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第4章 帝国編

クーデター2

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「おはよう、スミレもメアも朝早いね」

「おはようございます。昨日は早く寝れましたので」

「本当だよ、誰も俺を助けないでさっさと寝るし」

「「あはは」」

寝不足でグッタリとしてる海斗にメアとスミレが労いながら朝食を出してくれた

昨日はホームを設置するとやっぱりというかミックとリナ、アリスとアッシュに驚かれ、説明しているうちにアリスの両親が戻って来て家が無くなっている事に驚き叫び

慌てて説明し、何とか納得してもらえたと思った矢先、家の裏の空き地に工場とホームが設置されていた事に呆然とされてしまい

ホームの中の広さや日本の内装に説明を求められ、深夜に渡って説明をしていた

東堂兄妹とレオン・メアに助けを求めたが裏切られ、結局寝不足となったわけだ

「そう言えば他の人達は?まだ寝てるの?」

周りに人の気配が無いので聞いてみる

「それなら、家の進捗を確認しに行ってますよ」

メアからの説明で納得し、朝食を済ませて建設現場を見に行くことに

「おおー!・・マジか」

終了時間は分かっていたけれど、実際に目の前に建っているのを見るとビックリするね。皆んな家の前で何してるんだろう?

家は明方に建設完了となっており予定通りに仕上がっていたが、完成された家の前には横一列に並びながら皆んなが動いていない

気になって回り込んで表情を確認しに行くと、家を見ながら呆けている

「何してるの?」

海斗の掛け声に皆んながビクリと反応し、海斗に視線が集まった

「いや、明け方には出来てると聞いていたけれど、いくら何でも早過ぎだろう!」

あぁ!耐震性や安全性が気になるのかな?

「大丈夫だよ!ちゃんと強度計算されてるみたいだし」

「・・そういう問題じゃないんだがな」

レオンは諦めたように溜息をついた

「ねえ、中に入ってもいいの?」

ミックは新しい家に興味津々のようだ

「いいよ」

そう言うと姉のアリスの手を引っ張りながら中へと入って行き、両親が慌てて追っかけるように追従していく

「さて、俺達も確認しに行くとしますか」

「僕達も良いのでしょうか?」

アッシュが遠慮がちに聞いてきたので、にこりと笑ってアッシュとリナの手を引きながら家の中へと向かう

「おおー、当然だけど設計図通りだねー」

モデルルームの家がいくつもあったので、その中から4人暮らしに良さそうなのをピックアップしてみた。アッシュの両親も喜んでるようで良かったよ

興奮気味に室内体験をしている家族を見ていると

「海斗さん、1つ聞いても良い?」

ヨシユキには気になる事があったようで肩をトントンしながら

「この家の材料って何処から来てるんだ?アプリ消しても消えないんだろ?」

そりゃ気になる所だよね

「そりゃ現地調達に決まってるじゃないか。取り込んだ前の家と前の魔王討伐戦の罠を作ってる時に回収した木材や石、鉱石などを使ってるからね。」

そう!前回から何か使い道があるのではないかと思って取っておいたのだ。まさかこんな所で役に立つ日が来るとは思わなかったけど

「そうかぁ、疑問が解けてスッキリしたよ」

そりゃ良かった。まぁ、便器とか水道の蛇口などの陶器類や金属類とかとった覚えの無い不可思議な部分はいくつかあるんだけど気付いてなさそうだし、ファンタジーって事でいいんじゃないかな

1人強引に納得させながら心の中にそっと仕舞い込んだ


「本当にいいのでしょうか?」

ミックの両親は立派な家に萎縮しているがリナを暫く預かってもらう為と説明し、強引に受け取ってもらった

「さて、これからの事なんだけど」

東堂兄妹、レオン・メアそしてアッシュをホームのリビングに集めて話し合いをする事に

「と言っても、やる事はそんな複雑な事はしないよ。前言った通りメアとスミレにはアッシュの護衛兼後衛と支援だね。レオンとヨシユキがペアで対処、で、帝都に着いたら騒ぎを起こして先ず先制で城を壊す!

その後、無事だった他の帝国兵を倒していくだけだね」

おや?皆んなが呆れているぞ?

「だけってお前・・」

「それが非常に難しいんだけど」

「でもほら、海斗さんだから。バズーカを使っちゃえば」



「「「「あぁー」」」」


オイ、何だその反応は

確かにバズーカを使えば1発なのかもしれないけどさ、俺を脳筋扱いするのやめてくれないかな

「流石に今回はそんなことしないよ、城の中にはメイドさんとか関係ない人達もいるからね」

そりゃそうだと思い至ったのか感心したように見てくる。こんにゃろうめ

いくつか取り決めを交わして話がまとまり、早速行動を開始する。ホームと建設工場を仕舞いアリス達に挨拶をしに行く

「ではリナをよろしくお願いします」

「お兄さま、お気をつけて」


アッシュが頭を下げてアリス達にお願いした後、広場から転移で砦まで移動する

「海斗、ここからどうやって帝都まで行くつもりだ?」

この人数での移動だし、レオンの疑問は最もだね

「それなら解決策を用意してあるから大丈夫だよ。付いて来て」

昨日砦にお金を拝借しに来た時に準備していたんだよね

皆んなを連れて砦の近くの森の中へと入って暫く歩くと、大きな建造物が見えてきた

「海斗さん、コレってまさか」

ヨシユキが見覚えのある建物を指差してプルプルしている

そう!ここにもシティ・コントラクションを使用していたのだ。

こっちで建てたのは飛行場

ただ滑走路が長いので設置場所に困り、目立つのもマズいと思い森の中に設置したのだ

レオンとメア、アッシュは不思議な顔で飛行場内へと入っていき、ヨシユキとスミレは懐かしさとこれから移動する乗り物に不安がっている

「今回の乗り物はコレ!」

倉庫に移動して海斗が紹介したのはヘリコプター

数ある飛行場やヘリコプターがある中、海斗が選択したのは軍用ヘリ

30mmチェーンガン、対空ミサイルを装備しており見た目が厳つい乗り物

「海斗さん、この世界でこのヘリって・・」

「はっはっはっ!絶対的な制空権で蹂躙出来るわけだ、余裕が出てくるでしょ?」

「・・やり過ぎだよ」

ヨシユキが肩を落としてしまった。レオン達はピンときてないようだけど仕方ないよね

魔法が有るとはいえ戦力は銃の無い戦国時代の戦闘に近代兵器を持ち込む様なもんだし

うん、過剰戦力

しかもヘリなら逃した帝国兵よりも先に帝都に着く事が出来る



なんか相手が可哀想になってきたな
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