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第2章

初登校

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詩絵美と恵子は、離れていたこの7年間のことをいろいろと語り合いながら学校へ歩いていきました。

始業式の前に担任の安達先生に連れられて2年1組に入ると、クラスメイトが恵子に注目する視線を一心に浴びてしまい、ちょっと緊張気味でしたが、すぐに「すごく可愛い!」「お人形さんみたい!」という噂の声に少し安心しました。
ちょっと詰まりながらも転校生としての挨拶を終え、席に着くと隣の菜乃花がすぐに話しかけてくれ、いろいろと世話も焼いてくれました。
詩絵美も偶然同じクラスになり、すごく安心しました。

始業式の後、早速詩絵美が仲良しの真由を連れて話に来てくれ、詩絵美、真由、菜乃花、恵子の仲良し4人組がすぐに結成されました。
また、他のクラスメイトも積極的に話しかけてくれ、恵子の新しい学校生活は幸先よくスタートしました。

担任の先生は25歳の安達先生で、笑顔が素敵で上品さが漂い、とても優しそうな先生でした。
学活の時に、今年のテーマとして「自分を見つめなおす」ことを語られました。
毎年、新しい自分にならなければ人は成長しない。どんな自分になりたいか、変えなければいけない自分は何か、変えたくない自分は何か、自分をよく見つめなおすことが2年生の1年間の課題だという話をされ、恵子はすごく感銘を受けました。
恵子はまさに日本での新しい生活をスタートしたばかりなので、いろいろな面から自分を見つめなおしたいと考えました。

菜乃花と真由は電車通学なので校門で別れ、詩絵美と2人で自然を満喫しながら帰宅の途に就きました。
詩絵美は昨年は自転車通学だったので、歩いて帰るのは不便になったのですが、恵子とのおしゃべりが楽しく、毎日の登下校が充実したものになりそうです。
恵子は自然を散策するのが大好きだったので、住宅街を抜ければ恵子の家まで自然豊かな風景が広がるこのルートをとても気に入りました。

詩絵美の家で詩絵美の母に挨拶しました。
実は詩絵美の母が恵子と学校との間の母親役になってくれており、また恵子の母親からも詩絵美の母に「恵子のことよろしく頼む」とお願いしている(実はこの2人の母どうしも幼馴染)ので、始業式も無事終えてS女子学院の一員として学校生活を始めたことを報告しました。
詩絵美の母からは、「何でも遠慮なく相談してほしい」「いつでも遊びに来てOK」「ご飯も食べに来てほしい」といろいろな提案があり、感謝の気持ちを伝えました。
さらに詩絵美が今度の金曜日に恵子の家に泊まり(お泊り会開催)にくることも決まりました。
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