパスを入れる。
梅木のパスをもらった横野は、すぐにゴールへと向きを変えて、シュート態勢に入る。
横野がシュートをしようとしたとき、貴がすかさず、ボールを叩こうとした。
タイミングが合ってしまったのか、ズレたのか、わからない。横野のシュートは外れた。
ボールが宙を舞う。
「リバウンド!」
俺が叫んだ。
慧がリバウンドを取ろうと奮闘する。
ただ、それよりも早く反応してボールを奪ったのは、アーノルド。アーノルドは身長が200㎝。簡単にボールを奪うことができる。
ボールを奪ったアーノルドは、シンプルにジャンプシュートを決めた。
灯が素早くボールをコートの中へ入れる。
灯からボールを受け取った俺は、どんな戦略をするか考えるよりシンプルなプレーをしようと、智樹に、フリースローラインのところのスペースに来てくれと指示した。
また、智樹が、ドリブルでゴール下まで切り込むドライブをするという予測も経て、慧、貴にスリーポイントラインまで広がれと指示した。
そうすれば、たとえ、貴がシュートを打てなくても、灯のところにスペースが空く。
そして、俺も空くと瞬時に考えた。
「コートを広く使え」
俺は仲間に言うと、一斉に広く使おうと動き出し、スペースが空くようになってきた。
俺から貴にボールが渡ると、シュートを放つ。
シュートも打ちやすくなっている状況だったが、貴のシュートは惜しくも、リングに弾かれる。
そこに現れたのは、アーノルド。身長のあるアーノルドは、軽くジャンプしただけで、簡単にリバウンドできてしまう。
また、貴のシュートが外れたとき、アーノルドがリバウンドを取って、ロングパスを出し、スリーポイントラインにいた入間へとボールを渡した。
入間はスリーポイントシュートを狙った。
このシュートは、外れたものの、再び、アーノルドの手が伸びてきて、簡単にボールを取ってしまう。
「またか……」
慧と貴でアーノルドをマークし、ダブルチームを作る。
アーノルドにシュートをさせない。
「こっち」
アーノルドは、横野にそこにパスを出すと合図をした。
横野はアーノルドがパスしやすいように、フリースローより外側で、アーノルドの後ろへと移動する。同時にアーノルドキャッチすると、予測して横野は早めにボールから手を放した。
横野はボールのほうへ走り、しっかりキャッチするとジャンプシュートをする。
フリースローよりは遠いけれど、スリーポイントラインまではいかない、真ん中あたりで放った。ミドルシュートだ。
これもしっかり決めてくるのか。
俺は素早くシュートまで持っていこうと考えた。
「走れ!!」
今度こそ、素早いプレーをしたい!
俺はドリブルをして、センターラインまでボールを運び、慧がゴール下まで来たのを確認して、そのまま、慧へとパスをする。
慧は跳躍し、ボールをしっかりと受け取ると、そのまま、ダンクをした。
「よし! アリウープ!!」
貴は小さくこぶしを握り締め、ガッツボーズをした。
「そうだ、今のように素早いプレーができればチャンスはある」
ベンチから高宮コーチがフッと笑った。
梅木の挑発に乗ってしまい、カチンときた拓斗は、ひとりプレーを続けてしまった。それがマイナスのプレーになり、確実に決められるシュートも入らない状態だった。
そんなとき、高宮コーチにしては、珍しく厳しい顔で拓斗に告げていた。
「何故、ベンチに下げたのか考えてみろ」
拓斗は悔しさをにじませる。何故、拓斗のプレーがダメだったのか、自分では、まだ、理解できない表情のまま、拳を握っていた。
「納得できない」
拓斗はボソッと呟いていたが、コートに立った俺には聞こえなかった。
城伯高校はディフェンス。梅木は拓斗が交代しても全然平気だという顔だ。
梅木は横野にパスを入れる。
梅木のパスをもらった横野は、すぐにゴールへと向きを変えて、シュート態勢に入る。
横野がシュートをしようとしたとき、貴がすかさず、ボールを叩こうとした。
タイミングが合ってしまったのか、ズレたのか、わからない。横野のシュートは外れた。
ボールが宙を舞う。
「リバウンド!」
俺が叫んだ。
慧がリバウンドを取ろうと奮闘する。
ただ、それよりも早く反応してボールを奪ったのは、アーノルド。アーノルドは身長が200㎝。簡単にボールを奪うことができる。
ボールを奪ったアーノルドは、シンプルにジャンプシュートを決めた。
灯が素早くボールをコートの中へ入れる。
灯からボールを受け取った俺は、どんな戦略をするか考えるよりシンプルなプレーをしようと、智樹に、フリースローラインのところのスペースに来てくれと指示した。
また、智樹が、ドリブルでゴール下まで切り込むドライブをするという予測も経て、慧、貴にスリーポイントラインまで広がれと指示した。
そうすれば、たとえ、貴がシュートを打てなくても、灯のところにスペースが空く。
そして、俺も空くと瞬時に考えた。
「コートを広く使え」
俺は仲間に言うと、一斉に広く使おうと動き出し、スペースが空くようになってきた。
俺から貴にボールが渡ると、シュートを放つ。
シュートも打ちやすくなっている状況だったが、貴のシュートは惜しくも、リングに弾かれる。
そこに現れたのは、アーノルド。身長のあるアーノルドは、軽くジャンプしただけで、簡単にリバウンドできてしまう。
また、貴のシュートが外れたとき、アーノルドがリバウンドを取って、ロングパスを出し、スリーポイントラインにいた入間へとボールを渡した。
入間はスリーポイントシュートを狙った。
このシュートは、外れたものの、再び、アーノルドの手が伸びてきて、簡単にボールを取ってしまう。
「またか……」
慧と貴でアーノルドをマークし、ダブルチームを作る。
アーノルドにシュートをさせない。
「こっち」
アーノルドは、横野にそこにパスを出すと合図をした。
横野はアーノルドがパスしやすいように、フリースローより外側で、アーノルドの後ろへと移動する。同時にアーノルドキャッチすると、予測して横野は早めにボールから手を放した。
横野はボールのほうへ走り、しっかりキャッチするとジャンプシュートをする。
フリースローよりは遠いけれど、スリーポイントラインまではいかない、真ん中あたりで放った。ミドルシュートだ。
これもしっかり決めてくるのか。
俺は素早くシュートまで持っていこうと考えた。
「走れ!!」
今度こそ、素早いプレーをしたい!
俺はドリブルをして、センターラインまでボールを運び、慧がゴール下まで来たのを確認して、そのまま、慧へとパスをする。
慧は跳躍し、ボールをしっかりと受け取ると、そのまま、ダンクをした。
「よし! アリウープ!!」
貴は小さくこぶしを握り締め、ガッツボーズをした。
「そうだ、今のように素早いプレーができればチャンスはある」
ベンチから高宮コーチがフッと笑った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる