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トランキル帝国編
兎耳の少年
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バタバタと私の名前を呼ぶ2匹に、どうしたの?と尋ねるとポポーの木の近くで人が倒れているのを発見したらしい。
それは大変だ!!
「ルビーくん、ここ、お願い!」
ー任せとき!
焚き火と焼いた魚はルビーくんに任せておけば大丈夫。
2匹に道案内された先に倒れていたのは、傷だらけのウサギの耳の生えた少年だった。
「ちょっと、だ、大丈夫??」
辺りを見渡してみるが、見たところ魔物や野生の動物も見当たらない。必死に逃げてきたのだろうか?
ぱっと見、大きな傷はなさそうで少しホッとする。
とりあえず、オニキスに巨大化してもらい少年を乗せてオパールの力で家に帰る。
そして、セラフィに治療を頼み、待ってくれているルビーくんのもとへ。
焚き火や、焼き魚等の始末を大急ぎで行い、家に戻るとウサギの少年の傷はすっかり癒えてスースーと穏やかな寝息が聞こえてきた。
「セラフィ、ありがとう」
ーかまわぬ、妾の主。して、何があったのじゃ?
「それがね・・・」
かくかくしかじか。セラフィに事情を説明する。
セラフィが言うには、この少年の傷は全て魔物によるものだと言う。
しかし、周囲にはいなかったと言うと魔物避けで逃げ出したのかもしれぬなとの見解だった。
とりあえず、彼が起きるまでは真相はわからない。
静かに近づいて少年を見る。
獣人をこんなに近くで見るのはジャンさん以外では初めてだ。
ピクピクと少年の瞼が動き、パチリと目を開いた。
「!!」
バッと飛び上がり、数メートルも離れた場所へと1回のジャンプで移動する。
すごい跳躍力だ。
周囲を見渡したと思ったら、自身の身体にペタペタと触り、目を大きく開眼させてこちらを見つめた。
耳がピンと立ってて警戒しているようだが、離れないのは何か理由があるのかな?
少年の様子に、様子を一緒に見ていたセラフィ以外の子たちが集まってくる。
「・・・眷属様」
小さな、呟くような声で少年は言った。
「お前、一体何者なんだ。眷属様がこんなに。・・・それも、お前を守るように囲っている」
「わ、私?」
「そうだ!」
ーなんや、助けてもろて礼も言わんと。
ー無礼な方ですわ!
少年の言葉に、ルビーくんとアンバーがムッとした様子で睨み付ける。
「まあまあ、みんな、落ち着いて。君も落ち着いてよ。私たちは、ただ君が森で倒れているのを発見して助けただけ」
「倒れてた・・・?そうだ、魔物。魔物は!?」
私がそう言うと少年は慌てた様子で聞いてくる。
「私がきた時にはすでにいなかったよ?アンバーやオパールは見た?」
ー見てない。
ー私たちが来た時にはすでにこの方は血塗れで倒れていましたわ。
「2匹も見てないって」
「!まさか、ここにいる眷属様全員と絆を結んでいるのか・・・」
私たちの様子に少年は信じられないと驚きながらも警戒のレベルを下げたようだった。
何か言おうとして悩んで、
「眷属様が守る愛し子に礼をかいてすまない。何か事情があるんだろうけど、俺はそれに興味はない。今、俺がするべきことは、あの魔物を倒すことなんだ!」
と叫ぶと走っていってしまった。
今のは、どういう意味?・・・私たちの関係に口出ししないってこと・・・?
てか、あんなボロボロになった相手に何もせずに向かうの?
え、どこにいるのかもわからないのに・・・??
止める間も無く去ってしまった彼に私もだけど、みんなもポカーンと呆気にとられるのだった。
それは大変だ!!
「ルビーくん、ここ、お願い!」
ー任せとき!
焚き火と焼いた魚はルビーくんに任せておけば大丈夫。
2匹に道案内された先に倒れていたのは、傷だらけのウサギの耳の生えた少年だった。
「ちょっと、だ、大丈夫??」
辺りを見渡してみるが、見たところ魔物や野生の動物も見当たらない。必死に逃げてきたのだろうか?
ぱっと見、大きな傷はなさそうで少しホッとする。
とりあえず、オニキスに巨大化してもらい少年を乗せてオパールの力で家に帰る。
そして、セラフィに治療を頼み、待ってくれているルビーくんのもとへ。
焚き火や、焼き魚等の始末を大急ぎで行い、家に戻るとウサギの少年の傷はすっかり癒えてスースーと穏やかな寝息が聞こえてきた。
「セラフィ、ありがとう」
ーかまわぬ、妾の主。して、何があったのじゃ?
「それがね・・・」
かくかくしかじか。セラフィに事情を説明する。
セラフィが言うには、この少年の傷は全て魔物によるものだと言う。
しかし、周囲にはいなかったと言うと魔物避けで逃げ出したのかもしれぬなとの見解だった。
とりあえず、彼が起きるまでは真相はわからない。
静かに近づいて少年を見る。
獣人をこんなに近くで見るのはジャンさん以外では初めてだ。
ピクピクと少年の瞼が動き、パチリと目を開いた。
「!!」
バッと飛び上がり、数メートルも離れた場所へと1回のジャンプで移動する。
すごい跳躍力だ。
周囲を見渡したと思ったら、自身の身体にペタペタと触り、目を大きく開眼させてこちらを見つめた。
耳がピンと立ってて警戒しているようだが、離れないのは何か理由があるのかな?
少年の様子に、様子を一緒に見ていたセラフィ以外の子たちが集まってくる。
「・・・眷属様」
小さな、呟くような声で少年は言った。
「お前、一体何者なんだ。眷属様がこんなに。・・・それも、お前を守るように囲っている」
「わ、私?」
「そうだ!」
ーなんや、助けてもろて礼も言わんと。
ー無礼な方ですわ!
少年の言葉に、ルビーくんとアンバーがムッとした様子で睨み付ける。
「まあまあ、みんな、落ち着いて。君も落ち着いてよ。私たちは、ただ君が森で倒れているのを発見して助けただけ」
「倒れてた・・・?そうだ、魔物。魔物は!?」
私がそう言うと少年は慌てた様子で聞いてくる。
「私がきた時にはすでにいなかったよ?アンバーやオパールは見た?」
ー見てない。
ー私たちが来た時にはすでにこの方は血塗れで倒れていましたわ。
「2匹も見てないって」
「!まさか、ここにいる眷属様全員と絆を結んでいるのか・・・」
私たちの様子に少年は信じられないと驚きながらも警戒のレベルを下げたようだった。
何か言おうとして悩んで、
「眷属様が守る愛し子に礼をかいてすまない。何か事情があるんだろうけど、俺はそれに興味はない。今、俺がするべきことは、あの魔物を倒すことなんだ!」
と叫ぶと走っていってしまった。
今のは、どういう意味?・・・私たちの関係に口出ししないってこと・・・?
てか、あんなボロボロになった相手に何もせずに向かうの?
え、どこにいるのかもわからないのに・・・??
止める間も無く去ってしまった彼に私もだけど、みんなもポカーンと呆気にとられるのだった。
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