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第9章

頼子の葛藤

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「あそこでセックスすれば恵子ちゃんに見られてしまうってことに気づくべきだったわ。今更言ってもしょうがないけど」
頼子が溜め息混じりで答えます。
「でもあの瞬間、頼子とセックスしたかったんだから仕方ないだろ。恵子ちゃんの都合でセックスするかどうかじゃないだろ。俺と頼子のセックスに恵子ちゃんは関係ないんだから」
「え?ああ、そうね。私もあのときは貴浩とのセックスしか頭になかったわ」
貴浩の言葉は予想外でしたが、頼子は内心嬉しく思いました。

しかし、頼子はやはり恵子を愛しています。
貴浩とのセックスも大切で失いたくないのですが、恵子との関係も失いたくありません。
だからといって、何か妙案があるわけでもありません。
とりあえず今夜、恵子にLINEを送って反応を見ることにしました。

貴浩も恵子への想いを捨てきれていません。
ましてや、昨日は恵子と充実したイラマチオやセックスをしたばかりです。
貴浩にとっても頼子とのセックスはかけがえのないものであり、頼子は失いたくない存在です。
でも恵子への愛、詩絵美への愛、どちらも頼子のために失いたくはありません。
ただ、貴浩からは恵子へ誤解を解く術がなく、頼子に頼らざるを得ない現状で、八方塞がりです。

「頼子、何かいい方法ないかな?俺の方から誤解を解くのはまず無理だよ。朝、顔を合わせてもこんな調子じゃ話できないし、そもそも朝、顔を合わせないようにされるかもしれないし」
「私だって同じよ。何か理由つけて接点作ろうにも嫌がられる可能性が高いわ。とりあえず、今夜LINEを送って反応を見てみるけど。でも、恵子ちゃんと話ができたとして、どうやって誤解を解くかも考えないとね」
「ああ、それな。といってどうすればいいか分かんないよ。とにかく、俺は何があっても頼子とのセックスはやめないよ。頼子は俺にとって大切だし、大好きだからね」
頼子の顔が真っ赤になります。
「貴浩、ありがとう。本当に嬉しいわ。私も貴浩とのセックスはやめないわ。私も貴浩が大好きよ」
貴浩も頼子も心の中に激しく欲情が湧いてきました。
「頼子、今からセックスしよう。急げば1回できるよ」
「分かったわ」

ちょうど朝食を食べ終えた貴浩と頼子はリビングへ移動しました。
貴浩がコンドームをつけている間に、白いボディタイツの頼子はソファの上で四つん這いになります。
貴浩は左手で頼子の腰を掴み、右手でペニスを頼子のヴァギナにあてて、一気に挿入しました。
「ああああっ、貴浩、太くて固いわ、あああっ」
「頼子、暖かいよ、よく締まってるよ」
両手で白いタイツの腰を掴み、貴浩はいきなり激しく腰を振り始めました。
「あっ、あっ、あっ、いい、あっ、いいわ、貴浩」
貴浩はモヤモヤした気分を忘れ去りたくて、目の前の頼子とのセックスに集中するため、いつも以上に激しく腰を振り、快楽を貪ろうとします。
頼子のポルチオが激しくつかれ、快感の波が次々に頼子の体中を駆け巡ります。
「ああっ、貴浩、激しいわ、いい、もっときて、ああっ、ああっ、貴浩」
貴浩のペニスの奥深くに精液がかなり溜まり、熱い快感が貴浩のペニスの奥から尿道を刺激します。
「ああっ、頼子、気持ちいい、イキそうだよ、頼子」
貴浩の喘ぎに頼子も一気に絶頂へ駆け上がります。
「ああっ、貴浩、もうダメ、イク、イク、一緒に、ああっ、好きよ、貴浩ーーッ」
「うっ、頼子、ああっ、出そうだよ、射精するよ、ああっ、好きだ、頼子ーーッ」
貴浩のペニスが頼子のヴァギナの中で、さらに膨らみ、熱い精液が尿道を脈打ちながら、コンドームの中へ次々に勢いよく放たれます。
「ああっ、ああっ、すごい、貴浩が射精してる、ああっ」
ヴァギナで貴浩の射精を感じながら、頼子は絶頂の幸せに浸っています。

射精が終わると、貴浩はペニスを挿入したまま頼子に背中から覆い被さり、両手で白いボディタイツに包まれた頼子の胸を鷲掴み、ゆっくり揉みながら頼子の体を起こします。
「ああ、俺の頼子、大好きだよ、頼子」
「貴浩、ありがとう、私も大好きよ」
貴浩はゆっくりとペニスを抜き、コンドームを外して頼子に渡します。
頼子は満面の笑みで受け取ると、すぐに口に垂らして飲み込みました。
「頼子、ありがとう。すごく嬉しいよ」
「昨日よりいっぱい出たわね。射精してくれてありがとう、貴浩」
「さてと、学校へ行かなきゃ」
貴浩は慌ただしく2Fへ上がり、急いで支度を済ませると、自転車に飛び乗って走り去りました。

「貴浩とセックスするときが、あれこれ惑わされることもなく一番幸せかもしれない。このまま、貴浩とずっと一緒でいいのかも‥」
頼子はそう考えながら、ソファに座り込みます。
「いろいろ疲れちゃったかな‥」
ソファで横になって目を閉じると、瞼の裏には恵子や真由の笑顔が次々に思い浮かびます。
「私、どうするのが一番幸せなんだろう?」
頼子の想いはまだまだ揺らぎます。
すぐに結論が出るわけではなく、気持ちが逡巡するうちに、そのまま寝落ちしてしまいました。
今日の貴浩とのセックスも恵子に気づかれたことを頼子はまだ知りません。

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