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グルドフ旅行記・4 怪しい奴らの正体を暴け!
戦いの後に
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城主の息子、レイ・マットアンは手と足の三か所を数針ずつ縫わなければならなかった。ただ、傷は浅く、数日もすれば歩けられるようになるとのことだった。
「町を出て旅ができるようになるまでには、しばらくかかるようです」
レイは時折、笑みを浮かべながら話した。
「たいしたことがなくて何よりです」
グルドフはベッドに横たわる青年を見て言った。
「イナハさんに時々稽古をつけていただいていたおかげです」
「それでも、本物の剣であれだけやれるとは、なかなかたいしたものです」
「いえ、そんなことはないです。ところでグルドフさん、実は私、旅に出られるようになったら、マドゥに帰ろうかと思うのです」
「ほう」
「このまま逃げ隠れしている生活は、父や領地の人々のためによくないと思うのです。それにカレンやイナハさんにも。・・・・そして私自身に対しても」
「ということは、お父上と話をするために帰るということですか」
「はい。父がどのような判断を下しても、それに従うつもりです。カレンにも親兄弟がいます。再びマドゥで暮らすことができればいいのですが、それが叶わなずに追放の身となれば、またミナルテで暮らしてもいいのです。カレンと私は夫婦となりました。それはもう変えようがありません。どこでどのように暮らそうとも、カレンと二人ならばやっていけます」
「そうですか。あなたは本来ならばお父上の後を継ぎ、領地を治めていかなければならない身。このまま、あやふやにしたままでいるわけにはいきますまい。それが正しい判断かと思います」
「ありがとうございます。今回グルドフさんにはとてもお世話になりましたし、先日、私の身の上を打ち明けましたので、今後のこともぜひ知っておいていただきたいと思い、お話しさせていただきました」
「あなたならいい領主になるでしょう。お父上があなたたちを温かく迎え入れてくれるよう、祈っております」
グルドフとポポンが部屋を出るとき、ベッドに横たわるレイの代わりに、カレンとイナハが深々と頭を下げた。
「そろそろ奥さんに手紙を書いておいた方がいいのじゃないかね?」
宿で翌日の旅立ちの用意をしている時に、ポポンがグルドフに言った。
「手紙? そうですね。かなり予定より遅れていますから、帰りも遅くなりそうですな」
「家に帰ったら奥さん、魔物のような顔になっているだろうね」
「では、今晩書いておきましょう。ポポン殿は?」
「わしはソラテの村で書いて送っておいたよ」
「それは早い」
「べレストとソラテでのことで、これはきっといつになったら家に帰れるかわからないと悟ったからね」
「なるほど。明日からは少々足を速めていきましょう」
「道草さえしなければ、どうってことないのだけれどね」
「それは言いっこなしです」
翌日早くにポイの町を出て、マットアンを目指して旅立つ予定のグルドフとポポンだった。
グルドフ旅行記・4話 終わり
「町を出て旅ができるようになるまでには、しばらくかかるようです」
レイは時折、笑みを浮かべながら話した。
「たいしたことがなくて何よりです」
グルドフはベッドに横たわる青年を見て言った。
「イナハさんに時々稽古をつけていただいていたおかげです」
「それでも、本物の剣であれだけやれるとは、なかなかたいしたものです」
「いえ、そんなことはないです。ところでグルドフさん、実は私、旅に出られるようになったら、マドゥに帰ろうかと思うのです」
「ほう」
「このまま逃げ隠れしている生活は、父や領地の人々のためによくないと思うのです。それにカレンやイナハさんにも。・・・・そして私自身に対しても」
「ということは、お父上と話をするために帰るということですか」
「はい。父がどのような判断を下しても、それに従うつもりです。カレンにも親兄弟がいます。再びマドゥで暮らすことができればいいのですが、それが叶わなずに追放の身となれば、またミナルテで暮らしてもいいのです。カレンと私は夫婦となりました。それはもう変えようがありません。どこでどのように暮らそうとも、カレンと二人ならばやっていけます」
「そうですか。あなたは本来ならばお父上の後を継ぎ、領地を治めていかなければならない身。このまま、あやふやにしたままでいるわけにはいきますまい。それが正しい判断かと思います」
「ありがとうございます。今回グルドフさんにはとてもお世話になりましたし、先日、私の身の上を打ち明けましたので、今後のこともぜひ知っておいていただきたいと思い、お話しさせていただきました」
「あなたならいい領主になるでしょう。お父上があなたたちを温かく迎え入れてくれるよう、祈っております」
グルドフとポポンが部屋を出るとき、ベッドに横たわるレイの代わりに、カレンとイナハが深々と頭を下げた。
「そろそろ奥さんに手紙を書いておいた方がいいのじゃないかね?」
宿で翌日の旅立ちの用意をしている時に、ポポンがグルドフに言った。
「手紙? そうですね。かなり予定より遅れていますから、帰りも遅くなりそうですな」
「家に帰ったら奥さん、魔物のような顔になっているだろうね」
「では、今晩書いておきましょう。ポポン殿は?」
「わしはソラテの村で書いて送っておいたよ」
「それは早い」
「べレストとソラテでのことで、これはきっといつになったら家に帰れるかわからないと悟ったからね」
「なるほど。明日からは少々足を速めていきましょう」
「道草さえしなければ、どうってことないのだけれどね」
「それは言いっこなしです」
翌日早くにポイの町を出て、マットアンを目指して旅立つ予定のグルドフとポポンだった。
グルドフ旅行記・4話 終わり
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