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50.普通の人
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完全に普通の人かそれ以下に成り下がった僕、片目キョウスケですよろしくお願いします。
「何をボケっとしてんの?まるで自分をカタメキョウスケって言いたいの?」
「は、はぁ!?ち、違うし!だ、誰だよカタメって!」
「カタメさん、昨日より体が動くって今朝言っていたじゃないですか、行きますよ」
「ほらカタメ君、エイルちゃんにも言われてる、まず真っ直ぐ歩こうか」
包帯を新しくし、気分爽快で壁に衝突し、剣を装備する。
恐らく僕は足でまといだからエイルとキリカの盾役に専念しよう。
と!今は準備が完了し、家を出るところだ。
「今朝言った通り、カニバ族は恐らく地下の西側のスラムの付近にいるだろう。アサガサも向かわせようか?」
「はい、私ならカタメ様より剣として利便性を……」
「お前もか!いらんいらん!三人でなんとかしてみせる!」
見ていてくれキョウスケ、サクッと終わらせてお前もどうにかして取り返す。
まずストレージしか使えなくなってるし、再生したら元に戻るのかな?
「よし!じゃあ行くか!」
カタメキョウスケ、ここに見参。
僕らはマントを身につけ、そのまま地下に向かい、西側に進行、作戦は前に出るのが僕とキリカ、その後ろにエイルだ。
キリカがDPS、僕がタンク、エイルが……DPSか?
おい!ヒーラー!
「私も地下は久しぶりです、たまにリーラちゃんと剣を見に来たくらいですから」
「……さーて作戦は決まった、腹くくるぜ」
僕らはスラム街に当たった。
貧困層、その日を生きるのに必死なのだろう、会う人、見る人全員細い。
「そうだ、クニテツの名前を出してみようか。後、僕からは離れた方がアイツが近づいて来やすいかも」
二人は僕から距離を取った。
僕は適当に一人、少年を選んで話しかけた。
「なぁこの辺でクニテツって男いる?昨日お世話になって壮大にブチころ……お礼をしたいんだ」
手を出した。
「ん?何かよこせって?しょうがないな……」
小さなパンを出した。
情報料金だ。
「いいだろ?」
すると少年は黙って指を上に向けた。
「───────────あ」
悪寒だ。
キョウスケがいなくても分かる、アイツだっ!
顔を上に上げる。
「フラッシュフレア!」
微かに見えた人の姿、その後の爆発音と強烈な閃光。
目を凝らして見つめる。
まぁそんなことをしなくても誰か分かる。
「クニテツ……」
「ハッハハッ!俺の名前が分かるとはさすがPEか!俺は神から授けられし炎と爆発の魔術師、クニテツだぁ!」
フラッシュフレアといったか、閃光の後、複数の炎の球が飛行、着弾とともに爆発した。
視界が奪われている間、クニテツは上から斬り下ろす。
僕はその行動を予測し、エフェクトシールドを構えて防ぐ。
「さすがー」
「少し視界が良くなった。許さねぇぞクニテツ!」
僕はマントを払い、ルーンナイフ投擲からけん制し、接近攻撃を仕掛ける。
「キリカ!エイル!交戦開始!」
キリカは一瞬で僕の横に登場し、エイルは後ろで魔導書を開いた。
「先の火焔球に触るなよ!」
「立派な指揮を取ったつもりか?」
鈍い僕をクニテツは蹴り飛ばし、黒い短剣を上で不可視のロープを持ち回し始めた。
「捕まえるぜ!」
その勢いを利用して、僕ら全体に払い攻撃を仕掛ける。
回避出来たのはロープを知っている僕のみでキリカが引っかかった。身体に巻きついたロープは固くキリカを縛り拘束した。
言っておけばよかった。
「何これ、体がっ」
「よいしょったぁ!」
クニテツはロープを引き、キリカを宙返りさせ地面に叩きつけた。
「おいおい……なんて力だ……」
僕とエイルは少し呆然とした。
「くそっHPよりCP削りか、メインウェポンを失いたくないな」
「オトメさん、離れて!」
同時に距離を取った。
「あ?」
「忘れているでしょう私の事、いきなり戦闘なんて初めてだし、お互い死んでから話し合わなかったことを後悔しよう!」
エイルの魔術「カシロ・ライト」発動の後、魔力が多量に漏れだした。
周囲の汚染が広がりやすくなった。
「くそっ安定しない」
エイルの指定した範囲はクニテツの右足。
しかし、それは大きくズレて範囲は拡大、効力を弱めてクニテツの全身を切り裂く魔法攻撃を放った。
体の表面の肉を裂いた。ストップ効果が期待できる。
「あぁ────痛い」
今回は肉壁を持っていないみたいだ。
掠れるような声はダメージが通っている証拠だった。
「よし、決まった!いいぞエイル!ってえ?」
「はぁはぉ……」
エイルの様子がおかしい、目の焦点がズレていて明らかに正常ではない。
「どうした!?」
「はは、エイルっていうのか、そいつ」
ダメージを受けたクニテツはまだまだという顔をしながら血だらけの身体をノロりと上げて話し出す。
「そいつは俺が性別を取った時、同時にエーテル場がクッソ不安定になる仕様だ。だから、あんな高威力の魔法使うから……」
「説明感謝したいな、訊きたいんだけど、性別はお前から奪い取れるのか?」
「殺してから訊け」
「嫌いなんだよ……そう言われるの!」
「──忘れんな!」
ようやく起き上がったキリカは青の剣閃でロープを切り裂き、僕はエリアルマジックでクニテツに連携を繋げる。
「くっ……人手が足りなすぎる」
僕の攻撃はなんとか二度防ぎ、キリカの攻撃は何度か当たった。
宙を舞う緑と黒の三連撃、その中に美麗な蒼白の剣技。
二人の連携技が決まった。
やはりカタメでも三人いればあのクニテツでもここまで追い詰められる。
「ごめんオトメ君……」
キリカは十分回復していないらしい、膝を着き、その場で動けなくなった。
「エイルちゃんは?」
僕は後ろを向くが、休んでいるだけだ、大丈夫だろう。
「観念……」
とどめの一撃を狙った。
「フッ!」
クニテツはボロボロの体を精一杯動かし、右腕をしならせて天に短剣を投げた。
それは加速、作動中の魔導エレベーターを捉えた。
僕の剣は地面を捉えた。
「ひとまず撤退だ、着いてくんなよ!」
そう言い残し、ロープを勢いよく回収し、クニテツは登っていった。
「クソッ逃げられた」
「オトメさん追いましょう」
エイルは回復したようだ。
「当たり前だ、でもキリカは?」
「私ももう大丈夫」
クニテツの叩きつけ攻撃を受けた後の回復の速さ、ヒエンの青の宝剣の能力に似ている。
「よし、今すぐ追う。けどあの魔導エレベーターを追うのは駄目だ、待ち伏せされるかもしれない」
「それなら少し離れた所にもう1つエレベーターがあります」
「なら……僕がクニテツが使ったエレベーターを使う、二人はそのエレベーターを使ってくれ、心配をするな僕は大丈夫」
キリカは不満そうだったが、それで決定した。
ーーーーーー
「僕は……どうしたい?」
浮遊感を覚える。
「クニテツを殺したいのか?いや違う、エイルの性別さえ返してくれればそれで……でもエイルは納得しないかもしれない」
体は上昇し地下の景色がよく見える。
ここで暮らしてきたんだな。
「待ってろクニテツ、僕はカタメじゃない、オトメだ」
「何をボケっとしてんの?まるで自分をカタメキョウスケって言いたいの?」
「は、はぁ!?ち、違うし!だ、誰だよカタメって!」
「カタメさん、昨日より体が動くって今朝言っていたじゃないですか、行きますよ」
「ほらカタメ君、エイルちゃんにも言われてる、まず真っ直ぐ歩こうか」
包帯を新しくし、気分爽快で壁に衝突し、剣を装備する。
恐らく僕は足でまといだからエイルとキリカの盾役に専念しよう。
と!今は準備が完了し、家を出るところだ。
「今朝言った通り、カニバ族は恐らく地下の西側のスラムの付近にいるだろう。アサガサも向かわせようか?」
「はい、私ならカタメ様より剣として利便性を……」
「お前もか!いらんいらん!三人でなんとかしてみせる!」
見ていてくれキョウスケ、サクッと終わらせてお前もどうにかして取り返す。
まずストレージしか使えなくなってるし、再生したら元に戻るのかな?
「よし!じゃあ行くか!」
カタメキョウスケ、ここに見参。
僕らはマントを身につけ、そのまま地下に向かい、西側に進行、作戦は前に出るのが僕とキリカ、その後ろにエイルだ。
キリカがDPS、僕がタンク、エイルが……DPSか?
おい!ヒーラー!
「私も地下は久しぶりです、たまにリーラちゃんと剣を見に来たくらいですから」
「……さーて作戦は決まった、腹くくるぜ」
僕らはスラム街に当たった。
貧困層、その日を生きるのに必死なのだろう、会う人、見る人全員細い。
「そうだ、クニテツの名前を出してみようか。後、僕からは離れた方がアイツが近づいて来やすいかも」
二人は僕から距離を取った。
僕は適当に一人、少年を選んで話しかけた。
「なぁこの辺でクニテツって男いる?昨日お世話になって壮大にブチころ……お礼をしたいんだ」
手を出した。
「ん?何かよこせって?しょうがないな……」
小さなパンを出した。
情報料金だ。
「いいだろ?」
すると少年は黙って指を上に向けた。
「───────────あ」
悪寒だ。
キョウスケがいなくても分かる、アイツだっ!
顔を上に上げる。
「フラッシュフレア!」
微かに見えた人の姿、その後の爆発音と強烈な閃光。
目を凝らして見つめる。
まぁそんなことをしなくても誰か分かる。
「クニテツ……」
「ハッハハッ!俺の名前が分かるとはさすがPEか!俺は神から授けられし炎と爆発の魔術師、クニテツだぁ!」
フラッシュフレアといったか、閃光の後、複数の炎の球が飛行、着弾とともに爆発した。
視界が奪われている間、クニテツは上から斬り下ろす。
僕はその行動を予測し、エフェクトシールドを構えて防ぐ。
「さすがー」
「少し視界が良くなった。許さねぇぞクニテツ!」
僕はマントを払い、ルーンナイフ投擲からけん制し、接近攻撃を仕掛ける。
「キリカ!エイル!交戦開始!」
キリカは一瞬で僕の横に登場し、エイルは後ろで魔導書を開いた。
「先の火焔球に触るなよ!」
「立派な指揮を取ったつもりか?」
鈍い僕をクニテツは蹴り飛ばし、黒い短剣を上で不可視のロープを持ち回し始めた。
「捕まえるぜ!」
その勢いを利用して、僕ら全体に払い攻撃を仕掛ける。
回避出来たのはロープを知っている僕のみでキリカが引っかかった。身体に巻きついたロープは固くキリカを縛り拘束した。
言っておけばよかった。
「何これ、体がっ」
「よいしょったぁ!」
クニテツはロープを引き、キリカを宙返りさせ地面に叩きつけた。
「おいおい……なんて力だ……」
僕とエイルは少し呆然とした。
「くそっHPよりCP削りか、メインウェポンを失いたくないな」
「オトメさん、離れて!」
同時に距離を取った。
「あ?」
「忘れているでしょう私の事、いきなり戦闘なんて初めてだし、お互い死んでから話し合わなかったことを後悔しよう!」
エイルの魔術「カシロ・ライト」発動の後、魔力が多量に漏れだした。
周囲の汚染が広がりやすくなった。
「くそっ安定しない」
エイルの指定した範囲はクニテツの右足。
しかし、それは大きくズレて範囲は拡大、効力を弱めてクニテツの全身を切り裂く魔法攻撃を放った。
体の表面の肉を裂いた。ストップ効果が期待できる。
「あぁ────痛い」
今回は肉壁を持っていないみたいだ。
掠れるような声はダメージが通っている証拠だった。
「よし、決まった!いいぞエイル!ってえ?」
「はぁはぉ……」
エイルの様子がおかしい、目の焦点がズレていて明らかに正常ではない。
「どうした!?」
「はは、エイルっていうのか、そいつ」
ダメージを受けたクニテツはまだまだという顔をしながら血だらけの身体をノロりと上げて話し出す。
「そいつは俺が性別を取った時、同時にエーテル場がクッソ不安定になる仕様だ。だから、あんな高威力の魔法使うから……」
「説明感謝したいな、訊きたいんだけど、性別はお前から奪い取れるのか?」
「殺してから訊け」
「嫌いなんだよ……そう言われるの!」
「──忘れんな!」
ようやく起き上がったキリカは青の剣閃でロープを切り裂き、僕はエリアルマジックでクニテツに連携を繋げる。
「くっ……人手が足りなすぎる」
僕の攻撃はなんとか二度防ぎ、キリカの攻撃は何度か当たった。
宙を舞う緑と黒の三連撃、その中に美麗な蒼白の剣技。
二人の連携技が決まった。
やはりカタメでも三人いればあのクニテツでもここまで追い詰められる。
「ごめんオトメ君……」
キリカは十分回復していないらしい、膝を着き、その場で動けなくなった。
「エイルちゃんは?」
僕は後ろを向くが、休んでいるだけだ、大丈夫だろう。
「観念……」
とどめの一撃を狙った。
「フッ!」
クニテツはボロボロの体を精一杯動かし、右腕をしならせて天に短剣を投げた。
それは加速、作動中の魔導エレベーターを捉えた。
僕の剣は地面を捉えた。
「ひとまず撤退だ、着いてくんなよ!」
そう言い残し、ロープを勢いよく回収し、クニテツは登っていった。
「クソッ逃げられた」
「オトメさん追いましょう」
エイルは回復したようだ。
「当たり前だ、でもキリカは?」
「私ももう大丈夫」
クニテツの叩きつけ攻撃を受けた後の回復の速さ、ヒエンの青の宝剣の能力に似ている。
「よし、今すぐ追う。けどあの魔導エレベーターを追うのは駄目だ、待ち伏せされるかもしれない」
「それなら少し離れた所にもう1つエレベーターがあります」
「なら……僕がクニテツが使ったエレベーターを使う、二人はそのエレベーターを使ってくれ、心配をするな僕は大丈夫」
キリカは不満そうだったが、それで決定した。
ーーーーーー
「僕は……どうしたい?」
浮遊感を覚える。
「クニテツを殺したいのか?いや違う、エイルの性別さえ返してくれればそれで……でもエイルは納得しないかもしれない」
体は上昇し地下の景色がよく見える。
ここで暮らしてきたんだな。
「待ってろクニテツ、僕はカタメじゃない、オトメだ」
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