136 / 317
第9章 明かされた真実編
①一触即発
しおりを挟む
「あれ?エルもシュウも、ふたりでこんな所に突っ立ってどうしたの?」
ギルドに向かっていた俺は、到着を前にしてふたりが外で立ち尽くしているのが目に入った。心配そうで、驚いた顔・・どうかしたのだろうか。
「あ・・ああ、レノ・・いや、カイルとクリスが突然消えたんだ・・たぶん転移魔法だ。カイルは転移魔法は使えない・・おそらくクリスがカイルを連れて行った・・」
「え・・どうして・・?」
嫌な予感しかない・・ふたりがどうして?場所を変えなくてはいけない理由・・まさか!
「あのふたりは以前から牽制し合っていたから・・何か話し合うのかもね」
レオは自分の正体を明かすつもりだ。きっと俺との関係を話すことも覚悟の上なんだ。
話し合いならそれでいい、でももし傷付け合ってしまったら!
「俺!探してくる!ふたりはギルドで待ってて!」
俺は走って路地に入っていくと、追いかけて来るふたりの視界を遮って、転移魔法を行使した。
森の中の開けた場所でレオとカイルが向かい合っていた。
まずい・・すでに攻撃魔法が仕掛けられている。
「やめて!!ふたりとも!」
俺は夢中で走っていき、ふたりの間に立って攻撃を制止した。
ふたりが放った強力な攻撃は、俺に当たる前にレオが張った障壁が弾いて暴発した。
「「レノ!」」
「何してるの!?ふたりとも!やめてよ!」
ふたりは俺に近づいて来て、心配そうに手を伸ばそうとする。俺はそれを避けるように数歩下がってふたりを見る。
レオはまだクリスさんの姿だ・・どこまで話したの?何をしようとしているの?
「レノ、離れてろ。これは俺たちの問題だ」
カイルがレオを視界に捉えながらも、俺を労わっているのがわかる。
「何が問題だって言うんだよ!傷つけあうのを黙って見てろって言うの!?そんな事、出来るはずないでしょ!?」
「俺はお前を愛してるよ。お前を失いたくない。きっと、それが問題なんだ・・クリス、そろそろ明かせ、もういいだろ?」
カイルがレオに向かってまっすぐに見た。
何か、覚悟しているような、そんな目をしている。
「カイル・・いや、ヒューベルト。お前が他国の王族でなければすぐにでも殺していた」
そう言うとレオは変身魔法を解いて、本来のレオの姿に戻った。
「は・・?レオナルド、様?いや・・嘘、だろ?」
カイルが驚いている。目を見開いて、レオをじっと見たまま動かない。
「久しぶりだな、ヒューベルト。私たちの結婚式以来だ」
レオが、とんでもない程の威圧でカイルを睨んでいる。
「え・・レノ・・お前、お前は・・」
どうしよう・・こんな展開、想定してなかった・・カイルが、考えを巡らせるような顔で、なかなか言葉が出ないまま、俺を見つめる。
それから深く息を吐いて整えると、俺に向かって静かに言った。
「セス、様・・?」
言いながら、諦めた表情を見せて顔を顰めた。
「カイル・・ごめんなさい。俺どうしても、この事だけは言えなかった・・騙してるって分かっていても、レオに迷惑だけは掛けたくなかった・・離婚していたとしても、俺がレオの障害になる事だけは避けたかったから!」
結婚式を盛大に開いてパレードもした。街の人の中には俺を知る人だっているだろう。
「セス様は・・男性のはずでは・・?なぜ女性の姿に」
俺は、もう隠すことなく西国タリアネシアの魔女ウィリアにかけられた呪術の事も、精神汚染魔法の事も全て話した。
「セス、私と城へ戻るよ・・もう遊びはおしまいだ」
レオが俺の肩を抱く。城へ?俺の帰る場所はもうないよ。俺はもう誰のものでもないんだ。レオとはもう会わないって、そう何度も言った。
「レオ、もう帰って!もう会わないって何度も言ったでしょ?俺たちはもう離婚しているんだから、もう終わりにしたいんだ!レオ、恋人と・・幸せになって・・」
俺はレオの手から逃れて離れる。
これでいい。レオを忘れて生きるって決めたんだから。
そう言ってレオに背を向けようとした時に、キラキラと羽を羽ばたかせて妖精が飛んできた。
ギルドに向かっていた俺は、到着を前にしてふたりが外で立ち尽くしているのが目に入った。心配そうで、驚いた顔・・どうかしたのだろうか。
「あ・・ああ、レノ・・いや、カイルとクリスが突然消えたんだ・・たぶん転移魔法だ。カイルは転移魔法は使えない・・おそらくクリスがカイルを連れて行った・・」
「え・・どうして・・?」
嫌な予感しかない・・ふたりがどうして?場所を変えなくてはいけない理由・・まさか!
「あのふたりは以前から牽制し合っていたから・・何か話し合うのかもね」
レオは自分の正体を明かすつもりだ。きっと俺との関係を話すことも覚悟の上なんだ。
話し合いならそれでいい、でももし傷付け合ってしまったら!
「俺!探してくる!ふたりはギルドで待ってて!」
俺は走って路地に入っていくと、追いかけて来るふたりの視界を遮って、転移魔法を行使した。
森の中の開けた場所でレオとカイルが向かい合っていた。
まずい・・すでに攻撃魔法が仕掛けられている。
「やめて!!ふたりとも!」
俺は夢中で走っていき、ふたりの間に立って攻撃を制止した。
ふたりが放った強力な攻撃は、俺に当たる前にレオが張った障壁が弾いて暴発した。
「「レノ!」」
「何してるの!?ふたりとも!やめてよ!」
ふたりは俺に近づいて来て、心配そうに手を伸ばそうとする。俺はそれを避けるように数歩下がってふたりを見る。
レオはまだクリスさんの姿だ・・どこまで話したの?何をしようとしているの?
「レノ、離れてろ。これは俺たちの問題だ」
カイルがレオを視界に捉えながらも、俺を労わっているのがわかる。
「何が問題だって言うんだよ!傷つけあうのを黙って見てろって言うの!?そんな事、出来るはずないでしょ!?」
「俺はお前を愛してるよ。お前を失いたくない。きっと、それが問題なんだ・・クリス、そろそろ明かせ、もういいだろ?」
カイルがレオに向かってまっすぐに見た。
何か、覚悟しているような、そんな目をしている。
「カイル・・いや、ヒューベルト。お前が他国の王族でなければすぐにでも殺していた」
そう言うとレオは変身魔法を解いて、本来のレオの姿に戻った。
「は・・?レオナルド、様?いや・・嘘、だろ?」
カイルが驚いている。目を見開いて、レオをじっと見たまま動かない。
「久しぶりだな、ヒューベルト。私たちの結婚式以来だ」
レオが、とんでもない程の威圧でカイルを睨んでいる。
「え・・レノ・・お前、お前は・・」
どうしよう・・こんな展開、想定してなかった・・カイルが、考えを巡らせるような顔で、なかなか言葉が出ないまま、俺を見つめる。
それから深く息を吐いて整えると、俺に向かって静かに言った。
「セス、様・・?」
言いながら、諦めた表情を見せて顔を顰めた。
「カイル・・ごめんなさい。俺どうしても、この事だけは言えなかった・・騙してるって分かっていても、レオに迷惑だけは掛けたくなかった・・離婚していたとしても、俺がレオの障害になる事だけは避けたかったから!」
結婚式を盛大に開いてパレードもした。街の人の中には俺を知る人だっているだろう。
「セス様は・・男性のはずでは・・?なぜ女性の姿に」
俺は、もう隠すことなく西国タリアネシアの魔女ウィリアにかけられた呪術の事も、精神汚染魔法の事も全て話した。
「セス、私と城へ戻るよ・・もう遊びはおしまいだ」
レオが俺の肩を抱く。城へ?俺の帰る場所はもうないよ。俺はもう誰のものでもないんだ。レオとはもう会わないって、そう何度も言った。
「レオ、もう帰って!もう会わないって何度も言ったでしょ?俺たちはもう離婚しているんだから、もう終わりにしたいんだ!レオ、恋人と・・幸せになって・・」
俺はレオの手から逃れて離れる。
これでいい。レオを忘れて生きるって決めたんだから。
そう言ってレオに背を向けようとした時に、キラキラと羽を羽ばたかせて妖精が飛んできた。
19
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
2026/02/14 累計30万P突破御礼バレンタインSS追加しました
2026/02/15 累計いいね♡7777突破御礼SS 19時に公開します。
様々な形での応援ありがとうございます!
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる