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第9章
恵子のこだわり
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翌朝、恵子はかなり早く目を覚ましました。
「ふあっ、あれ?ソファで寝てる?」
恵子は自分の状況がすぐには理解できません。
「う~ん、貴浩くんが帰って、お茶漬け食べて、DVDを見てて‥そのまま寝落ちしちゃったのね」
全身タイツのまま、いつの間にか寝落ちしていたのでした。
貴浩が訪ねてくるまで1時間くらいありますが、もう起きることにしました。
「全身タイツ、脱ぎたくないよー!でもそういう訳にはいかないか」
恵子は全身タイツを脱いでシャワーを浴びると、コットンハイウエストタイツを履いてキッチンに入りました。
貴浩のために、作り置きできる料理を数品急いで作ります。
タッパーに詰めていると、そろそろ貴浩が訪ねてくる時間です。
恵子は急いでデニムの短パンに白いサイハイソックスに着替えました。
白いシームレスハイウエストタイツを履かないのは、貴浩への「セックスをしない」という意思表示です。
貴浩には、先日の日曜日に「ハイウエストタイツを履かずにセックスなどありえない」ことを通告しています。
「頼子さんと貴浩くんがセックスしている時が、二人の一番幸せな時じゃないかな?」
恵子なりに頼子と貴浩を気遣っての思いでした。
もちろん、それが一番正しいことなのかは恵子にも分かりませんが。
準備が整ったところで、ちょうどインターホンが鳴りました。
「おはよう、貴浩くん」
「おはよう、恵子ちゃん。あ、今日は全身タイツじゃないんた」
「だって貴浩くんがすぐエッチなこと考えるからね」
ふふッと笑う恵子の横顔も「かわいいよなあ」って見とれる貴浩です。
「いや、普通の格好でも考えちゃうよ」
「うわあ、この変態!」
パンチを喰らわそうとしながらも思わず大笑いの恵子です。
「さあ、行きましょう」
貴浩と恵子は並んで歩き始めました。
貴浩は恵子のサイハイソックスに気づいています。
(サイハイソックスかあ。これもいいんだけど、セックスはないってことだよなあ‥)
貴浩の気持ちに気づいてから気づかずにか、恵子は白いリブのサイハイソックスを何度も脚の付け根まで引き上げます。
貴浩には恵子が盛んにサイハイソックスをアピール、すなわちセックスをしないことのアピールをしているように感じました。
頼子の家に着くと、貴浩がシャワーを浴びている間に、来る途中で聞いた頼子の必要なものを用意するために頼子の部屋に入りました。
昨日の写真はそのままの状態で置いてあります。
「頼子さん、嬉しさが滲み出てるなあ。ほんと二人とも可愛いなあ」
思わず見入ってしまいましたが、のんびりしている訳にはいきません。
頼子は几帳面に整理整頓しているので、探したいものはすぐに見つかりました。
1Fに降りると、ちょうど貴浩がシャワーから出てきたところでしたが、すぐに恵子の眉間に皺が寄りました。
貴浩はバスタオルを肩にかけ、太くて長いペニスをフル勃起させて、それを隠さずに丸見えにしていたのでした。
「貴浩くん、セックスはしないわよ。そんなのやめてよ」
恵子のすごい剣幕に貴浩は自分の姿にようやく気づきます。
「あ、ごめん。いつものクセでつい‥」
「頼子さんの前ではそうかもしれないけど、私はイヤよ」
「本当にごめん」
貴浩はバスタオルでペニスを隠すと、急いで2Fの自室に上がりました。
貴浩が制服に着替えて、2Fから降りてくると、ダイニングに大きめのおにぎりが2個とキムチと味噌汁が用意されていました。
「貴浩くん、朝食、簡単なものだけど食べていって」
「え?これ、恵子ちゃんが作ったの?」
恵子は思わず笑ってしまいます。
「他に誰が作るのよ?頼子さん以外に心当たりがあるの?」
「いや、いるわけないだろ。ちょっと驚いたんだよ」
「おにぎりは家で作ってきたわ。キムチは市販品だし味噌汁はインスタントよ」
「いやいや、それでも十分ありがたいよ。それじゃあ、いただきます!うん、うまい」
おにぎりは貴浩の大好物の昆布と明太子です。
美味しそうに頬張る貴浩を見て、恵子も嬉しく思っています。
「はい、これは今日と明日の夕食よ。タッパーごと冷蔵庫に入れれば、明日の夜までなら大丈夫よ。あと、これ、インスタントのお味噌汁ね。ご飯は貴浩くんが炊いてね。できれば帰りにコンビニでサラダを買ってくるといいわ」
「恵子ちゃん、ありがとう。でもこんなに気を使わないでくれよ。俺だってチャーハンくらい作れるし」
(今の言葉を詩絵美が聞いたら発狂しそうね!)
「別に気を遣ってるわけじないわ。私たち、幼馴染なんだからこれくらい当たり前よ。朝もおにぎりかサンドイッチを用意するから、ランニング帰りに寄ってよ」
貴浩は内心嬉しく思いましたが、やはり申し訳ない気持ちと一緒に食べるわけではない寂しさが混ざった、複雑な気分です。
「いや、恵子ちゃん、そこまでやってくれるなんて、本当に申し訳ないよ」
「もう、そういうこと言うのはやめてよ。貴浩くんには学校と、何より大切な頼子さんの看病に集中してほしいのよ」
(恵子ちゃん、俺と頼子のことにこだわってるというか、相当気を遣おうとしているな。セックスの件だけじゃなくて、他にも知ってるんだろうか?)
「分かったよ。じゃあ、ご好意に甘えるよ。不要なときは伝えるね」
恵子と貴浩はLINEを交換しました。
「それと、セックスするわけじゃないから、さっきみたいにギンギンに勃起したペニスを見せつけてきたら、思いっきり弾くからね!」
「うわあ、恵子ちゃんの前で勃起は抑えられないよ。もちろん、見せつけないようにするから、許してくれよ」
「はいはい、変態じゃなかったら許すわ!」
二人は顔を見合わせて大笑いです。
食事を終えると、貴浩は恵子に手を振って学校へ向かい、恵子も戸締りをして、いったん家に戻りました。
「ふあっ、あれ?ソファで寝てる?」
恵子は自分の状況がすぐには理解できません。
「う~ん、貴浩くんが帰って、お茶漬け食べて、DVDを見てて‥そのまま寝落ちしちゃったのね」
全身タイツのまま、いつの間にか寝落ちしていたのでした。
貴浩が訪ねてくるまで1時間くらいありますが、もう起きることにしました。
「全身タイツ、脱ぎたくないよー!でもそういう訳にはいかないか」
恵子は全身タイツを脱いでシャワーを浴びると、コットンハイウエストタイツを履いてキッチンに入りました。
貴浩のために、作り置きできる料理を数品急いで作ります。
タッパーに詰めていると、そろそろ貴浩が訪ねてくる時間です。
恵子は急いでデニムの短パンに白いサイハイソックスに着替えました。
白いシームレスハイウエストタイツを履かないのは、貴浩への「セックスをしない」という意思表示です。
貴浩には、先日の日曜日に「ハイウエストタイツを履かずにセックスなどありえない」ことを通告しています。
「頼子さんと貴浩くんがセックスしている時が、二人の一番幸せな時じゃないかな?」
恵子なりに頼子と貴浩を気遣っての思いでした。
もちろん、それが一番正しいことなのかは恵子にも分かりませんが。
準備が整ったところで、ちょうどインターホンが鳴りました。
「おはよう、貴浩くん」
「おはよう、恵子ちゃん。あ、今日は全身タイツじゃないんた」
「だって貴浩くんがすぐエッチなこと考えるからね」
ふふッと笑う恵子の横顔も「かわいいよなあ」って見とれる貴浩です。
「いや、普通の格好でも考えちゃうよ」
「うわあ、この変態!」
パンチを喰らわそうとしながらも思わず大笑いの恵子です。
「さあ、行きましょう」
貴浩と恵子は並んで歩き始めました。
貴浩は恵子のサイハイソックスに気づいています。
(サイハイソックスかあ。これもいいんだけど、セックスはないってことだよなあ‥)
貴浩の気持ちに気づいてから気づかずにか、恵子は白いリブのサイハイソックスを何度も脚の付け根まで引き上げます。
貴浩には恵子が盛んにサイハイソックスをアピール、すなわちセックスをしないことのアピールをしているように感じました。
頼子の家に着くと、貴浩がシャワーを浴びている間に、来る途中で聞いた頼子の必要なものを用意するために頼子の部屋に入りました。
昨日の写真はそのままの状態で置いてあります。
「頼子さん、嬉しさが滲み出てるなあ。ほんと二人とも可愛いなあ」
思わず見入ってしまいましたが、のんびりしている訳にはいきません。
頼子は几帳面に整理整頓しているので、探したいものはすぐに見つかりました。
1Fに降りると、ちょうど貴浩がシャワーから出てきたところでしたが、すぐに恵子の眉間に皺が寄りました。
貴浩はバスタオルを肩にかけ、太くて長いペニスをフル勃起させて、それを隠さずに丸見えにしていたのでした。
「貴浩くん、セックスはしないわよ。そんなのやめてよ」
恵子のすごい剣幕に貴浩は自分の姿にようやく気づきます。
「あ、ごめん。いつものクセでつい‥」
「頼子さんの前ではそうかもしれないけど、私はイヤよ」
「本当にごめん」
貴浩はバスタオルでペニスを隠すと、急いで2Fの自室に上がりました。
貴浩が制服に着替えて、2Fから降りてくると、ダイニングに大きめのおにぎりが2個とキムチと味噌汁が用意されていました。
「貴浩くん、朝食、簡単なものだけど食べていって」
「え?これ、恵子ちゃんが作ったの?」
恵子は思わず笑ってしまいます。
「他に誰が作るのよ?頼子さん以外に心当たりがあるの?」
「いや、いるわけないだろ。ちょっと驚いたんだよ」
「おにぎりは家で作ってきたわ。キムチは市販品だし味噌汁はインスタントよ」
「いやいや、それでも十分ありがたいよ。それじゃあ、いただきます!うん、うまい」
おにぎりは貴浩の大好物の昆布と明太子です。
美味しそうに頬張る貴浩を見て、恵子も嬉しく思っています。
「はい、これは今日と明日の夕食よ。タッパーごと冷蔵庫に入れれば、明日の夜までなら大丈夫よ。あと、これ、インスタントのお味噌汁ね。ご飯は貴浩くんが炊いてね。できれば帰りにコンビニでサラダを買ってくるといいわ」
「恵子ちゃん、ありがとう。でもこんなに気を使わないでくれよ。俺だってチャーハンくらい作れるし」
(今の言葉を詩絵美が聞いたら発狂しそうね!)
「別に気を遣ってるわけじないわ。私たち、幼馴染なんだからこれくらい当たり前よ。朝もおにぎりかサンドイッチを用意するから、ランニング帰りに寄ってよ」
貴浩は内心嬉しく思いましたが、やはり申し訳ない気持ちと一緒に食べるわけではない寂しさが混ざった、複雑な気分です。
「いや、恵子ちゃん、そこまでやってくれるなんて、本当に申し訳ないよ」
「もう、そういうこと言うのはやめてよ。貴浩くんには学校と、何より大切な頼子さんの看病に集中してほしいのよ」
(恵子ちゃん、俺と頼子のことにこだわってるというか、相当気を遣おうとしているな。セックスの件だけじゃなくて、他にも知ってるんだろうか?)
「分かったよ。じゃあ、ご好意に甘えるよ。不要なときは伝えるね」
恵子と貴浩はLINEを交換しました。
「それと、セックスするわけじゃないから、さっきみたいにギンギンに勃起したペニスを見せつけてきたら、思いっきり弾くからね!」
「うわあ、恵子ちゃんの前で勃起は抑えられないよ。もちろん、見せつけないようにするから、許してくれよ」
「はいはい、変態じゃなかったら許すわ!」
二人は顔を見合わせて大笑いです。
食事を終えると、貴浩は恵子に手を振って学校へ向かい、恵子も戸締りをして、いったん家に戻りました。
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