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第二章
33.冷やかす声
しおりを挟むえ、私……。
いまフラれたの……?
男が愛して止まないモテ女のこの私が?
全校生徒が注目してる中で胸をドキドキさせながら勇気を出して告白した私に対して『あんたに興味ないから』って。
生まれて此の方、恋には全勝無敗のLOVE HUNTERの私が地味なメガネくんに?
嘘でしょ……。
和葉はフラれたショックで全身の血の気が引いていく。
無言でフラついた足は三歩踏み下がり、四歩目で校庭側にくるりと背中を向けて階段扉手前へと駆け込んで扉の手前にしゃがみ込んだ。
告白の返事を甘く見ていたせいか、とてつもないほど後悔の波が押し寄せていた。
柵の向こう側から姿を消しても、生徒達の興奮は冷め止まない。
嘲笑ってる声や、奴を冷やかしている声。
扉のすぐ横にしゃがみこんでいる私の耳まで届いてくる。
陰口や嫌味は言われ慣れてるけど……。
精神的なダメージを負ってる今は、心無い笑い声が槍のように降り注いでくる。
ムカつく……。
みんなは私の努力なんて何一つ知らないクセに。
無視されたり冷たくあしらわれても、奴に顔と名前を覚えてもらう為に毎日一時間おきにクラスに出向いたし、ヘタりそうになっても気を持ち直しながら血の滲む努力を重ねていたのに。
ちくしょー。
これでも人生初の告白を一生懸命頑張ったんだよ。
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お金の為とはいえ、今回ばかりは人生の年表に残りそうなほどのショックを受けた。
悔し涙は抑えきれない。
手の甲で拭っても、次の涙がスタンバイしている。
フラれた後の事まで考えてなかった。
だって、告白は絶対に成功するものだと思っていたから。
和葉は混乱するばかりで気持ちに収集がつかない。
浅はかな考えの自分が憎くなり、後悔の念に苛まれた。
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冷酷な悪魔のひとことによって、十七年間守り通してきたプライドという翼の片方が根元から折れてしまった。
好きでもない男にフラれて人生初めての苦痛を味わい、この先見通しのつかない日々と戦わなければいけなくなった。
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