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結婚指輪喪失事件
5☆適材適所
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瑠香や晴房は神の依代であり、神の力や代々受け継ぐ能力を持っているので、陰陽師といえど神職に近く失せ物を探す能力に欠けていた。
「卜部さん、お願いできますか?よろしくお願いします…」
瑠香は居住まいを正すと深々と畳に手をつき頭を下げてお願いした。
「お願いされるようなものではないですよ。瑠香君の悩みが減ればそれでいい」
と言って微笑んでくれた。
卜部圭吾も三ヶ月間陰陽寮で仕事をしていた瑠香の妻である葛葉子の事をよく知っていた。
卜部はタロットカードを使って占った。
宮中の実務の仕事は一応十七時上がり、職務中にあそんでいるわけではない。
そして、これは趣味の範囲の占いだがよく当たると職員は知っているので、ワクワクして占いを見守る。
卜部はカードを束にし、十三枚更にカードを束を取り、その中に旅人のような絵柄のカードの愚者を混ぜる。
そこから円を書くように時計回りにカードを十二枚置いていく。
それは東西南北のどの方角に探しモノがあるか調べる占い方法だ。
そして、最後に円の真ん中に最後のカードを置く。
真ん中にあるならこの場にあるということだ。
占い結果は、真ん中に愚者のカードが現れた。
「て、事は陰陽寮にあるってことですか?」
李流は陰陽寮にいるなら何か簡単に占える物をしたくてタロットカードを卜部に教わっているのでそう訪ねた。
「陰陽寮にはないと思うのだが…」
瑠香は少し不服そうだった。
「宮中を真ん中に指すのだとおもいます。
そして、東南側に鎖に繋がれた、悪魔のカードがあります。腐れ縁や抜けられない契約などが当てはまります。宮中からそちらの方に指輪はあるとカードが伝えています」
いつもは弱々しい発音の卜部が、ハッキリと自身を持って言うのは確信があるからに違いないし、陰陽寮は占いのスペシャリストが集まる機関だ。
確実にそちらにあるという事だ。
「そっちだと…侍女寮だな」
と晴房が宮中の間取りを考えそう言った。
「侍女寮……」
瑠香は考え込む。
ルカの神は『縁を勝手に変えた代償だ』と言っていた。
縁を変えたことは有る…
自分につきまとった名前も忘れた侍女……
じつはその女だけではなく、数人変えてやった気がする……
「昨日話してた、記憶を変えた女のことじゃないのか?」
薫はピンときてそう言った。
「そう思うが…どうやって、家に入れたんだろうか……」
「遠い親戚かな…?」
うーん…と親子は家の留守中の出来事でもあるので不思議にも思った。
しかも窃盗事件でもある。
「侍女寮なら明日シフト表持っていきまつから、何か噂を聞いてみるでつよ!」
みんなの様子を見ていた阿倍野野薔薇はそう言った。
彼女は瑠香と晴房の親戚でもあり薫とは幼馴染の二十歳になる女性職員だ。
『す』を『つ』と言う少し変わった癖がある。
内掌典と陛下皇族方をお世話する侍女寮に野薔薇は占いの結果出た物忌みシフト表を渡しに行く。
それが陰陽寮唯一女性である野薔薇の仕事でもある。
野薔薇が就任す前は瑠香が私に行っていたときに何人かの侍女が、声をかけてきたのだった。
「お願いしてもいいかな?」
野薔薇は親戚の子供だが幼い頃から知っているので娘のように瑠香は思っている。
「はいっ!でつから、瑠香おじ様は心落ち着かさてくださいね?」
と言う事で、朝から瑠香の荒御魂に振り回された職員はホッとして今日の仕事を終わらせられたのだった。
「卜部さん、お願いできますか?よろしくお願いします…」
瑠香は居住まいを正すと深々と畳に手をつき頭を下げてお願いした。
「お願いされるようなものではないですよ。瑠香君の悩みが減ればそれでいい」
と言って微笑んでくれた。
卜部圭吾も三ヶ月間陰陽寮で仕事をしていた瑠香の妻である葛葉子の事をよく知っていた。
卜部はタロットカードを使って占った。
宮中の実務の仕事は一応十七時上がり、職務中にあそんでいるわけではない。
そして、これは趣味の範囲の占いだがよく当たると職員は知っているので、ワクワクして占いを見守る。
卜部はカードを束にし、十三枚更にカードを束を取り、その中に旅人のような絵柄のカードの愚者を混ぜる。
そこから円を書くように時計回りにカードを十二枚置いていく。
それは東西南北のどの方角に探しモノがあるか調べる占い方法だ。
そして、最後に円の真ん中に最後のカードを置く。
真ん中にあるならこの場にあるということだ。
占い結果は、真ん中に愚者のカードが現れた。
「て、事は陰陽寮にあるってことですか?」
李流は陰陽寮にいるなら何か簡単に占える物をしたくてタロットカードを卜部に教わっているのでそう訪ねた。
「陰陽寮にはないと思うのだが…」
瑠香は少し不服そうだった。
「宮中を真ん中に指すのだとおもいます。
そして、東南側に鎖に繋がれた、悪魔のカードがあります。腐れ縁や抜けられない契約などが当てはまります。宮中からそちらの方に指輪はあるとカードが伝えています」
いつもは弱々しい発音の卜部が、ハッキリと自身を持って言うのは確信があるからに違いないし、陰陽寮は占いのスペシャリストが集まる機関だ。
確実にそちらにあるという事だ。
「そっちだと…侍女寮だな」
と晴房が宮中の間取りを考えそう言った。
「侍女寮……」
瑠香は考え込む。
ルカの神は『縁を勝手に変えた代償だ』と言っていた。
縁を変えたことは有る…
自分につきまとった名前も忘れた侍女……
じつはその女だけではなく、数人変えてやった気がする……
「昨日話してた、記憶を変えた女のことじゃないのか?」
薫はピンときてそう言った。
「そう思うが…どうやって、家に入れたんだろうか……」
「遠い親戚かな…?」
うーん…と親子は家の留守中の出来事でもあるので不思議にも思った。
しかも窃盗事件でもある。
「侍女寮なら明日シフト表持っていきまつから、何か噂を聞いてみるでつよ!」
みんなの様子を見ていた阿倍野野薔薇はそう言った。
彼女は瑠香と晴房の親戚でもあり薫とは幼馴染の二十歳になる女性職員だ。
『す』を『つ』と言う少し変わった癖がある。
内掌典と陛下皇族方をお世話する侍女寮に野薔薇は占いの結果出た物忌みシフト表を渡しに行く。
それが陰陽寮唯一女性である野薔薇の仕事でもある。
野薔薇が就任す前は瑠香が私に行っていたときに何人かの侍女が、声をかけてきたのだった。
「お願いしてもいいかな?」
野薔薇は親戚の子供だが幼い頃から知っているので娘のように瑠香は思っている。
「はいっ!でつから、瑠香おじ様は心落ち着かさてくださいね?」
と言う事で、朝から瑠香の荒御魂に振り回された職員はホッとして今日の仕事を終わらせられたのだった。
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