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悪役令嬢ベアトリス
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応接間を出て、一人、寒い廊下を歩く。
雪は降り続いている。
手足が冷える。
両手を合わせて息を吹き込む。
いっときだけだが、手が暖まる。
廊下は広い。
どこまでも続く長い回廊。
応接間とフィリッパの部屋部屋は遠い。
フィリッパは階段を昇ろうとした。
と、その時。中年のちょび髭で丸々と禿げ上がった小太りの男性が現れた。
執事のマシュウだ。
マシュウは子爵家の出自で、マジョ家に仕えて20年以上になる。
「お嬢様」
マシュウは左手の上に右手を乗せ、パチンと音を立てた。
「はい、マシュウ」
「お嬢様、話は聞きましたぞ。それに、指輪もされていない」
「これね」
と言ってポケットの中から指輪を取り出した。
髪の色と同じ、眩いばかりに赤く輝く宝石が嵌め込まれている。
「こんなの、いらないわ!! 無用の長物よ」
フィリッパは指輪を勢いよく床に叩きつけ、踏み潰した。
指輪から宝石が飛び出した。
「まあまあ、お嬢様、冷静になられて下さい」
「だって。わたくしを裏切ったのですよ?」
「お気持ちはわかります。でも、指輪には罪はありません」
確かに指輪には罪は無い。
フィリッパは指輪と宝石を拾った。
「これ、マシュウにあげるわ」
フィリッパは宝石をマシュウに手渡した。
「ふむ。なかなかのブツだな」
マシュウは右手を上げ、宝石をまじまじと見つめた。
「お嬢様」
「はい」
「この宝石なら高く売れるぞ」
「なんとなく……です」
マシュウはマジョ家に使える前は宝石商を営んできた。
そのカンなのだろう。
「わかったわ。明日街に繰り出して売ることにするわ!!」
高く売れるなら、売り払った方が良い。
(売れたら、そのお金でまた違う宝石を買えば良いわ)
「それが賢明だ」
マシュウは髭を触った。
「しかし……なぜ唐突にこういう運びになったのでしょうか」
「それは……」
「いや、辛かったなら無理に話す必要もありません」
しかし、話す事にした。
話せばスッキリする。
溜め込む方が却ってストレスになる。
「それはね。アントニオ様がスターマー公爵令嬢に浮気をしていたの」
「なっ……なんて浮気を……けしからん話ですね」
マシュウは再び髭に触れた。
「だから……婚約破棄をしたわ」
「婚約破棄ですか……そういう事だったのですか。それはお辛いですね。心中お察し申し上げます」
二人が廊下で話し込んでいると、姉のベアトリスがやってきた。
ベアトリスは昼にお風呂に入る。
お風呂上がりのためか、ローズの匂いがする。
くるくる巻かれた赤い髪に赤い瞳。
面長で眉毛が薄い分、唇が厚い。長い首。
この人物こそ『夢は叶う♡あの人との恋』の悪役令嬢、ベアトリスだ。
描写はやはり、ちゃーさんの絵にそっくりだ。
「お姉様!!」
「こんなところで何をしているの? フィリッパ、マシュウ」
ベアトリスは二人を交互に見た。
「実はお姉様。わたくしはアントニオ様と婚約破棄をしたの」
「婚約破棄?」
ベアトリスは人差し指を右頬に当てた。
「そうなの」
「ベアトリスお嬢様。アントニオ様がスターマー公爵令嬢に浮気をしていたみたいなのです」
「ええっ!? アントニオ様がシモーネに!?」
重みのあるアルトの声が廊下に響き渡る。
この声は声優の野原舞由さんの声そのものだ。
ベアトリスは怪訝な顔を見せた。
俄に信じられるわけがない。
「お姉様。本当のお話です。でっち上げでも何でもありません」
「そう……なのね」
ベアトリスは腕を組み、左手で頭を支えた。
この仕草はゲームと何ら変わらない。
「お姉様、マシュウ」
フィリッパは自分が転生者である事を二人にカミングアウトする事にした。
「信じてくれるかわからないけれど……」
「どうしたの? わだかまっているものがあるなら、話した方が良いわよ」
「実は私、転生者なの」
「「転生者!?」」
「転生者って皆、誰かしらの転生者ですぞ、フィリッパ様」
「違うの。この世界は創られた世界なの」
「何言っているの。今更じゃない。世界は創られているわ、神によって」
信じてもらえるか自信を喪失してしまった。
しかし、話すと決めたのだから、話す事に決めた。
「この世界は松田樹利亜という日本人女性が描いた世界なの」
「松……田樹利亜!? 日本人?」
ベアトリスとマシュウは顔を見合わせて、訝しげな表情を浮かべる。
「そう。私が転生前に楽しんでいたゲームの世界」
「ゲーム?」
ゲームと言っても、この世界に於いてのゲームとは卓上ゲームの事だ。
「そう。んー、何て説明すれば良いのかな? イラストが声を出して話すような。物語の世界なの」
「何だかよくわかりませんが」
マシュウがまた髭を触った。
「お姉様……怒らないで下さい」
「勿論、怒らないわ。何でも話して!!」
「お姉様はこのゲームというか物語の悪役令嬢なの」
「悪役令嬢!?」
再びベアトリスとマシュウの二人が顔を見つめ合った。
「うん。そうなの。でね、その物語のヒロインはシモーネなの。つまり……」
フィリッパは続けた。
「この世界は女性向けゲーム、タイトルは『夢は叶う♡あの人との恋』ってやつなの。でね」
再び続けた。
「シモーネには彼氏候補がアントニオ含めて3人いるの。で、3人のうち、1人を選ぶわけなんだけど」
「で、そのゲームとやらにはフィリッパも登場人物の一人でアントニオの婚約者だって事は出ていたの?」
「出ていないわ。この世界は原作とは少し違うの。で、私は本名は貫名耀という名前なの」
「「貫名耀?」」
「そう。私は松田樹利亜同様、日本人なの。ま、早い話が宇宙人といったところね」
「宇宙からの転生か。面白い事言いますね、フィリッパお嬢様」
発想が面白い事というよりも、そう説明する他無いのだ。
「で、転生前はわたくしはコンピュータ関連の仕事をしていたの」
(ってこの人たち、コンピュータと言っても何がなんだかわからないよね)
フィリッパは舌を噛んだ。
「コンピュータってなあに?」
(うっかり失言)
「何て言うのかな。作家とはまた違う世界を創る仕事をしていたの」
(と、説明した方が良さそうだ)
「何だかよくわからないけど」
「わからなくて普通よ、お姉様」
「で、死因は何なんですか?」
「私……旅行に行く途中、空から海に向かって落ちて死んだわ。この世界で言うなれば、ペガサスから落馬した……と言えばわあるかしら?」
「それは確かに死ぬわね」
「でもね、お姉様、マシュウ。この話はお姉様とマシュウだけの秘密だからね。絶対に他の人に言わないでね」
「わかりました」
「わかったわ」
なんだかスッキリしたように感じた。
雪は降り続いている。
手足が冷える。
両手を合わせて息を吹き込む。
いっときだけだが、手が暖まる。
廊下は広い。
どこまでも続く長い回廊。
応接間とフィリッパの部屋部屋は遠い。
フィリッパは階段を昇ろうとした。
と、その時。中年のちょび髭で丸々と禿げ上がった小太りの男性が現れた。
執事のマシュウだ。
マシュウは子爵家の出自で、マジョ家に仕えて20年以上になる。
「お嬢様」
マシュウは左手の上に右手を乗せ、パチンと音を立てた。
「はい、マシュウ」
「お嬢様、話は聞きましたぞ。それに、指輪もされていない」
「これね」
と言ってポケットの中から指輪を取り出した。
髪の色と同じ、眩いばかりに赤く輝く宝石が嵌め込まれている。
「こんなの、いらないわ!! 無用の長物よ」
フィリッパは指輪を勢いよく床に叩きつけ、踏み潰した。
指輪から宝石が飛び出した。
「まあまあ、お嬢様、冷静になられて下さい」
「だって。わたくしを裏切ったのですよ?」
「お気持ちはわかります。でも、指輪には罪はありません」
確かに指輪には罪は無い。
フィリッパは指輪と宝石を拾った。
「これ、マシュウにあげるわ」
フィリッパは宝石をマシュウに手渡した。
「ふむ。なかなかのブツだな」
マシュウは右手を上げ、宝石をまじまじと見つめた。
「お嬢様」
「はい」
「この宝石なら高く売れるぞ」
「なんとなく……です」
マシュウはマジョ家に使える前は宝石商を営んできた。
そのカンなのだろう。
「わかったわ。明日街に繰り出して売ることにするわ!!」
高く売れるなら、売り払った方が良い。
(売れたら、そのお金でまた違う宝石を買えば良いわ)
「それが賢明だ」
マシュウは髭を触った。
「しかし……なぜ唐突にこういう運びになったのでしょうか」
「それは……」
「いや、辛かったなら無理に話す必要もありません」
しかし、話す事にした。
話せばスッキリする。
溜め込む方が却ってストレスになる。
「それはね。アントニオ様がスターマー公爵令嬢に浮気をしていたの」
「なっ……なんて浮気を……けしからん話ですね」
マシュウは再び髭に触れた。
「だから……婚約破棄をしたわ」
「婚約破棄ですか……そういう事だったのですか。それはお辛いですね。心中お察し申し上げます」
二人が廊下で話し込んでいると、姉のベアトリスがやってきた。
ベアトリスは昼にお風呂に入る。
お風呂上がりのためか、ローズの匂いがする。
くるくる巻かれた赤い髪に赤い瞳。
面長で眉毛が薄い分、唇が厚い。長い首。
この人物こそ『夢は叶う♡あの人との恋』の悪役令嬢、ベアトリスだ。
描写はやはり、ちゃーさんの絵にそっくりだ。
「お姉様!!」
「こんなところで何をしているの? フィリッパ、マシュウ」
ベアトリスは二人を交互に見た。
「実はお姉様。わたくしはアントニオ様と婚約破棄をしたの」
「婚約破棄?」
ベアトリスは人差し指を右頬に当てた。
「そうなの」
「ベアトリスお嬢様。アントニオ様がスターマー公爵令嬢に浮気をしていたみたいなのです」
「ええっ!? アントニオ様がシモーネに!?」
重みのあるアルトの声が廊下に響き渡る。
この声は声優の野原舞由さんの声そのものだ。
ベアトリスは怪訝な顔を見せた。
俄に信じられるわけがない。
「お姉様。本当のお話です。でっち上げでも何でもありません」
「そう……なのね」
ベアトリスは腕を組み、左手で頭を支えた。
この仕草はゲームと何ら変わらない。
「お姉様、マシュウ」
フィリッパは自分が転生者である事を二人にカミングアウトする事にした。
「信じてくれるかわからないけれど……」
「どうしたの? わだかまっているものがあるなら、話した方が良いわよ」
「実は私、転生者なの」
「「転生者!?」」
「転生者って皆、誰かしらの転生者ですぞ、フィリッパ様」
「違うの。この世界は創られた世界なの」
「何言っているの。今更じゃない。世界は創られているわ、神によって」
信じてもらえるか自信を喪失してしまった。
しかし、話すと決めたのだから、話す事に決めた。
「この世界は松田樹利亜という日本人女性が描いた世界なの」
「松……田樹利亜!? 日本人?」
ベアトリスとマシュウは顔を見合わせて、訝しげな表情を浮かべる。
「そう。私が転生前に楽しんでいたゲームの世界」
「ゲーム?」
ゲームと言っても、この世界に於いてのゲームとは卓上ゲームの事だ。
「そう。んー、何て説明すれば良いのかな? イラストが声を出して話すような。物語の世界なの」
「何だかよくわかりませんが」
マシュウがまた髭を触った。
「お姉様……怒らないで下さい」
「勿論、怒らないわ。何でも話して!!」
「お姉様はこのゲームというか物語の悪役令嬢なの」
「悪役令嬢!?」
再びベアトリスとマシュウの二人が顔を見つめ合った。
「うん。そうなの。でね、その物語のヒロインはシモーネなの。つまり……」
フィリッパは続けた。
「この世界は女性向けゲーム、タイトルは『夢は叶う♡あの人との恋』ってやつなの。でね」
再び続けた。
「シモーネには彼氏候補がアントニオ含めて3人いるの。で、3人のうち、1人を選ぶわけなんだけど」
「で、そのゲームとやらにはフィリッパも登場人物の一人でアントニオの婚約者だって事は出ていたの?」
「出ていないわ。この世界は原作とは少し違うの。で、私は本名は貫名耀という名前なの」
「「貫名耀?」」
「そう。私は松田樹利亜同様、日本人なの。ま、早い話が宇宙人といったところね」
「宇宙からの転生か。面白い事言いますね、フィリッパお嬢様」
発想が面白い事というよりも、そう説明する他無いのだ。
「で、転生前はわたくしはコンピュータ関連の仕事をしていたの」
(ってこの人たち、コンピュータと言っても何がなんだかわからないよね)
フィリッパは舌を噛んだ。
「コンピュータってなあに?」
(うっかり失言)
「何て言うのかな。作家とはまた違う世界を創る仕事をしていたの」
(と、説明した方が良さそうだ)
「何だかよくわからないけど」
「わからなくて普通よ、お姉様」
「で、死因は何なんですか?」
「私……旅行に行く途中、空から海に向かって落ちて死んだわ。この世界で言うなれば、ペガサスから落馬した……と言えばわあるかしら?」
「それは確かに死ぬわね」
「でもね、お姉様、マシュウ。この話はお姉様とマシュウだけの秘密だからね。絶対に他の人に言わないでね」
「わかりました」
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