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70.再生の破壊者
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わかりやすいくらいに、カエデは格闘していた。
大戦斧の有効射程より遠くよりもっと接近して銃口を身体に密着させて発砲するしかマグナの装甲を突破する方法はない。
だから、両手にサブマシンガンを構えて地面を舞っていた。
致命傷を防ぐために使った盾は残り二個になった。
身体強化魔法で高速移動していたが、残りMPも少ない。
「ちょこまかちょこまか!決めてやる!」
「……?」
カエデの射撃を少し受けながらも回避は一級物、マグナは空中に浮遊した。
これでは接近はできないが向こうも飛び道具は持ち合わせていない。
よってこちらが有利。
しかし何故浮いた?
「我が爆神の力を以て……」
「……!」
マグナが大戦斧を両手で持ち、天に掲げると、彼女を中心に赤色半透明のバリア系魔術のような物を展開、大戦斧周りの空気が歪み始めた。
あれはエーテル場の乱れから生じる歪みだ。
直感が逃げろと言っている。
何か、デカい一撃を予感した。
後ろに下がる。
幸いか、周囲はマグナの大戦斧爆発で平地になっていた。走りやすい。
「完全出力ならこのバリアでももたないだろうけど、この世界ならわたしたち姉妹が最強!完全に灰も残さず消えるがいい、『固有技:タンダルト・イズナ』消えろ!」
多分逃げ道は無い!
極限に距離を取ろうと後ろに移動するが、きっと間に合わない。
マグナは降下した。
あれほどの歪み、自分も鳥肌を感じるほどの悪寒、大禁忌術には到達しないだろうが、だって隣、城だし。
でも、城に結界とかそんなものがあれば……ここは逃げても仕方がない。
カエデはマグナの方に身体を向けて、直進した。
これが最後の魔力だ、尽きたら殺してくれ。
「自ら死にに来たか!おねえちゃんの代わりに笑ってや……」
「…………」
そしてその大戦斧は満を持して爆裂。
耳は鼓膜を貫かれるような轟音がただ響き、視界もハッキリせず何が起こっているのか、ただ爆発だとわかる。
数十秒後。
「身体がほとんど動かないな、あいつはやったか?」
マグナが前方に、地面に刺さる盾を確認、それは半分が失われ、使用者は絶命したと報告しているようだった。
それ以外は果てになった、荒地、本人もバリアを持ってしても大量の血液を流し、このままでは絶命してしまう。
「やった……やったよおねえちゃん!」
マグナはヨレヨレの足をどうにかしてから、右手にストレージから一リットルは入りそうな瓶を取り出した。
中身は美しい輝きを持つ液体だつた。
そのコルクの蓋を開けようとした時、地面に影が見えた気がした。
それは次第に大きくなっていた。
マグナの心臓が大きく鼓動、身体を揺らした。戦いはまだ終わっていないのだと。
上に首を向ける。
そうか、と納得した。
マグナは瓶を手放し、大戦斧を構えて迎撃に入った。
落ちてくる何か、きつとアイツだとマグナは思った。
そして着地を見事に切断した。
「馬鹿な!」
「……!」
それはもう1つ、最後の盾、綺麗に二つになったところで、マグナの横から斑模様のステルス効果を受けたカエデの回し蹴りが顔を捉えた。フォロースルー直後の一撃、回避不可能だった。
それは美しく、完璧に芸術作品として写真を撮りたくなるほどのものだった。
打ち付けた音は大して響かないが、その衝撃を感じたカエデはいつも通り、完璧だと自負した。
「ぐぅ!」
地面に倒れた瞬間を見逃さずに上から乗る。
背中から乗れたので、とりあえずサブマシンガンをストレージから装備して銃口を押し付ける。
「や、やめ……」
「……?」
あぁごめん、もうトリガー引いてた。
マガジンから弾が無くなるまで連射、ゼロ距離より、発砲、絶叫と高揚、この恨みは弾が尽きるまで無くならない。
とりあえず36発、血液噴射が全身を覆った。
まだ辞めない。
次はこれだと対物ライフルを構えたいが、長い、しょうがないから立ち上がり、左足で彼女の頭を踏み、銃口を首筋に押し付ける。足危ないかも。
「ああああああああ、や、やめて、て、て…………痛い、痛い!」
声のボリュームが大小様々だし、発砲中は神経を傷つけたのか大暴れするし。
さて、ここでもう終わらせよう。
「……ぁああ」
「……?」
最後にもう一つ瓶を取り出した所で狂か興が覚めた。
ーーーーーー
カエデは爆発寸前で盾を一つ地面に刺し、強化された身体で跳躍した。
そして爆発、これは最後の盾で防いだ。
その衝撃であまりにも上空に飛んでしまった。
身体が焼けそうだっだ。
一瞬あの世を見た気がするが、わからない。
そして降下、盾を持ちつつ降下。
最後に盾から離れてステルス起動、からの義務教育のループアウト使用で安全っぽく着地、ここでMPが完全に切れた。故にステルスが不完全となり斑模様になってしまった。
逃げ場が上しかないと思った行動だったが、勝てばいいのだ。
「……」
嫌いだ、同じ殺しだか、こんな目の前で死んでしまうのは。
出来れば私の知らない遠くで、勝手に死んでくれ。
「はぁ……」
カエデは瀕死のマグナから瓶を奪い、中身を確認した。
「や……めて……?」
「……!」
目を疑ったが、それは間違いなく『再生水』だった。
暫く足を止めいた、何もかも希望だったそれは、カエデの思考回路を止めていた。
いかんいかん、まず用途を思い出すんだ、そうだ!喉だ!
ナイフを取り出してコルクをきょぽん!外して、頭からダラダラと浴びる。
気分がいい、痛み、邪念、全てから解放されるようだった。
そして、気がつくと「早くオトメにこれを届けないと」と声が出ていた。
喜びが溢れた、一年も声を出していなかったからか、高揚でもう一つの瓶をもって城内に走った。
大戦斧の有効射程より遠くよりもっと接近して銃口を身体に密着させて発砲するしかマグナの装甲を突破する方法はない。
だから、両手にサブマシンガンを構えて地面を舞っていた。
致命傷を防ぐために使った盾は残り二個になった。
身体強化魔法で高速移動していたが、残りMPも少ない。
「ちょこまかちょこまか!決めてやる!」
「……?」
カエデの射撃を少し受けながらも回避は一級物、マグナは空中に浮遊した。
これでは接近はできないが向こうも飛び道具は持ち合わせていない。
よってこちらが有利。
しかし何故浮いた?
「我が爆神の力を以て……」
「……!」
マグナが大戦斧を両手で持ち、天に掲げると、彼女を中心に赤色半透明のバリア系魔術のような物を展開、大戦斧周りの空気が歪み始めた。
あれはエーテル場の乱れから生じる歪みだ。
直感が逃げろと言っている。
何か、デカい一撃を予感した。
後ろに下がる。
幸いか、周囲はマグナの大戦斧爆発で平地になっていた。走りやすい。
「完全出力ならこのバリアでももたないだろうけど、この世界ならわたしたち姉妹が最強!完全に灰も残さず消えるがいい、『固有技:タンダルト・イズナ』消えろ!」
多分逃げ道は無い!
極限に距離を取ろうと後ろに移動するが、きっと間に合わない。
マグナは降下した。
あれほどの歪み、自分も鳥肌を感じるほどの悪寒、大禁忌術には到達しないだろうが、だって隣、城だし。
でも、城に結界とかそんなものがあれば……ここは逃げても仕方がない。
カエデはマグナの方に身体を向けて、直進した。
これが最後の魔力だ、尽きたら殺してくれ。
「自ら死にに来たか!おねえちゃんの代わりに笑ってや……」
「…………」
そしてその大戦斧は満を持して爆裂。
耳は鼓膜を貫かれるような轟音がただ響き、視界もハッキリせず何が起こっているのか、ただ爆発だとわかる。
数十秒後。
「身体がほとんど動かないな、あいつはやったか?」
マグナが前方に、地面に刺さる盾を確認、それは半分が失われ、使用者は絶命したと報告しているようだった。
それ以外は果てになった、荒地、本人もバリアを持ってしても大量の血液を流し、このままでは絶命してしまう。
「やった……やったよおねえちゃん!」
マグナはヨレヨレの足をどうにかしてから、右手にストレージから一リットルは入りそうな瓶を取り出した。
中身は美しい輝きを持つ液体だつた。
そのコルクの蓋を開けようとした時、地面に影が見えた気がした。
それは次第に大きくなっていた。
マグナの心臓が大きく鼓動、身体を揺らした。戦いはまだ終わっていないのだと。
上に首を向ける。
そうか、と納得した。
マグナは瓶を手放し、大戦斧を構えて迎撃に入った。
落ちてくる何か、きつとアイツだとマグナは思った。
そして着地を見事に切断した。
「馬鹿な!」
「……!」
それはもう1つ、最後の盾、綺麗に二つになったところで、マグナの横から斑模様のステルス効果を受けたカエデの回し蹴りが顔を捉えた。フォロースルー直後の一撃、回避不可能だった。
それは美しく、完璧に芸術作品として写真を撮りたくなるほどのものだった。
打ち付けた音は大して響かないが、その衝撃を感じたカエデはいつも通り、完璧だと自負した。
「ぐぅ!」
地面に倒れた瞬間を見逃さずに上から乗る。
背中から乗れたので、とりあえずサブマシンガンをストレージから装備して銃口を押し付ける。
「や、やめ……」
「……?」
あぁごめん、もうトリガー引いてた。
マガジンから弾が無くなるまで連射、ゼロ距離より、発砲、絶叫と高揚、この恨みは弾が尽きるまで無くならない。
とりあえず36発、血液噴射が全身を覆った。
まだ辞めない。
次はこれだと対物ライフルを構えたいが、長い、しょうがないから立ち上がり、左足で彼女の頭を踏み、銃口を首筋に押し付ける。足危ないかも。
「ああああああああ、や、やめて、て、て…………痛い、痛い!」
声のボリュームが大小様々だし、発砲中は神経を傷つけたのか大暴れするし。
さて、ここでもう終わらせよう。
「……ぁああ」
「……?」
最後にもう一つ瓶を取り出した所で狂か興が覚めた。
ーーーーーー
カエデは爆発寸前で盾を一つ地面に刺し、強化された身体で跳躍した。
そして爆発、これは最後の盾で防いだ。
その衝撃であまりにも上空に飛んでしまった。
身体が焼けそうだっだ。
一瞬あの世を見た気がするが、わからない。
そして降下、盾を持ちつつ降下。
最後に盾から離れてステルス起動、からの義務教育のループアウト使用で安全っぽく着地、ここでMPが完全に切れた。故にステルスが不完全となり斑模様になってしまった。
逃げ場が上しかないと思った行動だったが、勝てばいいのだ。
「……」
嫌いだ、同じ殺しだか、こんな目の前で死んでしまうのは。
出来れば私の知らない遠くで、勝手に死んでくれ。
「はぁ……」
カエデは瀕死のマグナから瓶を奪い、中身を確認した。
「や……めて……?」
「……!」
目を疑ったが、それは間違いなく『再生水』だった。
暫く足を止めいた、何もかも希望だったそれは、カエデの思考回路を止めていた。
いかんいかん、まず用途を思い出すんだ、そうだ!喉だ!
ナイフを取り出してコルクをきょぽん!外して、頭からダラダラと浴びる。
気分がいい、痛み、邪念、全てから解放されるようだった。
そして、気がつくと「早くオトメにこれを届けないと」と声が出ていた。
喜びが溢れた、一年も声を出していなかったからか、高揚でもう一つの瓶をもって城内に走った。
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