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侍女のチェルシー
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オーギュスト家は、貴族の中では爵位の低い男爵家でありながら、先祖が羽振りのよい商人だったこともあり、大層裕福なのだとか。
通された屋敷の中には、高価そうな調度品や骨董品が並んでおり、使用人の数が多いことからもその富豪っぷりは歴然としていた。
「まずは我が屋敷の当主にご挨拶いただきます」と、執事に連れてこられた部屋には、六十代位の男性と、アリスの父と同年代の男性がソファーに座っていた。
二人とも仕立ての良い服を着て、きっちりと髪を固めている。
「アリスお嬢様をお連れいたしました」
ジェンキンスが二人にそう告げた後、「アリスです。よろしくお願いします」と丁寧に頭を下げた。
ついでに愛らしく見えるよう、ニコッと微笑んでおくことも忘れない。
今日からこのお屋敷でお世話になるのだから、初対面の印象を良くして、少しでも快適に過ごせるようにしなければ!
「おおっ、この時をどれほど待っていたことか! 確かに妹の面影が残っているな」
「よく来てくれた。両親のことは災難だったが、これからは私のことを父と思い、頼って欲しい」
年配のおじいちゃんの方が、目に涙を溜めてアリスを見ている。
駆け落ちした妹さんを思い出しているんだろうな。
お母さんのお母さんだから、私のおばあちゃんにあたるわけだけれど、本当に似ているかどうかは会ったことがないから謎だよね。
でも何となく、髪はピンク色ではなかったんじゃないかなとは思う。
このおじいちゃんが前当主、まだ若い方が現当主のオーギュスト男爵だそうだが、それってはっきり言ってほぼ他人ではないだろうか。
祖母の兄と、母の従兄弟って、前世では顔も思い出せないほど遠い存在だった気がする。
いきなり「父と思え」とか言われても………それは無理な話だよね?
お父さん、本当は生きてるしなぁ。
しかし、二人とも悪い人には見えなかったので、自然と肩の力は抜けて行った。
男爵との対面が終わると、侍女がアリスを部屋へと案内してくれるという。
まだ年若く、同じ位の年齢に見える侍女に、アリスは村で別れたモニカのことを思い出していた。
アリスの為に用意されていた部屋は、びっくりするほど凝っていて、華やかで可愛らしいものだった。
白を基調とした木製の家具、カーテンやベッドカバーにはパステルカラーの花柄の生地が使われており、ぬいぐるみやクッションも所々に置かれている。
「うわぁ、可愛い! 本当に私がこの部屋を使っていいんですか?」
あまりの豪華さに思わず控えていた侍女に尋ねると、思いのほか砕けた口調が返ってきた。
「もちろんですよぉ。やっぱりヒロインの部屋はこうでなくっちゃ。――ああっ、ようやくアリスのピンク髪が加わって、この部屋がヒロイン専用の完璧な可愛さになったわ!!」
もはやテンションが上がりすぎたのか、お嬢様呼びも忘れ去られ、アリスと呼び捨てにされている。
この侍女も相当な『ときラビ』ファンとみた。
「ええと、あなたのお名前は?」
「ああ、私はアリスお嬢様付きの侍女に選ばれました、チェルシーと申します。遠慮なく『チェルシー!』って呼び付けてくださいね。ヒロインの侍女なんて、モブでも最っ高に幸せです!!」
ピッと敬礼のようなポーズまでされてしまった。
――うん、やっぱりゲームの熱狂的なファンみたいね。
出会ったばかりで、こんなに堂々と明け透けな物言いをしてくる人も珍しい……。
なおもチェルシーは一人で話し続けている。
「私、この日をずっと楽しみにしてたんですよぉ。アリスお嬢様の見た目がヒロインそのもので、もう私はテンションアゲアゲです!! ああ、学園に私も通えたら、推しを近くで見られるのになぁ。推しの宰相の息子とぜひラブラブになってくださいね!!」
テンションアゲアゲって……。
久々に聞いたな。
この子が『宰相の息子推し』っていうのは、少し予想外だったけれど、今までみんな別の人を私に推してくるところがすごいよね。
プレイしたことはなかったけれど、魅力的な攻略対象が多いってことは、『ときラビ』って良くできた乙女ゲームだったんだろうな。
これから自分が出会う人たちにも関わらず、アリスは思いっきり他人事のように考えていた。
「私って、学園に通うんですよね?」
「そりゃあそうですよ! 学園に行かなきゃ何も始まらないですしね。あ、私に敬語はナシでお願いします!」
「わ、わかったわ。それで、私はいつから学園に通うの?」
「明後日です」
え、明後日!?
昨日両親が亡くなって、明後日には学校に行くの?
この世界に忌引きがないにしても、相変わらず展開が早いな……。
「せっかく可愛いお部屋にしたのに、今回はあまり使ってもらえなくて残念ですよぉ。ま、休暇がありますけどね」
ん?
あまり使ってもらえない?
「どうして? 私、部屋が変わるの?」
不思議に思って訊いてみたら、チェルシーも首を傾げた。
「だって、お嬢様はヒロインだから学園の寮に入るじゃないですか。私の出番、短すぎませんかね?」
チェルシーがブツブツと文句を言っているが、それどころではなかった。
寮!?
私って寮に入るの?
せっかくこのお部屋を気に入ったのに、地味にショックだわ……。
言葉をなくしていると、チェルシーが「もしかして……」と話しかけてきた。
「アリスお嬢様って、あまり『ときラビ』ガチ勢じゃなかったんですか?」
「うん。ガチ勢じゃないどころか、プレイしたことすらないの」
アリスが正直に打ち明けると、チェルシーの顎が外れそうなほどガクッと落ちた。
え、そんな驚き方する!?
漫画的だな……。
プルプルと震え出したチェルシーは、次の瞬間部屋の外へと走り出していた。
「旦那様~、旦那様~、大変ですーっ!! お嬢様が、お嬢様がーーーっ!!」
大声で叫び、男爵の元へと駆けて行ってしまう。
慌てて後を追い、チェルシーに追い付いた時だった。
「はいっ! 私も学園に潜入し、ヒロインのサポートをしたいですっ!!」
そこには手を挙げて、男爵に直訴するチェルシーの姿があった。
「そうだな……。私たちには、何があろうとヒロインをハッピーエンドへ導く義務があるのだ。チェルシー、心して励むように!!」
「私にお任せください、旦那様!!」
『イエッサー!』とばかりに、チェルシーがまたもや敬礼している。
よくわからない内に、侍女のチェルシーも一緒に学園へ通うことになったようだ。
心強いかもと少し嬉しかったアリスだが、「やったー!! 推しに会えるー!!」と浮かれている姿を見て、一気に不安になったのだった。
通された屋敷の中には、高価そうな調度品や骨董品が並んでおり、使用人の数が多いことからもその富豪っぷりは歴然としていた。
「まずは我が屋敷の当主にご挨拶いただきます」と、執事に連れてこられた部屋には、六十代位の男性と、アリスの父と同年代の男性がソファーに座っていた。
二人とも仕立ての良い服を着て、きっちりと髪を固めている。
「アリスお嬢様をお連れいたしました」
ジェンキンスが二人にそう告げた後、「アリスです。よろしくお願いします」と丁寧に頭を下げた。
ついでに愛らしく見えるよう、ニコッと微笑んでおくことも忘れない。
今日からこのお屋敷でお世話になるのだから、初対面の印象を良くして、少しでも快適に過ごせるようにしなければ!
「おおっ、この時をどれほど待っていたことか! 確かに妹の面影が残っているな」
「よく来てくれた。両親のことは災難だったが、これからは私のことを父と思い、頼って欲しい」
年配のおじいちゃんの方が、目に涙を溜めてアリスを見ている。
駆け落ちした妹さんを思い出しているんだろうな。
お母さんのお母さんだから、私のおばあちゃんにあたるわけだけれど、本当に似ているかどうかは会ったことがないから謎だよね。
でも何となく、髪はピンク色ではなかったんじゃないかなとは思う。
このおじいちゃんが前当主、まだ若い方が現当主のオーギュスト男爵だそうだが、それってはっきり言ってほぼ他人ではないだろうか。
祖母の兄と、母の従兄弟って、前世では顔も思い出せないほど遠い存在だった気がする。
いきなり「父と思え」とか言われても………それは無理な話だよね?
お父さん、本当は生きてるしなぁ。
しかし、二人とも悪い人には見えなかったので、自然と肩の力は抜けて行った。
男爵との対面が終わると、侍女がアリスを部屋へと案内してくれるという。
まだ年若く、同じ位の年齢に見える侍女に、アリスは村で別れたモニカのことを思い出していた。
アリスの為に用意されていた部屋は、びっくりするほど凝っていて、華やかで可愛らしいものだった。
白を基調とした木製の家具、カーテンやベッドカバーにはパステルカラーの花柄の生地が使われており、ぬいぐるみやクッションも所々に置かれている。
「うわぁ、可愛い! 本当に私がこの部屋を使っていいんですか?」
あまりの豪華さに思わず控えていた侍女に尋ねると、思いのほか砕けた口調が返ってきた。
「もちろんですよぉ。やっぱりヒロインの部屋はこうでなくっちゃ。――ああっ、ようやくアリスのピンク髪が加わって、この部屋がヒロイン専用の完璧な可愛さになったわ!!」
もはやテンションが上がりすぎたのか、お嬢様呼びも忘れ去られ、アリスと呼び捨てにされている。
この侍女も相当な『ときラビ』ファンとみた。
「ええと、あなたのお名前は?」
「ああ、私はアリスお嬢様付きの侍女に選ばれました、チェルシーと申します。遠慮なく『チェルシー!』って呼び付けてくださいね。ヒロインの侍女なんて、モブでも最っ高に幸せです!!」
ピッと敬礼のようなポーズまでされてしまった。
――うん、やっぱりゲームの熱狂的なファンみたいね。
出会ったばかりで、こんなに堂々と明け透けな物言いをしてくる人も珍しい……。
なおもチェルシーは一人で話し続けている。
「私、この日をずっと楽しみにしてたんですよぉ。アリスお嬢様の見た目がヒロインそのもので、もう私はテンションアゲアゲです!! ああ、学園に私も通えたら、推しを近くで見られるのになぁ。推しの宰相の息子とぜひラブラブになってくださいね!!」
テンションアゲアゲって……。
久々に聞いたな。
この子が『宰相の息子推し』っていうのは、少し予想外だったけれど、今までみんな別の人を私に推してくるところがすごいよね。
プレイしたことはなかったけれど、魅力的な攻略対象が多いってことは、『ときラビ』って良くできた乙女ゲームだったんだろうな。
これから自分が出会う人たちにも関わらず、アリスは思いっきり他人事のように考えていた。
「私って、学園に通うんですよね?」
「そりゃあそうですよ! 学園に行かなきゃ何も始まらないですしね。あ、私に敬語はナシでお願いします!」
「わ、わかったわ。それで、私はいつから学園に通うの?」
「明後日です」
え、明後日!?
昨日両親が亡くなって、明後日には学校に行くの?
この世界に忌引きがないにしても、相変わらず展開が早いな……。
「せっかく可愛いお部屋にしたのに、今回はあまり使ってもらえなくて残念ですよぉ。ま、休暇がありますけどね」
ん?
あまり使ってもらえない?
「どうして? 私、部屋が変わるの?」
不思議に思って訊いてみたら、チェルシーも首を傾げた。
「だって、お嬢様はヒロインだから学園の寮に入るじゃないですか。私の出番、短すぎませんかね?」
チェルシーがブツブツと文句を言っているが、それどころではなかった。
寮!?
私って寮に入るの?
せっかくこのお部屋を気に入ったのに、地味にショックだわ……。
言葉をなくしていると、チェルシーが「もしかして……」と話しかけてきた。
「アリスお嬢様って、あまり『ときラビ』ガチ勢じゃなかったんですか?」
「うん。ガチ勢じゃないどころか、プレイしたことすらないの」
アリスが正直に打ち明けると、チェルシーの顎が外れそうなほどガクッと落ちた。
え、そんな驚き方する!?
漫画的だな……。
プルプルと震え出したチェルシーは、次の瞬間部屋の外へと走り出していた。
「旦那様~、旦那様~、大変ですーっ!! お嬢様が、お嬢様がーーーっ!!」
大声で叫び、男爵の元へと駆けて行ってしまう。
慌てて後を追い、チェルシーに追い付いた時だった。
「はいっ! 私も学園に潜入し、ヒロインのサポートをしたいですっ!!」
そこには手を挙げて、男爵に直訴するチェルシーの姿があった。
「そうだな……。私たちには、何があろうとヒロインをハッピーエンドへ導く義務があるのだ。チェルシー、心して励むように!!」
「私にお任せください、旦那様!!」
『イエッサー!』とばかりに、チェルシーがまたもや敬礼している。
よくわからない内に、侍女のチェルシーも一緒に学園へ通うことになったようだ。
心強いかもと少し嬉しかったアリスだが、「やったー!! 推しに会えるー!!」と浮かれている姿を見て、一気に不安になったのだった。
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