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216. ロンド~踊る命~ -33- 百花繚乱①
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マンションに到着して、車から降りたみふゆは一言も発しない、魂の抜けた人形のようだった。
京司朗に連れられ部屋に入ったみふゆの瞳には、何も映っていない。
リビングに来ると、みふゆは室内を見回し、瞳に生気を宿した。
「お父さんは?お父さんはどこ・・?お父さんはまだ帰ってきてないの・・?」
みふゆはキョロキョロとして貴之を探した。
「お父さん・・」
お父さんに会いたい。
お父さんならきっとこの悲しみから、苦しみから救ってくれる。
京司朗は答えない。答えられなかった。
「お父さんに会いたい。お父さんに会いたいんです。お父さんのそばに行きたい」
京司朗にすがるみふゆの、溢れ出る涙は止まらず、京司朗のシャツを濡らした。
惣領貴之は行方がわからないのだ。
行方不明だと教えるわけにもいかない。
貴之に会いたいと繰り返すみふゆを、京司朗はただ強く抱きしめた。
みふゆは父としての惣領貴之への絶対的な信頼が、惣領貴之という男への愛に変わっていると気づかぬまま、貴之を求めている。
貴之が戻らねば、みふゆの生命はそれこそ完全に壊れるに等しい衝撃を受ける。
自覚していないみふゆの愛が、みふゆ自身を傷つけるのだと知っているのは京司朗だけだ。
だから京司朗は愛を囁く。
みふゆの耳に、脳裏に。
「俺は君を愛している。君を守れるのは俺だけだ」
もろく崩れてしまった君の心に、
弱さにつけ込んだと罵られてもいい
「君を愛せるのは俺だけだ」
この思いが君の心に届かなくても
君を愛せるのは俺だけだ
あらゆるものから守れるのは俺だけだ
君がまだ気づいていない、君の愛からさえも、俺は守ってみせる
君だけが知らない真実に、君が傷つかないように
君は、
あの人の血の繋がった娘なのだから
翌朝、みふゆが目覚めたのは京司朗の腕の中だった。
抱きしめられる素肌の温かさは互いに生きている証しだが、みふゆはワケがわからなかった。
━━━━いったいどういうこと
叫び出したい衝動を抑えて、みふゆは静かに呼吸をした。
━━━━夢、これは夢・・?
頬をつねってみた。
痛い。
夢ではない。
現実だ。
男女間の恋愛過程をすっ飛ばして、肉体関係を持ってしまったというこの現実にどう対処すべきか、みふゆは頭脳をフル回転させた。
結果━━━━
━━━━逃げよう
あまりの衝撃に、みふゆは本来の『正気』を取り戻した。
みふゆは京司朗を起こさぬように、腕の中からの脱出を試みることにした。
まずこの状況から離れる必要がある。話はそれからだ。
マンションに到着して、車から降りたみふゆは一言も発しない、魂の抜けた人形のようだった。
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リビングに来ると、みふゆは室内を見回し、瞳に生気を宿した。
「お父さんは?お父さんはどこ・・?お父さんはまだ帰ってきてないの・・?」
みふゆはキョロキョロとして貴之を探した。
「お父さん・・」
お父さんに会いたい。
お父さんならきっとこの悲しみから、苦しみから救ってくれる。
京司朗は答えない。答えられなかった。
「お父さんに会いたい。お父さんに会いたいんです。お父さんのそばに行きたい」
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惣領貴之は行方がわからないのだ。
行方不明だと教えるわけにもいかない。
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貴之が戻らねば、みふゆの生命はそれこそ完全に壊れるに等しい衝撃を受ける。
自覚していないみふゆの愛が、みふゆ自身を傷つけるのだと知っているのは京司朗だけだ。
だから京司朗は愛を囁く。
みふゆの耳に、脳裏に。
「俺は君を愛している。君を守れるのは俺だけだ」
もろく崩れてしまった君の心に、
弱さにつけ込んだと罵られてもいい
「君を愛せるのは俺だけだ」
この思いが君の心に届かなくても
君を愛せるのは俺だけだ
あらゆるものから守れるのは俺だけだ
君がまだ気づいていない、君の愛からさえも、俺は守ってみせる
君だけが知らない真実に、君が傷つかないように
君は、
あの人の血の繋がった娘なのだから
翌朝、みふゆが目覚めたのは京司朗の腕の中だった。
抱きしめられる素肌の温かさは互いに生きている証しだが、みふゆはワケがわからなかった。
━━━━いったいどういうこと
叫び出したい衝動を抑えて、みふゆは静かに呼吸をした。
━━━━夢、これは夢・・?
頬をつねってみた。
痛い。
夢ではない。
現実だ。
男女間の恋愛過程をすっ飛ばして、肉体関係を持ってしまったというこの現実にどう対処すべきか、みふゆは頭脳をフル回転させた。
結果━━━━
━━━━逃げよう
あまりの衝撃に、みふゆは本来の『正気』を取り戻した。
みふゆは京司朗を起こさぬように、腕の中からの脱出を試みることにした。
まずこの状況から離れる必要がある。話はそれからだ。
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