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第二章 社長生活の開始
最終稽古
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今日は、最終通し稽古が行われた。
通し稽古と言っても、オムニバス形式の朗読劇なので、一本が終わるごとに左右田さんからのダメ出しがある。
緊張感のある、良い稽古が出来ている、と思った。
左右田さんのダメ出しは、一貫していた。
声を作りに行かない事。
音を当てに行かない事。
衝動を生んで、台詞を喋る事。
オレも左右田さんから演技を習うようになったから、理解出来る。
役者たちが、生きた台詞を喋っている事が。
それは、この朗読劇を企画し、動き出した当初から比べると、まさに【進化】だった。
役者たちは上手くなり、自信をつけ、本番を待ち望むようになっていた。
そうして、最終稽古が無事に終わった。
勿論、ここがゴールではない。
しかし、独特の充実感がチーム全体に溢れていた。
「今日は、稽古打ち上げに行こう!」
そう提案すると、みんな喜んでついて来た。
場所は、左右田さん行きつけの焼き肉屋だ。
たらふく食って、英気を養ってもらった。
翌日は劇場入り。
朗読劇なので舞台セットは無いが、幕を吊ったり、楽屋を作ったり、こまごましたことは役者が自分自身で行う。
衣装などの積み下ろしも、役者に手伝ってもらった。
そうこうするうちに舞台が出来上がり、音響、照明の準備が出来上がり、着々と本番が近付いて来た。
舞台稽古は左右田さんが仕切ってくれた。
左右田さんは、今回の朗読劇の演出を引き受けてくれて、何だか若返ったようだ。
そんなこんなで、木曜日が終わった。
明日、金曜日は昼間は舞台稽古、夜にゲネプロ(最終リハーサル)だ。
ゲネプロには、土、日に来られないVIP客を招いていた。
ゲネプロは「客のいない本番」と言われるが、今回は「客のいるリハーサル」・・・要するに本番と変わりがない。
ゲネプロに来てくれたお客の反応で、今回の芝居の評判も何となく読めるだろう。
そう思うと、オレは凄く緊張してきた。
そのことを秘書の瀬戸涼子に言うと、「役者に緊張を移さないで下さいね」と瀬戸は笑った。
通し稽古と言っても、オムニバス形式の朗読劇なので、一本が終わるごとに左右田さんからのダメ出しがある。
緊張感のある、良い稽古が出来ている、と思った。
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声を作りに行かない事。
音を当てに行かない事。
衝動を生んで、台詞を喋る事。
オレも左右田さんから演技を習うようになったから、理解出来る。
役者たちが、生きた台詞を喋っている事が。
それは、この朗読劇を企画し、動き出した当初から比べると、まさに【進化】だった。
役者たちは上手くなり、自信をつけ、本番を待ち望むようになっていた。
そうして、最終稽古が無事に終わった。
勿論、ここがゴールではない。
しかし、独特の充実感がチーム全体に溢れていた。
「今日は、稽古打ち上げに行こう!」
そう提案すると、みんな喜んでついて来た。
場所は、左右田さん行きつけの焼き肉屋だ。
たらふく食って、英気を養ってもらった。
翌日は劇場入り。
朗読劇なので舞台セットは無いが、幕を吊ったり、楽屋を作ったり、こまごましたことは役者が自分自身で行う。
衣装などの積み下ろしも、役者に手伝ってもらった。
そうこうするうちに舞台が出来上がり、音響、照明の準備が出来上がり、着々と本番が近付いて来た。
舞台稽古は左右田さんが仕切ってくれた。
左右田さんは、今回の朗読劇の演出を引き受けてくれて、何だか若返ったようだ。
そんなこんなで、木曜日が終わった。
明日、金曜日は昼間は舞台稽古、夜にゲネプロ(最終リハーサル)だ。
ゲネプロには、土、日に来られないVIP客を招いていた。
ゲネプロは「客のいない本番」と言われるが、今回は「客のいるリハーサル」・・・要するに本番と変わりがない。
ゲネプロに来てくれたお客の反応で、今回の芝居の評判も何となく読めるだろう。
そう思うと、オレは凄く緊張してきた。
そのことを秘書の瀬戸涼子に言うと、「役者に緊張を移さないで下さいね」と瀬戸は笑った。
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