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第5章

514話 アルヴィンの最期

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「ふふっ。エウロス様のご立派様はとてもご立派でしたわ。貴方なんかとは比べ物にもなりません」

「な、なんだとぉっ……!!」

 アルヴィンの目が大きく見開かれる。
 モノの大きさを比べられるのは、男として一番の屈辱だ。
 それが自分が愛する女性ならなおさらのことだろう。

「ネリス! そいつから離れろ! 離れるんだ!!」

「嫌でございます。もう遅いのです。あたくしの心は、完全にエウロス様に奪われてしまいましたから」

「ふん。そういうことだ。諦めろ、アルヴィンとやら。お前の女だったネリスは、この俺が頂戴した」

「くっ……。ネリスぅぅぅっ!!」

 アルヴィンが絶叫する。
 その口からは、血が流れ出ていた。
 おそらく歯を噛み締めすぎて、口内を傷つけてしまったのだろう。

「ふふ、エウロス様ぁ……」

「ん? ここでするのか? まぁいいが」

「はい。お願いします。――ああ、やはりエウロス様のご立派様が一番でございますわ」

 ネリスが俺のズボンをずらし、モノを曝け出す。
 まるで、アルヴィンに見せつけるかのように。
 困ったな。
 俺は野郎に見せる趣味はないのだが。
 ――いや、待てよ?

「【ウインドカッター】」

 俺は風魔法をアルヴィンに向けて放つ。
 それらは正確に、彼のズボンを切り裂いた。

「なっ!? なにしやがる!」

「ぷっ……あはは。確かに、アイツのモノは小さいな」

「はい。今までのあたくしは彼しか知らなかったので、あれでも満足していたのですが……。エウロス様のご立派様を知ってしまった以上、他では我慢できそうにありませんね」

「くっ……。貴様らぁっ!」

 アルヴィンの顔が赤く染まる。
 その瞳からは、涙が溢れ出し始めていた。
 まぁデカけりゃいいってもんでもないのだが、小さいと揶揄されるのは男として屈辱だよな。

「ネリス……どうしてだ……! なぜ……! ――がふっ!?」

 突然、アルヴィンが吐血した。

「ようやく効いてきましたか。やはりアルヴィン様は、毒のスペシャリストだけあって毒耐性はなかなかのものですね」

「ぐっ……。ぎ、ぎざま……! 何をじたっ!?」

「先程突き刺したナイフに毒を塗っていただけですわ。これも何かの縁ですし、最後は毒で苦しんで死んでくださいませ」

「どぼじで……ごんなごとずるんだっ!? おまえは……おれの女じゃなかったのかよぉっ!?」

「ええ、そうです。でも、それは昔の話です。今のあたくしはエウロス様のモノですから」

「ぐ、ぐぞぉっ!! ゆるざねぇぞっ!!」

「許さないと言われても困りますわ。貴方はもう、死ぬしかないんですもの」

「くそがぁぁぁぁぁぁ!!!」

 怒り狂うアルヴィンを優雅に眺めながら、俺はネリスの奉仕を受けた。
 俺が満足した頃には、彼は毒が回り息を引き取っていたのだった。
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