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小話
桜庭家との縁
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桜庭の家の三つ子に力の封印をするためにベビーシッターをついでに済ましに来た瑠香は李流の叔父と会ってしった。
「お邪魔しております…」
一瞬なんて言えば良いのか戸惑った。
「ベビーシッターしております。香茂です」
と、一日くらいしか会わないだろうと思い、作った満面の笑みと礼儀正しくお辞儀をした。
李流の叔父は、そんな瑠香を訝しく思ったのか、まじまじと見る。
(流石に、ベビーシッターとは思えなかったか…?仕事はちゃんとしているが…子供達の力を封印する審神者と言ってもな……)
李流の叔父の心をのぞいて何を考えているか探ろうとしたら、
「おまえ、香茂か?」
と、問われた。
姓を名乗ったから正解だが…正直誰だ?と思ったが、瑠香も何か記憶に引っかかる。
「高校の時担任だったのに…忘れたのか?」
「あ…」
瑠香は目を見開いた。
「担任の…!桜庭って姓でしたっけ…?」
正直全く覚えてない。
「結婚式も呼ばれたのに…悲しいぞ!」
それは、葛葉子が担任呼びたい!と張り切って学校のクラスメイトだけではなく先生まで招待した…ことすら忘れていたというか、先生に興味なかった…ということは、隠しておこう。
「葛葉子はどした?元気か?子供も十人くらいつくったか?」
桜庭憲明先生は明るく聡明だった。
さらに、二人の恋仲を促進するように,イチャつくのを半ばあきらめ、見守ってくれてなぜだか、贔屓もしてくれた。
そんな、担任を思い出し悲しい顔にさせたくはないが嘘はつけない。
「葛葉子は…妻は数年前に亡くなりました…」
瑠香自身、傷が癒えたと言っても、昔を知る先生に言うのはやはり寂しい気がした。
「そうか…すまん。辛かったな…」
ポンと背中を軽く叩く様は、大人になった瑠香をいまだに生徒のように思っての温かい心の持ち主だと改めて思う。
「……妻は先生のこと頼りになる先生でときたま思いだしてましたね。オレは忘れてたけど。」
わざと、意地悪な笑顔をしてみた。
そんな仕草をしていたことすら、この先生なら覚えているかもと思ってわざとだ。
「時たまでも思い出してくれると嬉しいぞ!」
やはり明るい。
その様子を見ると妻との会話を思い出す。
「学生で夫婦になっていろいろ応援してくれたり、姓が変わったのも他の先生に嬉しそうに言ったり、頼りになる先生でよかった!学園生活で唯一無二の尊敬する先生だよ!といってましたね…」
正直、瑠香には嫉妬の対象になってしまったが……
「そうか、それは嬉しいな。お前らすごっくラブラブだったしな。
その雰囲気はクラス中幸せオーラに満たしてたからな。はっはっ」
と、憲明先生はさらりと言った言葉を瑠香は聞き逃さなかった。
(祈り姫の孫だぞ…とは、言えないけどな)
と、テレパシーで聞こえた。
「そうだった…」
と、瑠香は呟いてしまった。
晴房がハルの神から李流君のことを聞いて、そういう血筋ということを聞いていた。
だから、李流君には才能があったのか…と納得した。
「まさか、知って…たのか?やっぱり?」
「何のことですか?」
瑠香は満面な笑みをして誤魔化した。
「あら、憲兄来てたの?」
お茶を運んできた雪は、本物の兄妹のように憲明と親しい。
「おう、まさか懐かしい生徒がベビーシッターやっていて、うちに来るとは思わなかったよ」
憲明は、あははと笑う。
瑠香は苦笑する。
「そういうご縁があったのですね、その話を私も知りたいわ。私だけじゃなくて、お義父さんも李流もね」
雪は微笑み、二人を広間に促した。
先生と生徒としてはあまり接点はなかったと思うが、再び縁が繋がるかもしれないと思う瑠香だった。
「お邪魔しております…」
一瞬なんて言えば良いのか戸惑った。
「ベビーシッターしております。香茂です」
と、一日くらいしか会わないだろうと思い、作った満面の笑みと礼儀正しくお辞儀をした。
李流の叔父は、そんな瑠香を訝しく思ったのか、まじまじと見る。
(流石に、ベビーシッターとは思えなかったか…?仕事はちゃんとしているが…子供達の力を封印する審神者と言ってもな……)
李流の叔父の心をのぞいて何を考えているか探ろうとしたら、
「おまえ、香茂か?」
と、問われた。
姓を名乗ったから正解だが…正直誰だ?と思ったが、瑠香も何か記憶に引っかかる。
「高校の時担任だったのに…忘れたのか?」
「あ…」
瑠香は目を見開いた。
「担任の…!桜庭って姓でしたっけ…?」
正直全く覚えてない。
「結婚式も呼ばれたのに…悲しいぞ!」
それは、葛葉子が担任呼びたい!と張り切って学校のクラスメイトだけではなく先生まで招待した…ことすら忘れていたというか、先生に興味なかった…ということは、隠しておこう。
「葛葉子はどした?元気か?子供も十人くらいつくったか?」
桜庭憲明先生は明るく聡明だった。
さらに、二人の恋仲を促進するように,イチャつくのを半ばあきらめ、見守ってくれてなぜだか、贔屓もしてくれた。
そんな、担任を思い出し悲しい顔にさせたくはないが嘘はつけない。
「葛葉子は…妻は数年前に亡くなりました…」
瑠香自身、傷が癒えたと言っても、昔を知る先生に言うのはやはり寂しい気がした。
「そうか…すまん。辛かったな…」
ポンと背中を軽く叩く様は、大人になった瑠香をいまだに生徒のように思っての温かい心の持ち主だと改めて思う。
「……妻は先生のこと頼りになる先生でときたま思いだしてましたね。オレは忘れてたけど。」
わざと、意地悪な笑顔をしてみた。
そんな仕草をしていたことすら、この先生なら覚えているかもと思ってわざとだ。
「時たまでも思い出してくれると嬉しいぞ!」
やはり明るい。
その様子を見ると妻との会話を思い出す。
「学生で夫婦になっていろいろ応援してくれたり、姓が変わったのも他の先生に嬉しそうに言ったり、頼りになる先生でよかった!学園生活で唯一無二の尊敬する先生だよ!といってましたね…」
正直、瑠香には嫉妬の対象になってしまったが……
「そうか、それは嬉しいな。お前らすごっくラブラブだったしな。
その雰囲気はクラス中幸せオーラに満たしてたからな。はっはっ」
と、憲明先生はさらりと言った言葉を瑠香は聞き逃さなかった。
(祈り姫の孫だぞ…とは、言えないけどな)
と、テレパシーで聞こえた。
「そうだった…」
と、瑠香は呟いてしまった。
晴房がハルの神から李流君のことを聞いて、そういう血筋ということを聞いていた。
だから、李流君には才能があったのか…と納得した。
「まさか、知って…たのか?やっぱり?」
「何のことですか?」
瑠香は満面な笑みをして誤魔化した。
「あら、憲兄来てたの?」
お茶を運んできた雪は、本物の兄妹のように憲明と親しい。
「おう、まさか懐かしい生徒がベビーシッターやっていて、うちに来るとは思わなかったよ」
憲明は、あははと笑う。
瑠香は苦笑する。
「そういうご縁があったのですね、その話を私も知りたいわ。私だけじゃなくて、お義父さんも李流もね」
雪は微笑み、二人を広間に促した。
先生と生徒としてはあまり接点はなかったと思うが、再び縁が繋がるかもしれないと思う瑠香だった。
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