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第2章

白長くつ下の恵子ちゃん

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詩絵美の家を出て、幼稚園の前に来たとき、次々に起こる「あっ、恵子ちゃんだ」という声にびっくりしました。まさに園児たちが恵子の家のすぐそばの遊び場へ向かう途中でした。
「制服かわいいくて似合うね」という、なんとも上から目線的な声に笑い、「白長くつした履いてないの?」という声にはスカートの裾を持ち上げて白いサイハイソックスを履いていることを見せました。
園児たちと一緒に恵子の家まで行き、子供たちが楽しそうに遊び場や畑に入るのを見送りました。
そして白いパーカーに白いデニムの短パン、そして白いサイハイソックスに白いスニーカーといういつもの白一色の姿に着替えて園児たちの下に行くと、大歓声で迎えられました。
「白長くつしたの恵子ちゃん」は大人気です。
先生の許可を得て、一緒に畑作業もしました。

園児たちが幼稚園に帰るのを見送ったあと、同じ姿で買い物に行き、幼稚園の前まで戻ってくるとちょうど帰り際。
「白長くつしたの恵子ちゃんがまたいた!」の声があちこちで聞こえ、園児たちがお迎えのお母さんに説明している様子が分かりました。
お母さんたちからも「あら、可愛いくてスタイルが素敵」という声が聞こえました。
園児が「ほんとうに長いソックスを履いているでしょ」と母に説明し、「本当にすごく長いね。でもとてもお似合いだわ」と話す声も耳に入ってきました。

園長先生も恵子のことを卒園生として紹介し、この春から一人で生活を始め、畑などを手伝ってくれていることをお母さんたちに説明されました。
「うちの子は恵子ちゃんがあこがれのお姉さんなんですよ。今度一緒に写真を撮らせてもらえないですか」という申し出もあり、とても恥ずかったですが、快く承諾しました。
帰り際、園児たちはみんな恵子の白いサイハイソックスに触れるため、お母さんたちは大笑いしていました。
微笑ましい光景に恵子もとても喜びを感じていました。
白いサイハイソックスを履いた恵子を園児やお母さんたち、そして先生方が認めてくれていることが本当に嬉しかったのです。

園児たちが帰った後、園長先生から幼稚園の中や遊び場広場で定期的に園児たちと触れ合ってもらえないかと申し出があり、こんな私をここまで認めてくれるなんてと感激し涙がこぼれてきました。
しかし、幼稚園を離れるとある問題が恵子に重くのしかかってきました。
3日後の詩絵美とのお泊り会のことでした。

さっきは嬉しくて即答したけれど、冷静になってみれば大きな問題がありました。
お泊り会はやりたいのですが、クリアしなければいけないことが2点あります。
何か理由を付けて延期かキャンセルしても、いつかはやらなければいけない。
その問題点を詩絵美に正直に打ち明けるか・・・恵子の心は大きく揺れ動きました。
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