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第1章 王宮編
②なんでこんなことになった!?
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謁見の間に、チリチリと電気が走るような不快な音が響いた。
魔女が放った攻撃から守るように、レオの前に立ちはだかった瞬間、背中に激しい衝撃を受けた。
「あぅっ!くっ・・」
心臓が弾けるような感覚がして一瞬息を詰めると、背中が焼け付くように激しく痛み、服が焼き焦げる匂いがした。
レオが片手で頭を抑え、驚いた顔から徐々に厳しさを帯びたような目を俺に向けた。
俺は両手で掴んでいたレオの腕を離し、一歩後退る。
力を失ってその場に座り込み、耐えられず目を伏せた。
一度顔を上げてレオを見上げたけれど、苦しくて涙が出そうになってまた俯いた。
「レ・・オ・・」
レオはそんな俺に手を伸ばすこともしないで、苦痛そうな表情のまま俺から視線を外した。
なんだ・・?
体がおかしい?
苦しい・・動悸が収まらない。
体が握り潰されるような感覚・・
意識を保っていられない・・
レオ・・助けて・・
俺はそのまま床に倒れ込み、そのまま意識を失ってしまった。
可憐な少女だったはずの女は、淡い紫髪の魔女に姿を変え、悔しげにセスを見下げて杖を向ける。
そして体から禍々しい紫色の電流をビシビシと爆ぜさせると怒りに満ちた表情で言った。
「なによお前!せっかくレオナルド様に放った呪術を庇うなんて!」
5人の近衛兵が魔女を取り囲み、詰め寄る。
その瞬間、後方から放たれた魔法が杖を弾き、拘束魔法が魔女を捕らえた。
「無駄よ!こんなもの私に通用しないわ!レオナルド様、いい加減私の恋人になって!誰にも渡さない!愛してるのよ!ずっと!」
「私がお前のものに?なる訳がないだろう?私はセスしか愛せない。セスにかけた呪術を解け!」
私は激しい嫌悪感を感じて、魔女ウィリアに言い放った。
「残念ね、呪術はもう私では解けないわ!それにそれはもう、あなたの愛する男じゃない!」
セスは体を丸めたまま、冷たい床に倒れている。青年だったはずの体は小さくなり、まるで女の子のようだった。
着ていた王宮薬剤魔法師の制服は、女性の体には大きすぎる・・袖からは指先の半分も見えておらず、襟元からは胸元がはだけていた。
私は、治癒魔法でセスの背中にできた傷を癒した。それから着ていた上着を脱ぎ、意識を失ったセスに丁寧に掛け、横抱きにして優しく抱きしめた。
「お前は、これまで幾度となく私の前に現れ、心を求めた・・だか一度たりとも私の心に届くことなど無かった。この先も私の心がお前に落ちることは無い。お前を殺せば呪術が解けるはずだ。それならば躊躇するまでもない!」
私は複雑な魔法陣を浮かび上がらせると、魔女に目掛けて攻撃魔法を放った。
ギンッと空気が揺れ、纏う衣服が風圧で靡く。
私の怒りを表すかのように鋭い光が膨らんで、魔女に向かって勢いよく飛んだ。
それに合わせて、謁見の間の王座に座るアンティジェリア王国の国王を守るように、第1王子であるグレッグ兄上が防御魔法を張った。
それは複雑な美しい造形の魔法陣で、グレッグ兄上の髪と同じ鮮やかな赤色を帯びていた。
魔女が放った攻撃から守るように、レオの前に立ちはだかった瞬間、背中に激しい衝撃を受けた。
「あぅっ!くっ・・」
心臓が弾けるような感覚がして一瞬息を詰めると、背中が焼け付くように激しく痛み、服が焼き焦げる匂いがした。
レオが片手で頭を抑え、驚いた顔から徐々に厳しさを帯びたような目を俺に向けた。
俺は両手で掴んでいたレオの腕を離し、一歩後退る。
力を失ってその場に座り込み、耐えられず目を伏せた。
一度顔を上げてレオを見上げたけれど、苦しくて涙が出そうになってまた俯いた。
「レ・・オ・・」
レオはそんな俺に手を伸ばすこともしないで、苦痛そうな表情のまま俺から視線を外した。
なんだ・・?
体がおかしい?
苦しい・・動悸が収まらない。
体が握り潰されるような感覚・・
意識を保っていられない・・
レオ・・助けて・・
俺はそのまま床に倒れ込み、そのまま意識を失ってしまった。
可憐な少女だったはずの女は、淡い紫髪の魔女に姿を変え、悔しげにセスを見下げて杖を向ける。
そして体から禍々しい紫色の電流をビシビシと爆ぜさせると怒りに満ちた表情で言った。
「なによお前!せっかくレオナルド様に放った呪術を庇うなんて!」
5人の近衛兵が魔女を取り囲み、詰め寄る。
その瞬間、後方から放たれた魔法が杖を弾き、拘束魔法が魔女を捕らえた。
「無駄よ!こんなもの私に通用しないわ!レオナルド様、いい加減私の恋人になって!誰にも渡さない!愛してるのよ!ずっと!」
「私がお前のものに?なる訳がないだろう?私はセスしか愛せない。セスにかけた呪術を解け!」
私は激しい嫌悪感を感じて、魔女ウィリアに言い放った。
「残念ね、呪術はもう私では解けないわ!それにそれはもう、あなたの愛する男じゃない!」
セスは体を丸めたまま、冷たい床に倒れている。青年だったはずの体は小さくなり、まるで女の子のようだった。
着ていた王宮薬剤魔法師の制服は、女性の体には大きすぎる・・袖からは指先の半分も見えておらず、襟元からは胸元がはだけていた。
私は、治癒魔法でセスの背中にできた傷を癒した。それから着ていた上着を脱ぎ、意識を失ったセスに丁寧に掛け、横抱きにして優しく抱きしめた。
「お前は、これまで幾度となく私の前に現れ、心を求めた・・だか一度たりとも私の心に届くことなど無かった。この先も私の心がお前に落ちることは無い。お前を殺せば呪術が解けるはずだ。それならば躊躇するまでもない!」
私は複雑な魔法陣を浮かび上がらせると、魔女に目掛けて攻撃魔法を放った。
ギンッと空気が揺れ、纏う衣服が風圧で靡く。
私の怒りを表すかのように鋭い光が膨らんで、魔女に向かって勢いよく飛んだ。
それに合わせて、謁見の間の王座に座るアンティジェリア王国の国王を守るように、第1王子であるグレッグ兄上が防御魔法を張った。
それは複雑な美しい造形の魔法陣で、グレッグ兄上の髪と同じ鮮やかな赤色を帯びていた。
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