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25.ハイなバトル
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「どうした、倫理の最終兵器!そんなものか!?」
汗すらかいていないツルギ、対照的に汗まみれで冷えた床に顔をつけている僕。
「つ、強すぎる……」
僕は訓練開始数分でツルギに44回攻撃され、一方で僕はゼロ回。
「うわぁ初日からツルギさんとか、可哀想」
「見てらんねぇ」
「ひ、ヒドイです……」
「圧倒的実力差だな」
「自分だと思うとゾッとするな」
「(良い絵面だ……)フ、フフフ……ブッ」
「ツルギさんやっぱりかっけー」
施設内の見せ物になっていた。
今は訓練。ツルギさんとのタイマン。
自由に動き回れる部屋が多数用意され、その中にいる限り装備中の武器は「光化武器」とよばれるものになる。
僕はレーザー化と個人的に呼んでいる。
光化した武器は当たり判定を持った光になり、操作性はそのままで攻撃力が木刀より低い値に設定される(十分痛いんだけど)。
訓練の終了とともに光化は解除される。
原則として施設内での訓練以外の抜刀と発砲は禁止である。
「立てないか?」
「……まだ……やれます」
「あれだけ本部長にデカいこと言ったからなぁ、ここでへばってちゃ……」
「立てるって……言って……!」
体は熱を持つ。
手汗を服で拭って柄を掴み直す。
HPは削られないがCPが徐々に削られてフラフラするぜ。
「お前は目に頼りすぎだ。少し補正を切って、自分の力でやってみろ」
「え、そんなことしたらツルギさんに勝てるわけ……」
「勝てる?俺に44回くらっておいて勝つ?これは訓練だ。自分を鍛え試す場だ。俺はそう思う」
そうだ、これは訓練だ。
キョウスケのサポート無しにどれだけやれるか試すチャンスだ。
「回避補正……解除……!」
「了解です、回避補正LV.3を解除しました」
レベル3まで成長していたんだ。気付かなかった。
「……うっ!」
全く見えない。
ツルギさんの次の攻撃位置、移動位置、全く予測できない。
以前は視覚と感覚に訴えかけるキョウスケの念のようなものを受け取って回避していたから、その感覚に慣れ過ぎた。
ただでさえ瞬間移動する超人ツルギさん相手にどうやって?
手も足も出ない恐怖心に足が動かなくなった。パニックになりそうだ。
命綱を使わずに綱渡りをするようなそういう恐怖。
「切ったか?……じゃあいくぞ」
ツルギさんの一歩は長い。距離があるはずなのにほぼ僕の前だ。一本の刀の間合いじゃない。戦場で無双しているだろう。
まだ覚悟できてないのに!……って逆に予測が五月蠅くなくてやりやすい?
ツルギによって振り下ろされた刀を剣でいなしつつ回避する。
「重い……!」
あからさまな一撃ではあったが、キョウスケの力無しで攻撃を防いだことに自信を持った。
「ほお、やればできるな。じゃあ今度はフリーで行く。全部止めたら今日の分は終了だ」
「(全部って何回!?)まだ昼過ぎスグじゃないですか。いいんですか?そんなんで今日終わりで」
「……ノルマ達成してから言え」
ツルギは回避補正が無い僕にも容赦なく瞬間移動を用いて攻撃した。
勿論攻撃を防ぐことなんて出来なくて、総攻撃分の一パーセントしか防げなかった。
「み……水!!」
「そうだな、水分補給をしていなかったな……」
もう日が沈む時間だろう。
視界のUIの時計では六時を指している。
昼ごはんナシでぶっ通し。僕は自分の無力さを実感した。
ツルギが半透明パネルを操作している。
「ツルギさんって……(ハァハァやべー疲れた)……SE持ちなんですか?」
「……あぁ、SEを付けている。必要無いと言ったのだが、ギンジが付けろって五月蠅くてな」
「へぇー」
ツルギさんの強さはSEから来るものなのだろうか。
いや、あの戦闘狂には鬼に金棒の代物だな。
相対レベル測定不能の化物だ。SEが無くても僕なんか一秒で殺せるのだろう。
「なぁキョウスケ、SEが無かったら僕はツルギさんに勝てる?」
「その質問にはお答え出来ません。ご自分で考えてどうぞ」
「だよね(勝てないよな)」
「SEなんて私の下位互換、UIをパクったただの便利道具ですよ」
ツルギさんのパネル操作が終わると、訓練室のスライドさせるタイプの扉が開く。
「ツルギ隊長!飲み物をお持ちしましたー」
一人の女性が二人の男部屋に入ってくる。
『アリエ』Green
相対レベル:81(回避補正:65)
・武器:白打(耐久性LV.5、黒、刀)
・防具:倫理委員会戦闘対応制服(白桃色、気合注入済)
・アクセサリ:防衛装置(イヤリング型、飛び道具防御専用)
明るくふんわりとした淡い白桃色の服と雰囲気が空気に漏れていて、同色の髪の毛はうなじの右側に偏って結んである。見た目は人当たりが優しそうだが……どこか怪しい。騙されるな!後ろから斬られるかもしれないぞ!
それと強烈に相対レベルが高い。間違いなく戦うべき相手ではない。
というか、強い人多くないですか?
強くなっていく自分が遠すぎてイメージできない。
「今回は?」
「ストロベリー味ベースで、栄養素はオーダー通りです」
「ありがとう」
「えっへへ……どうもどうも……」
「オトメの分は?」
「勿論準備してありますよ。はい、オトメ君の分ね」
「あ、ありがとうございます……」
ツルギさんはピンク色の果肉混じりのドリンクをゴクリと一口飲む。
「美味い」
「良かった!」
美味しそう。僕も飲んでみよう。
「いただきます……」
嗅覚が果実の香りを捉える。いい香りだ。
一口飲む。
美味い……やっぱり美味い!
加えて体の疲労が少し抜ける気がする。
「疲労回復と訓練後の一時のリラックス効果が期待できるようにしました。あとプロテインとか……」
「アリエさん……でいいんですよね?とっても美味しいです!」
「あれ、私って君に名乗った?」
「アリエ、そいつはPE持ちだ。ポンコツだがな」
「なるほどPEだから名前わかるのね……ってポンコツなんて心にもないことを……オトメ君だったね?私アリエ、よろしく。ドリンクの感想ありがとう。ツルギさんは基本的に口が悪いけど本当は弟子が出来たようで嬉しいだろうからあんまり気にしないでね」
「は、はい」
「なんか言ったかアリエ?」
「いいえ何でもありませんよ。じゃあねオトメ君、ここにスポーツ系のドリンク置いていくから。君みたいなタイプは結構飲むと思って」
アリエはそういうと、『ECF』とロゴが入っている大きめのボトルを置いていった。
「ツルギさんは水ですか?」
「あぁ、ありがとう」
「それじゃあ二人とも頑張って!」
白桃色の美女は扉を閉めた。めっちゃいい匂いした!
「十分すぎる休憩はとっただろう……ギンジ!」
「おうおう!呼ばれて参上したぜ!」
アリエさんと入れ替わりで入室するのは大男のギンジさん。
「俺の攻撃を全て防御出来なかったペナルティだ。ギンジとのフリーで三十分。そうだな……オトメは攻撃禁止だ」
「えぇ!こ、攻撃禁止!?」
「俺は早めに出よう。あとはギンジに任せる」
「任されたぜツルギ!」
ツルギさんが退室しました。
「行くぜオトメ!」
「は、はい!よろしくお願いします!」
僕はECFのボトルを掴み、一気に喉に通し、床に置く。
『ギンジ』Yellow!
相対レベル120(回避補正:100)
・武器:エド・フランカ(ナックル、光化)
・防具:倫理委員会戦闘対応制服(黒)
・アリエ特製ドリンク(攻撃力上昇LV.3、CP減少耐性LV. 3、移動速度上昇LV.1)
他スキャンを実行していません。
上の戦闘服を脱ぎ、巨大な筋肉を露出させ、手に付けるタイプの武器を装備すると光化した。刀ではないのか。
ギンジさんもドリンク飲んだのか。
なんてハンデを背負っているんだ僕は!
「よし、全部回避するぞ!」
「いい気合だな!」
僕はギンジさんの攻撃を待った、しかし、一向にモーションに入らないし、どうしたのだろう。
「ギンジさん?……」
「そこだぁあ!」
「……う(不意打ち!?汚いぞ!)」
咄嗟に構えたが、拳は防御より速く、僕の腹部を捉えた。
まるで大太鼓を叩いたように空気に衝撃が伝わる。
この人も間合いが化け物だ。
「グぅぅぅ……」
CP-21
体のスペースを拳が奪った分だけ中身が飛び出そう。
「光化の意味とは……わー……」
「フンッ!」
もう一撃、蹴りが横顔を捉える。
回転混じりで吹き飛び、訓練室の壁に直撃。
壁はとっても丈夫みたいだ。
傷一つない。
CP‐18
「キョウスケ……クラクラするぜ……」
「相手には常に注意を払っていなければならない。戦場では何が起こるかわからない。オトメも常に命がけで取り組むのだ」
「わかりました……!」
訓練でも死ぬ気でやらねば強くなることなんて出来ない。
いつだって僕が立つ戦場は殺し合いの場なのだ。
でもやっぱり強すぎ!
「ほら次行くぞ!」
骨の具合を確認しながらヨロヨロと立ち上がる。
「ハイ!」
巨体からとは思えない高速拳。
今までの感覚をフルに活用するんだ……
その一撃を剣でいなすことができた。
摩擦か、光化の粒子なのか、火花のように散る姿が美しかった。
「見とれてはいけません」
「あ」
二撃めが左顔面を捉えてノックアウトだった。
「ひ、光化の意味とは……うっ……」
「CPが10パーセントを切りました」
「三十分はまだ経ってないぞー……ったくしょうがないやつだ……一騎当千は言い過ぎたかな」
僕が次に起きたのは翌日の四時だった。
汗すらかいていないツルギ、対照的に汗まみれで冷えた床に顔をつけている僕。
「つ、強すぎる……」
僕は訓練開始数分でツルギに44回攻撃され、一方で僕はゼロ回。
「うわぁ初日からツルギさんとか、可哀想」
「見てらんねぇ」
「ひ、ヒドイです……」
「圧倒的実力差だな」
「自分だと思うとゾッとするな」
「(良い絵面だ……)フ、フフフ……ブッ」
「ツルギさんやっぱりかっけー」
施設内の見せ物になっていた。
今は訓練。ツルギさんとのタイマン。
自由に動き回れる部屋が多数用意され、その中にいる限り装備中の武器は「光化武器」とよばれるものになる。
僕はレーザー化と個人的に呼んでいる。
光化した武器は当たり判定を持った光になり、操作性はそのままで攻撃力が木刀より低い値に設定される(十分痛いんだけど)。
訓練の終了とともに光化は解除される。
原則として施設内での訓練以外の抜刀と発砲は禁止である。
「立てないか?」
「……まだ……やれます」
「あれだけ本部長にデカいこと言ったからなぁ、ここでへばってちゃ……」
「立てるって……言って……!」
体は熱を持つ。
手汗を服で拭って柄を掴み直す。
HPは削られないがCPが徐々に削られてフラフラするぜ。
「お前は目に頼りすぎだ。少し補正を切って、自分の力でやってみろ」
「え、そんなことしたらツルギさんに勝てるわけ……」
「勝てる?俺に44回くらっておいて勝つ?これは訓練だ。自分を鍛え試す場だ。俺はそう思う」
そうだ、これは訓練だ。
キョウスケのサポート無しにどれだけやれるか試すチャンスだ。
「回避補正……解除……!」
「了解です、回避補正LV.3を解除しました」
レベル3まで成長していたんだ。気付かなかった。
「……うっ!」
全く見えない。
ツルギさんの次の攻撃位置、移動位置、全く予測できない。
以前は視覚と感覚に訴えかけるキョウスケの念のようなものを受け取って回避していたから、その感覚に慣れ過ぎた。
ただでさえ瞬間移動する超人ツルギさん相手にどうやって?
手も足も出ない恐怖心に足が動かなくなった。パニックになりそうだ。
命綱を使わずに綱渡りをするようなそういう恐怖。
「切ったか?……じゃあいくぞ」
ツルギさんの一歩は長い。距離があるはずなのにほぼ僕の前だ。一本の刀の間合いじゃない。戦場で無双しているだろう。
まだ覚悟できてないのに!……って逆に予測が五月蠅くなくてやりやすい?
ツルギによって振り下ろされた刀を剣でいなしつつ回避する。
「重い……!」
あからさまな一撃ではあったが、キョウスケの力無しで攻撃を防いだことに自信を持った。
「ほお、やればできるな。じゃあ今度はフリーで行く。全部止めたら今日の分は終了だ」
「(全部って何回!?)まだ昼過ぎスグじゃないですか。いいんですか?そんなんで今日終わりで」
「……ノルマ達成してから言え」
ツルギは回避補正が無い僕にも容赦なく瞬間移動を用いて攻撃した。
勿論攻撃を防ぐことなんて出来なくて、総攻撃分の一パーセントしか防げなかった。
「み……水!!」
「そうだな、水分補給をしていなかったな……」
もう日が沈む時間だろう。
視界のUIの時計では六時を指している。
昼ごはんナシでぶっ通し。僕は自分の無力さを実感した。
ツルギが半透明パネルを操作している。
「ツルギさんって……(ハァハァやべー疲れた)……SE持ちなんですか?」
「……あぁ、SEを付けている。必要無いと言ったのだが、ギンジが付けろって五月蠅くてな」
「へぇー」
ツルギさんの強さはSEから来るものなのだろうか。
いや、あの戦闘狂には鬼に金棒の代物だな。
相対レベル測定不能の化物だ。SEが無くても僕なんか一秒で殺せるのだろう。
「なぁキョウスケ、SEが無かったら僕はツルギさんに勝てる?」
「その質問にはお答え出来ません。ご自分で考えてどうぞ」
「だよね(勝てないよな)」
「SEなんて私の下位互換、UIをパクったただの便利道具ですよ」
ツルギさんのパネル操作が終わると、訓練室のスライドさせるタイプの扉が開く。
「ツルギ隊長!飲み物をお持ちしましたー」
一人の女性が二人の男部屋に入ってくる。
『アリエ』Green
相対レベル:81(回避補正:65)
・武器:白打(耐久性LV.5、黒、刀)
・防具:倫理委員会戦闘対応制服(白桃色、気合注入済)
・アクセサリ:防衛装置(イヤリング型、飛び道具防御専用)
明るくふんわりとした淡い白桃色の服と雰囲気が空気に漏れていて、同色の髪の毛はうなじの右側に偏って結んである。見た目は人当たりが優しそうだが……どこか怪しい。騙されるな!後ろから斬られるかもしれないぞ!
それと強烈に相対レベルが高い。間違いなく戦うべき相手ではない。
というか、強い人多くないですか?
強くなっていく自分が遠すぎてイメージできない。
「今回は?」
「ストロベリー味ベースで、栄養素はオーダー通りです」
「ありがとう」
「えっへへ……どうもどうも……」
「オトメの分は?」
「勿論準備してありますよ。はい、オトメ君の分ね」
「あ、ありがとうございます……」
ツルギさんはピンク色の果肉混じりのドリンクをゴクリと一口飲む。
「美味い」
「良かった!」
美味しそう。僕も飲んでみよう。
「いただきます……」
嗅覚が果実の香りを捉える。いい香りだ。
一口飲む。
美味い……やっぱり美味い!
加えて体の疲労が少し抜ける気がする。
「疲労回復と訓練後の一時のリラックス効果が期待できるようにしました。あとプロテインとか……」
「アリエさん……でいいんですよね?とっても美味しいです!」
「あれ、私って君に名乗った?」
「アリエ、そいつはPE持ちだ。ポンコツだがな」
「なるほどPEだから名前わかるのね……ってポンコツなんて心にもないことを……オトメ君だったね?私アリエ、よろしく。ドリンクの感想ありがとう。ツルギさんは基本的に口が悪いけど本当は弟子が出来たようで嬉しいだろうからあんまり気にしないでね」
「は、はい」
「なんか言ったかアリエ?」
「いいえ何でもありませんよ。じゃあねオトメ君、ここにスポーツ系のドリンク置いていくから。君みたいなタイプは結構飲むと思って」
アリエはそういうと、『ECF』とロゴが入っている大きめのボトルを置いていった。
「ツルギさんは水ですか?」
「あぁ、ありがとう」
「それじゃあ二人とも頑張って!」
白桃色の美女は扉を閉めた。めっちゃいい匂いした!
「十分すぎる休憩はとっただろう……ギンジ!」
「おうおう!呼ばれて参上したぜ!」
アリエさんと入れ替わりで入室するのは大男のギンジさん。
「俺の攻撃を全て防御出来なかったペナルティだ。ギンジとのフリーで三十分。そうだな……オトメは攻撃禁止だ」
「えぇ!こ、攻撃禁止!?」
「俺は早めに出よう。あとはギンジに任せる」
「任されたぜツルギ!」
ツルギさんが退室しました。
「行くぜオトメ!」
「は、はい!よろしくお願いします!」
僕はECFのボトルを掴み、一気に喉に通し、床に置く。
『ギンジ』Yellow!
相対レベル120(回避補正:100)
・武器:エド・フランカ(ナックル、光化)
・防具:倫理委員会戦闘対応制服(黒)
・アリエ特製ドリンク(攻撃力上昇LV.3、CP減少耐性LV. 3、移動速度上昇LV.1)
他スキャンを実行していません。
上の戦闘服を脱ぎ、巨大な筋肉を露出させ、手に付けるタイプの武器を装備すると光化した。刀ではないのか。
ギンジさんもドリンク飲んだのか。
なんてハンデを背負っているんだ僕は!
「よし、全部回避するぞ!」
「いい気合だな!」
僕はギンジさんの攻撃を待った、しかし、一向にモーションに入らないし、どうしたのだろう。
「ギンジさん?……」
「そこだぁあ!」
「……う(不意打ち!?汚いぞ!)」
咄嗟に構えたが、拳は防御より速く、僕の腹部を捉えた。
まるで大太鼓を叩いたように空気に衝撃が伝わる。
この人も間合いが化け物だ。
「グぅぅぅ……」
CP-21
体のスペースを拳が奪った分だけ中身が飛び出そう。
「光化の意味とは……わー……」
「フンッ!」
もう一撃、蹴りが横顔を捉える。
回転混じりで吹き飛び、訓練室の壁に直撃。
壁はとっても丈夫みたいだ。
傷一つない。
CP‐18
「キョウスケ……クラクラするぜ……」
「相手には常に注意を払っていなければならない。戦場では何が起こるかわからない。オトメも常に命がけで取り組むのだ」
「わかりました……!」
訓練でも死ぬ気でやらねば強くなることなんて出来ない。
いつだって僕が立つ戦場は殺し合いの場なのだ。
でもやっぱり強すぎ!
「ほら次行くぞ!」
骨の具合を確認しながらヨロヨロと立ち上がる。
「ハイ!」
巨体からとは思えない高速拳。
今までの感覚をフルに活用するんだ……
その一撃を剣でいなすことができた。
摩擦か、光化の粒子なのか、火花のように散る姿が美しかった。
「見とれてはいけません」
「あ」
二撃めが左顔面を捉えてノックアウトだった。
「ひ、光化の意味とは……うっ……」
「CPが10パーセントを切りました」
「三十分はまだ経ってないぞー……ったくしょうがないやつだ……一騎当千は言い過ぎたかな」
僕が次に起きたのは翌日の四時だった。
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