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18.小さな嫉妬
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おばあさまには手土産にシクラメンの鉢植えを選んだ。今日はおじいさまも出迎えてくれた。前回も通された応接室のソファに座ると当たり前のようにおばあさまとおじいさまはくっついて座る。至君が期待した目で俺を見たけれど、間に白くまの抱き枕を置いて適切な距離で座らせてもらった。
おじいさまは話し上手で色々と教えてもらった。おじいさまは現役で働いていて、県内では知らない人はいない建築会社の社長さんだった。至君が建築に興味があるのもおじいさまの影響だそうだ。
白くまを挟んで座っていたはずなのに気づけば至君の肩が当たる。さっきから視線も突き刺さっているので話を終えると。至君が手を引いて部屋に誘うのでお辞儀をして退席した。
部屋のふすまを閉めて至君に向き直る。
「至君。せっかくおじいさま達が…」
俺が言い終わらないタイミングで抱き上げられた。前回来た時にはなかった二人掛けのソファに抱えられたまま座る。後ろ抱きにされてあごを肩に乗せられた。
「アルファって言うのは独占欲が強いんだよ。それは家族に対してもだ。透がじいちゃんと仲良くしゃべるってるから早くここに閉じ込めたくて仕方なかった」
俺はお腹に回る至君の手を撫でた。
「家族だしおじいさまだよ。おばあさまもいるんだから見当違いも良いとこだ」
至君の匂いが少し濃くなった気がする。俺はこのままの格好だと至君の顔が見られないから、お腹に回された手をほどいた、そして、隣に座りなおしてできるだけ優しく至君の頭を撫でた。
「俺がずっと会って話がしたかったのは至君だよ」
瞬間、さらに至君の匂いが濃くなった。俺が固まっていると頭を支えられてそのまま押し倒された。背中に回る腕に力が籠った。これはあの筋肉でぎゅうぎゅうされるやつだ。
「ごめん、嗅がせて」
至君はそのまま首元に顔をうずめて固まってしまった。耳に至君の髪が当たってくすぐったい。俺は手の置き場が分からなくてゆっくりと至君の背中に手を置いた。至君の部屋の天井は細かに編まれた布っぽいクロスで照明は寄せ木細工みたいなカバーが付いていた、おしゃれだなぁ。
至君がむくりと身を起こした。照明を背に逆光になった顔は暗くて読めない。じっと見つめていると顔を近づけてくる。俺はゆっくりと目を閉じるとべろりと唇を舐められた。目を開けると間近に至君の顔があった。至君の大きな手がシャツの下から脇腹を撫でた。くすぐったくってひゃっと声を出すと口に舌が入り込んできた。咥内を温かいものが撫でる。舌の表面はザラザラしていて、裏側はつるりとしている。こすり合わせるように応えるとどんどんと深くなっていった。大きな手でお腹を撫でられると、触れるところから熱くなってきた。自然と涙がたまる。それでも一生懸命返していると、口の中に唾液が溜まってきて。何度かコクリと飲み込んで喘いだ。自分からぶわっと何かがあふれる気がした。きっと至君が甘いからだ。
「透の匂いが濃くなった。雨みたいな。水の甘い匂い」
至君がうっとりとまた俺の首筋に顔を埋めてきた。
「至君は森みたいな匂いがするよ、安心する優しい匂いだ」
「透がかわいくてどうしよう」
至君は振り切るように頭を振って起き上がった。俺が手を伸ばすと引いて起こしてくれた。
手を繋いだまま俺は座りなおして肩をぶつけて微笑む。至君が俺をじっと見る。
「透の心が整うのを待つつもりだけど。いつか俺を受け入れて」
いつもよりも真剣な声だった。
「それは…」
俺はうつむいた、だって…。
「それは、俺とそう言う事がしたいってこと?」
「もちろん。と言うか…俺の番は透だと思う。透だ」
番って…アルファとオメガにしかない繋がりで絆のこと。
「この2か月、離れててずっと会いたいって思ってた。透がヒートのことを教えてくれた時。信頼されてるってすごくうれしかった」
俺は至君の手を握り返す。顔を上げると至君が目を細めてこっちを見ていた。
「俺さ、同じクラスにツバサとヒナタって友達がいるんだけど二人ともすごく良い子たちでさ。よく相談するんだ。至君に相談できたのも二人のおかげだよ。俺自身がまだオメガとか、アルファとか分かってないけど、オメガの俺のことを分かって、認めてくれてるのは至君だって思ってる。教えてくれるんでしょ、全部」
俺はいったん立ちあがると肩に手を置いて至君の膝にまたがるとゆっくりとその唇にキスした。ちゃんと薄目で唇の位置を確認して軽く触れ合うだけのキスだ。まだ俺からするのは2度目でぎこちないのが恥ずかしかった。顔を見られるのが嫌でそのまま肩におでこをのせる。
「俺はもっともっと至君を好きになる、あんまり…できるだけ待たせないようにするよ」
顔を上げてにこりと笑って見せた。至君がじっと見つめてくるからキスをした。ちゃんと唇に着地した。うれしくてまたふっと笑うと、至君が後頭部を抑えてキスを深くする。俺たちはそのまま、おばあさまが呼びに来るまでソファでくっ付いてたまにキスして、話をしてすごした。
至君が相手ならオメガらしいこともできるかもしれない。あんなに恥ずかしかったキスだって俺からしたいと思うようになっている。
至君の唇の柔らかさを俺は知っている。
おじいさまは話し上手で色々と教えてもらった。おじいさまは現役で働いていて、県内では知らない人はいない建築会社の社長さんだった。至君が建築に興味があるのもおじいさまの影響だそうだ。
白くまを挟んで座っていたはずなのに気づけば至君の肩が当たる。さっきから視線も突き刺さっているので話を終えると。至君が手を引いて部屋に誘うのでお辞儀をして退席した。
部屋のふすまを閉めて至君に向き直る。
「至君。せっかくおじいさま達が…」
俺が言い終わらないタイミングで抱き上げられた。前回来た時にはなかった二人掛けのソファに抱えられたまま座る。後ろ抱きにされてあごを肩に乗せられた。
「アルファって言うのは独占欲が強いんだよ。それは家族に対してもだ。透がじいちゃんと仲良くしゃべるってるから早くここに閉じ込めたくて仕方なかった」
俺はお腹に回る至君の手を撫でた。
「家族だしおじいさまだよ。おばあさまもいるんだから見当違いも良いとこだ」
至君の匂いが少し濃くなった気がする。俺はこのままの格好だと至君の顔が見られないから、お腹に回された手をほどいた、そして、隣に座りなおしてできるだけ優しく至君の頭を撫でた。
「俺がずっと会って話がしたかったのは至君だよ」
瞬間、さらに至君の匂いが濃くなった。俺が固まっていると頭を支えられてそのまま押し倒された。背中に回る腕に力が籠った。これはあの筋肉でぎゅうぎゅうされるやつだ。
「ごめん、嗅がせて」
至君はそのまま首元に顔をうずめて固まってしまった。耳に至君の髪が当たってくすぐったい。俺は手の置き場が分からなくてゆっくりと至君の背中に手を置いた。至君の部屋の天井は細かに編まれた布っぽいクロスで照明は寄せ木細工みたいなカバーが付いていた、おしゃれだなぁ。
至君がむくりと身を起こした。照明を背に逆光になった顔は暗くて読めない。じっと見つめていると顔を近づけてくる。俺はゆっくりと目を閉じるとべろりと唇を舐められた。目を開けると間近に至君の顔があった。至君の大きな手がシャツの下から脇腹を撫でた。くすぐったくってひゃっと声を出すと口に舌が入り込んできた。咥内を温かいものが撫でる。舌の表面はザラザラしていて、裏側はつるりとしている。こすり合わせるように応えるとどんどんと深くなっていった。大きな手でお腹を撫でられると、触れるところから熱くなってきた。自然と涙がたまる。それでも一生懸命返していると、口の中に唾液が溜まってきて。何度かコクリと飲み込んで喘いだ。自分からぶわっと何かがあふれる気がした。きっと至君が甘いからだ。
「透の匂いが濃くなった。雨みたいな。水の甘い匂い」
至君がうっとりとまた俺の首筋に顔を埋めてきた。
「至君は森みたいな匂いがするよ、安心する優しい匂いだ」
「透がかわいくてどうしよう」
至君は振り切るように頭を振って起き上がった。俺が手を伸ばすと引いて起こしてくれた。
手を繋いだまま俺は座りなおして肩をぶつけて微笑む。至君が俺をじっと見る。
「透の心が整うのを待つつもりだけど。いつか俺を受け入れて」
いつもよりも真剣な声だった。
「それは…」
俺はうつむいた、だって…。
「それは、俺とそう言う事がしたいってこと?」
「もちろん。と言うか…俺の番は透だと思う。透だ」
番って…アルファとオメガにしかない繋がりで絆のこと。
「この2か月、離れててずっと会いたいって思ってた。透がヒートのことを教えてくれた時。信頼されてるってすごくうれしかった」
俺は至君の手を握り返す。顔を上げると至君が目を細めてこっちを見ていた。
「俺さ、同じクラスにツバサとヒナタって友達がいるんだけど二人ともすごく良い子たちでさ。よく相談するんだ。至君に相談できたのも二人のおかげだよ。俺自身がまだオメガとか、アルファとか分かってないけど、オメガの俺のことを分かって、認めてくれてるのは至君だって思ってる。教えてくれるんでしょ、全部」
俺はいったん立ちあがると肩に手を置いて至君の膝にまたがるとゆっくりとその唇にキスした。ちゃんと薄目で唇の位置を確認して軽く触れ合うだけのキスだ。まだ俺からするのは2度目でぎこちないのが恥ずかしかった。顔を見られるのが嫌でそのまま肩におでこをのせる。
「俺はもっともっと至君を好きになる、あんまり…できるだけ待たせないようにするよ」
顔を上げてにこりと笑って見せた。至君がじっと見つめてくるからキスをした。ちゃんと唇に着地した。うれしくてまたふっと笑うと、至君が後頭部を抑えてキスを深くする。俺たちはそのまま、おばあさまが呼びに来るまでソファでくっ付いてたまにキスして、話をしてすごした。
至君が相手ならオメガらしいこともできるかもしれない。あんなに恥ずかしかったキスだって俺からしたいと思うようになっている。
至君の唇の柔らかさを俺は知っている。
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